宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

恥ずかしながらロックについて

2021年10月06日 | 
『日本のロック名盤ベスト100』(川﨑大助 講談社現代新書)を読む。

この本は前から図書館にあって、ちょっと読んだことがあったのだが、その時の印象としては
・10位までは、疎い私でもなんとなく納得のランキング。その中ではフィッシュマンズの8位が異様に見えた(知らないから)。
・自分が雑誌コラム好きというのもあるかと思うけど、限られた文字数の中でずばっとストライクを取りにいく筆致に好印象
・なんとなく著者はフェミニスト?女「性」を前面に出したアーティストには辛い印象。
第一部のベスト100の知っている人のところだけぱらぱら読んで、第二部は読んでいなかったのだと思う。

『僕と魚のブルーズ』を読んだ後、にわかに読みたくなって、図書館から借りてきた次第。
返す前に、基本的な覚え書きを。

・「ロック」と「ロックンロール」は同義。
・ロックンロールはアメリカ英語。きわめてアメリカ的な特産品。
・(本書で使用の言葉)「ポップ音楽」の「ポップ」は「ポピュラー」の略ではない。
・ポップ音楽=ロックンロールそのもの+その影響下にある大衆的な商業音楽の全体
・「ロック」も「ロール」も「実際の動き」と「そうなるような気分」の両方を表すための言葉。
・ロックンロールは「人工的」な音楽。「実現せねばならない理想」
・「歌謡曲」「ニューミュージック」「Jポップ」は、分からない多様なものを一束ねにして体制側に取り込み、現状を肯定するために何者かが(あるいは集合的無意識が)広めた呼称。
・ロックンロールは、冷戦を背景にして生まれ、その終結をもって歴史的役割を終えた(?)
・男尊女卑はロックじゃない。

全般に知らないことばかりなんだけれど、言葉だけ知っていたパンクやニューウェイヴがどういうものかとその流れが分かったのもよかった。

第一章ベスト100決定において5つの指標「ロック追求度」「オリジナリティ」「革新性」「大衆性」「影響度」の説明があった。ものを知らない私が違和感を持つとすれば「大衆性」で、これは辺境の地の子どもにまで届くということではない。コアなロックファンが支持しているとか海外の目利きに発見されるということが重要なんだな。
確かに、映画や文学で考えると、評価基準における「大衆性」とはそっちのほうかと納得したり。あらたな発見とかあって、年月を経て変わってくる部分でもあるなと思った。
サブスクリプション(apple music)内で検索すると、聴けるものが結構あってわくわく。

「おわりに」にある、ロックンロールとは「どんな動き」や「気分」をあらわしたものだったのか?の例がステキなので書き写してしまおう。

「クールな気分。その逆にホットな気分。わくわくするような、胸騒ぎがするような感じ。腹の底がカッと熱くなる……エネルギーの渦が生じてくるような感じ。反発力の起点。それら一切合切の、湧き上がってくるエモーションの波を最初に生み出してくれる。水晶体のようなもの。およびその振動を受けたことを全身の至るところで表現する、という行為そのものーーこれらすべてを『ロックンロール』のたった一言で表すことができる。」

中学生の頃よりも今のほうが、この感じを欲しているような気もする。損失補填のため・・・かもしれない?


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