宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

「場所」と自分語り

2021年04月14日 | 
『パチンコ』上巻で大阪が主要な舞台になっていたことも影響してか、なんだかよく分からないけど「せっかくやし」と思って、一緒に『大阪』(岸政彦 柴崎友香 河出書房新社)も借りてきて、次に読んだ。
もう返却してしまって詳細あいまいなのだけど、思っていた以上に面白く、自分の記憶が触発された。
そういう、読者が自分語りをしたくなる魅力もこの本にはあるのだと思う。
大阪在住じゃない人でも、それぞれの人が愛着のある場所に自分を託して語りたくなるのではないか。
著者お二人のいろんなことが知れたのも興味深かった。
岸さんてウッドベースやってはったんやー。綾戸智恵さんからアパート引き継いでたんやー。とか。
柴崎さん、高校のときから(デビューまもない)エレファントカシマシのライブ行ってたんやー。心斎橋まで自転車で10分とかうらやましー。とか。(なぜか感想がエセ関西弁になる)
川に渡し船があるというのは「ドキュメント72時間」でやってたなー。

以下まったくの自分語りだが。
私は「場所」に自分を託して語れる人がうらやましい。
「街」でも「学校」でも「職場」でもいいのだけど、自分の居場所(または居た場所)として、人に語るというのが、なぜかどうも自分には自然にできない。
どこもなんとなく「お邪魔させてもらってる(過去にお邪魔していた)」みたいな気持ちになる。
自意識過剰なのか、同じ場所を共有している他人の目が気になるからなのか、ライブとか映画とか本とかの感想は書けるのだけど、現実的な場所(人も)だと、ためらいが大きくなる。気恥ずかしくもある。

それはそれとして『大阪』、私は大阪にほとんど無知なのだけど、柴崎さんの章にあった「扇町ミュージアムスクエア」「シネマ・ヴェリテ」とか「4時ですよーだ」とか、ピンポイントで記憶が刺激されてびっくり。
大学時代、たまーに映画、観に行っていたんだなぁー。
もっと街歩きしておけばよかったと今は思うのだが、当時の私は全くのカントリーガール、大阪の中心地は眩しすぎた。人の多さにも圧倒された。
「4時ですよーだ」は、大学で同じクラスの人がおっかけ?しているというのをちらっと聞いたから。「圭修5」は今検索したら裏番組じゃなかったのね。

あまりにも記憶があいまいなので、当時の日記を探してみたが、たまにしか書いてなかった。もっといろいろ書いておけばよかった。
しかし、ひとつピンポイントで過去の記憶が修正された。
私の「大阪の記憶」の一つとして「大阪駅構内の店で高野寛さんのCDを買ったら、店員さんに『もうすぐ新しいアルバムが出るんですよ!ぜひ』と強力プッシュされた」というのがあったのだが、それは、大阪駅構内ではなく、京都駅地下ポルタにあるショップ(JEUGIA)だった。
買い物のレシートを日記に貼り付けていた一時期があり、判明。
なーんだ。でもいずれにせよ、あの店員さんは高野寛さんと大学時代関係あった人なんじゃないかと勝手に思っている。

あと、柴崎さんがあとがきで書いていた、近鉄奈良線で生駒を越える時に一望できる大阪の街、私もあの景色、すごく印象に残っている。私の中のザ・大阪。

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