宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

格付けしない

2021年05月28日 | 
『チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学』(小川さやか 春秋社)
読後、なんだか明るい気持ちになったので、読書記録を書いてみる。

この本を知ったきっかけは、新聞の書評。チョンキンマンションといえば香港、香港映画的なイメージで書評を読んだら予想と違った内容で印象に残ったのだろうか。機会があったら読んでみようと思っていたら、図書館で目に入ったので借りてみた。

詳しく感想を書こうと思ったのだが、「経済」はもちろん「人類学」のこともいまいちよく分かっていないためか、思いのほか難しく時間がかかるばかりなので、箇条書きに。

これは、香港在住タンザニア人たちの経済活動についての学術的エッセイである。(でいいのかな?)

明るい気持ちになった理由
今を生きている。
恩を着せない。
借りを感じなくていい。
遊びと仕事を分けない。
従わなくていい。
じめじめしていない。
いざというときに助けがある。
「ついで」でwin-win
数値化できない個性が活きる。
社会的に偉い人もダメな人も同じネットワーク

合わせて
自分が知っている世の中の仕組みが全てではない。
よりよい経済、社会の仕組みを考えている頭のいい人たち(学者)がいる。

といったところかな?

個人的には、自分の先祖が農民だからか、後年になって知った「商売人」メンタリティへの憧憬があり、また「故郷を離れた土地での居住年数が各々違うコミュニティ」は風通しがよくて良さそうだなと感じていたので、著者が注目するシステムの源泉がちょっと分かるような気もする。

スワヒリ語を駆使して、日本語話者の多くには未知であろう世界を開示する著者には感嘆するばかり。すごいなぁ。この本を「ボス」のカラマ氏ほかタンザニアの人に見せたら、わけわからない言語の羅列の中に、自分たちの写真や理解できる(スワヒリ語の)数行を見つけて、すごく不思議な気持ちになっただろうなぁー。

この本の発行は2019年なので、その後の香港民主化デモや新型コロナウイルスの流行で、タンザニア香港組合がどうなっているのか気になるところだ。

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