NHKラジオ語学講座「まいにちスペイン語」福嶌教隆先生の応用編がおもしろい。自分はまったく応用編に進むようなレベルではないのだが、スキットとお話が楽しい。
第7課では「医療費ゼロの国スペイン」というお話があった。
スペイン語出演者の方のお話
「スペインは世界で最も医療福祉の制度が整っている国の1つです。医療費は100%その制度でカバーされるので、患者の金銭的負担は一切ありません。スペインを出るまで、病院で現金出納器〔レジ〕というものを見たことがなかったんですよ!」
へーそうなんだ。今まで漠然と、医療費負担に関して日本は他国よりも恵まれている、これも国民皆保険制度のおかげ、日本が世界に誇れることだ、と思っていたのだが、さらにすばらしい国があったのだった。知らなかった。
単に自分が無知だっただけなのだけれど、医療費に関して「日本は恵まれている」と思ったのは「アメリカでは自分で保険をかけていないと、医者にかかった時に莫大な請求がくる」という話を聞いたからなのだった。比べる対象がアメリカだけだった、ということに気づいた。
このように「世界」=「アメリカ」で偏った知識が定着してしまって、他のたくさんの国々のことが抜け落ちている例が結構あるのでは、と思う今日この頃。よくてせいぜい「世界」=「欧米」。昭和中期の社会と教育による刷り込みが大きかったような気もする。
自分が10代の頃1980年代はまさに「世界」といえば「アメリカ」という感じで、当時の有識者が語っていた「世界」も、今思えば結構偏っていた、と思う。
…と、ここで書きたかったことは政治や社会のことではなく、実は「文法」に関する自分の思い込みのことなのだった。
日本語と同じ語順で文法構造が似ている言語は韓国・朝鮮語ぐらいで、日本語は特殊な言語だと思っていたのだけど、そうでもないらしい。
外国人労働人口の高まりとともに、私も外国出身の人複数と話をするようになったのだけど、検索したら、その人たちの言葉も、文法的には日本語と似ていて学びやすいとあった。
知らなかった…
これも自分が無知だっただけで、今検索したら、日本語と、語順や文法が似ている言語は結構あるらしい。
自分は多言語に興味があるものの、節操がなくなっていもいけないと、語学講座も中国語とハングルには自分ルールで手を出さないでいたのだが、今日本に来ているアジア系の人たちの国と言語にはまったく無知であった。世界を片目で見ているようなものだったなと今さらながら思ったり。
知り合った人たちの国の挨拶ぐらいは覚えたいと思うのだが、何回聞いても覚えられない…トシのせいか…
外国語学習者として、自分はその人たちと話す際、ついつい文法や分かりやすさに気をつけて話したりするのだけど、周囲の日本人たちはがんがんと容赦ない。でも若者にはその方がナチュラルに習得できて結果的にはいいんだろう。
日本語環境の中で日本語を身に付けていっている人を見ていると、自分の外国語学習への感覚も変わってくる。文法を一通り学ぶことは必要だと思うけれど、とにかく聞いて真似して身になじませる感じでいかんとなー…いつまでものんびりしている場合ではないぞ、と。あと外国で必要なのはやっぱり人間力だな、と。