2020年3月議会の一般質問が取りやめになり、それに代わる場が提供されないということになり、市議会議長と議会運営委員長へ10月28日に「新型コロナ禍における議会運営についての申し入れ」を行い、3月議会の一般質問を今後の議会で、それに代わる場を補償するよう求めました。(議会運営委員長が対応しました)
「会議原則」に則り、議員の発言は「言論の府」として最も尊重すべきもの
3月議会で取りやめになった一般質問は、代わる場を提供すべき
3月議会は、新型コロナ感染症が拡大する中、開催中の3月議会が3月2日から2週間の休会となりました。再開した議会では、日程が変更され、一般質問は取りやめとなりました。当初予算を審議する重要な議会で、審議時間が大幅に縮減され、本格的な議論の場となる一般質問が取りやめとなったことは、新型コロナ感染症という特別な事情があったとはいえ、少数会派は協議の場に参加もできず、議会で最も重要な議論の場が削られました。一定期間の休会はやむを得ない面もありましたが、一般質問は再開後の会期中に何らかの形で実施する、または次の議会も含めて、発言の機会を保障するよう最大限の努力をすべきです。
3月議会の一般質問中止にあたり、「会派代表者会で、今回一般質問をできなくなる議員へは、その後何らかの形で発言の場を保障すべきと意見があった」との議会事務局説明でした。そのため、日本共産党市議団は、3月議会の一般質問に代わるものとして、6月議会で上野美恵子議員が一般質問をしました。ところが9月議会終了後、「共産党は、6月に上野議員が一般質問したので、今期は那須議員の一般質問1回のみ」と言われ、来年3月議会の一般質問ができなくなりました。
民主的な議会のルール、基本原則が「会議原則」です。そこでは、「議員平等の原則」としての「議員の発言権」、民主政治に不可欠の要素として「発言自由の原則」が規定され、議員の発言権保障が議会の第1義的課題とされています。3月議会での一般質問中止は、議員が「平等の原則」に基づき一人一人に保障された発言の権利・機会を奪うものです。「言論の府」として「発言権」の保障に最大限努力し、できなかった一般質問は、代わる場を補償すべきです。
【申し入れ全文】
新型コロナ禍における議会運営についての申し入れ
日本共産党熊本市議団
上野 美恵子
那須 円
世界的にもパンデミックとなり、未だ感染の収束が見えない新型コロナウィルス感染症は、医療現場はもちろん市民生活や地域経済に広く大きな影響を及ぼしています。市民のいのちや暮らし・生業の再建を願う立場から、一刻も早い終息へと、議会と行政が一丸となって取り組んでいくことが求められています。そのためにも、市政にかかわる重要な課題として、新型コロナ対策についての議会での議論は極めて重要です。刻々と変わる状況を的確に把握・分析し、多面的な角度から検証し、適切かつ迅速な対応をとっていくためには、議会全体の英知を結集していくべきです。
新型コロナ感染症は、今年になって急速かつ想像をしなかった広がりとなり、行政や議会も2月以降は、次々と急な対応をせまられることとなりました。特に3月議会は、未解明な新型コロナウィルス感染症の拡大の中、学校の一斉休校や公共施設の閉鎖なども行われ、開催中であった市議会も、3月2日から2週間の休会となりました。その後開催された3月議会は、総括質疑に始まり、各常任委員会・予算決算委員会分科会・予算決算委員会しめくくり質疑が行われ、最終日開催となりました。新年度の当初予算を審議する重要な議会であったにもかかわらず、審議時間が大幅に縮減され、本格的な議論の舞台となる一般質問が取りやめとなったことは、新型コロナウィルス感染症という特別な事情があったとはいえ、年4回の議会のうち当初予算の審議を行う最も重要な議会として、議案審査を充分に行うことができなかったことは問題点を残したものと考えます。私ども少数会派は、議会休会の決定にかかわる協議の場にも参加することができず、休会が決定された議会運営委員会の直前に知らされました。一定期間の休会はやむを得ないものであったかもしれませんが、一般質問は再開後の会期中に何らかの形で実施すべきであったと考えます。
私ども日本共産党熊本市議団にとって、年2回しかできない一般質問はたいへん重要な発言の場です。休会による一般質問の取り止めを議会事務局議事課より報告を受けた際、何らかの形で、会期中に実施すべきであると主張しましたが、新型コロナウィルス感染症の今後の見通しが予測できないことなどから、難しいとの説明がありました。そこで、「今回中止となった一般質問は、その後何らかの形で保障されるのか」ということを訪ねたところ、「会派代表者会で、今回一般質問をできなくなる議員へは、その後何らかの形で発言の場を保障すべきとの意見があった」との説明があり、やむなく報告を受け入れました。そういういきさつの中で、日本共産党市議団は、3月議会に代わる場として、6月議会で上野美恵子議員が一般質問を行いました。
ところが、9月議会も終わった時点で、突然、議会事務局議事課より、「一般質問についてお話があります」ということで、「日本共産党市議団は、6月に上野議員が一般質問をされたので、12月・3月の議会では那須議員の一般質問が1回出来るのみです」と言われました。3月議会の一般質問を取りやめる際、当時の議事課長より「やめた3月の一般質問に代わる場がつくられます」と言われたことを言うと、「そんなことを誰が言ったのですか」と、前年度となる3月議会での休会と一般質問中止に至った経緯を全く無視するような発言があり、唖然としました。このようなやり取りを軽々に行ってよいものでしょうか。
歴史的にも、さまざまな会議・集会において、民主的な結論を得るために様々な経験が長年積み重ねられてきたルール、基本的な原則が「会議原則」と言われるものです。そのひとつに「議員平等の原則」があり、議会への出席や表決などと同じように保障されているものが「議員の発言権」です。また原則の一つ「発言自由の原則」は、民主政治に不可欠の要素であり、「言論の府」と言われる議会において最も尊重されなければならないと言われています。これら議会の基本原則に基づく議会運営こそ一番重要です。さまざまな事情を考慮しつつも、議会の発言権を保障していくことは、議会としての第1義的課題のはずです。
3月議会での一般質問中止は、議員が平等の原則に基づき、一人一人に平等に保障されている発言の権利・機会を奪うものです。また、「言論の府」として最大限保障されるべき「言論の自由」に反するものであり、発言の権利や機会を奪うのでなく、「発言権」を補償するためにこそ、知恵や努力を尽くすべきです。このまま、3月の一般質問を取りやめ、代わる機会を提供しなければ、熊本市議会は会議原則にも反する重大な瑕疵を残すことになります。
新型コロナ禍にあっても、言論の府である議会が、会議原則に則り、3月議会で中止となった一般質問については、最大限の努力を払い、代わる場を提供することを要望いたします。
以上
「会議原則」に則り、議員の発言は「言論の府」として最も尊重すべきもの
3月議会で取りやめになった一般質問は、代わる場を提供すべき
3月議会は、新型コロナ感染症が拡大する中、開催中の3月議会が3月2日から2週間の休会となりました。再開した議会では、日程が変更され、一般質問は取りやめとなりました。当初予算を審議する重要な議会で、審議時間が大幅に縮減され、本格的な議論の場となる一般質問が取りやめとなったことは、新型コロナ感染症という特別な事情があったとはいえ、少数会派は協議の場に参加もできず、議会で最も重要な議論の場が削られました。一定期間の休会はやむを得ない面もありましたが、一般質問は再開後の会期中に何らかの形で実施する、または次の議会も含めて、発言の機会を保障するよう最大限の努力をすべきです。
3月議会の一般質問中止にあたり、「会派代表者会で、今回一般質問をできなくなる議員へは、その後何らかの形で発言の場を保障すべきと意見があった」との議会事務局説明でした。そのため、日本共産党市議団は、3月議会の一般質問に代わるものとして、6月議会で上野美恵子議員が一般質問をしました。ところが9月議会終了後、「共産党は、6月に上野議員が一般質問したので、今期は那須議員の一般質問1回のみ」と言われ、来年3月議会の一般質問ができなくなりました。
民主的な議会のルール、基本原則が「会議原則」です。そこでは、「議員平等の原則」としての「議員の発言権」、民主政治に不可欠の要素として「発言自由の原則」が規定され、議員の発言権保障が議会の第1義的課題とされています。3月議会での一般質問中止は、議員が「平等の原則」に基づき一人一人に保障された発言の権利・機会を奪うものです。「言論の府」として「発言権」の保障に最大限努力し、できなかった一般質問は、代わる場を補償すべきです。
【申し入れ全文】
新型コロナ禍における議会運営についての申し入れ
日本共産党熊本市議団
上野 美恵子
那須 円
世界的にもパンデミックとなり、未だ感染の収束が見えない新型コロナウィルス感染症は、医療現場はもちろん市民生活や地域経済に広く大きな影響を及ぼしています。市民のいのちや暮らし・生業の再建を願う立場から、一刻も早い終息へと、議会と行政が一丸となって取り組んでいくことが求められています。そのためにも、市政にかかわる重要な課題として、新型コロナ対策についての議会での議論は極めて重要です。刻々と変わる状況を的確に把握・分析し、多面的な角度から検証し、適切かつ迅速な対応をとっていくためには、議会全体の英知を結集していくべきです。
新型コロナ感染症は、今年になって急速かつ想像をしなかった広がりとなり、行政や議会も2月以降は、次々と急な対応をせまられることとなりました。特に3月議会は、未解明な新型コロナウィルス感染症の拡大の中、学校の一斉休校や公共施設の閉鎖なども行われ、開催中であった市議会も、3月2日から2週間の休会となりました。その後開催された3月議会は、総括質疑に始まり、各常任委員会・予算決算委員会分科会・予算決算委員会しめくくり質疑が行われ、最終日開催となりました。新年度の当初予算を審議する重要な議会であったにもかかわらず、審議時間が大幅に縮減され、本格的な議論の舞台となる一般質問が取りやめとなったことは、新型コロナウィルス感染症という特別な事情があったとはいえ、年4回の議会のうち当初予算の審議を行う最も重要な議会として、議案審査を充分に行うことができなかったことは問題点を残したものと考えます。私ども少数会派は、議会休会の決定にかかわる協議の場にも参加することができず、休会が決定された議会運営委員会の直前に知らされました。一定期間の休会はやむを得ないものであったかもしれませんが、一般質問は再開後の会期中に何らかの形で実施すべきであったと考えます。
私ども日本共産党熊本市議団にとって、年2回しかできない一般質問はたいへん重要な発言の場です。休会による一般質問の取り止めを議会事務局議事課より報告を受けた際、何らかの形で、会期中に実施すべきであると主張しましたが、新型コロナウィルス感染症の今後の見通しが予測できないことなどから、難しいとの説明がありました。そこで、「今回中止となった一般質問は、その後何らかの形で保障されるのか」ということを訪ねたところ、「会派代表者会で、今回一般質問をできなくなる議員へは、その後何らかの形で発言の場を保障すべきとの意見があった」との説明があり、やむなく報告を受け入れました。そういういきさつの中で、日本共産党市議団は、3月議会に代わる場として、6月議会で上野美恵子議員が一般質問を行いました。
ところが、9月議会も終わった時点で、突然、議会事務局議事課より、「一般質問についてお話があります」ということで、「日本共産党市議団は、6月に上野議員が一般質問をされたので、12月・3月の議会では那須議員の一般質問が1回出来るのみです」と言われました。3月議会の一般質問を取りやめる際、当時の議事課長より「やめた3月の一般質問に代わる場がつくられます」と言われたことを言うと、「そんなことを誰が言ったのですか」と、前年度となる3月議会での休会と一般質問中止に至った経緯を全く無視するような発言があり、唖然としました。このようなやり取りを軽々に行ってよいものでしょうか。
歴史的にも、さまざまな会議・集会において、民主的な結論を得るために様々な経験が長年積み重ねられてきたルール、基本的な原則が「会議原則」と言われるものです。そのひとつに「議員平等の原則」があり、議会への出席や表決などと同じように保障されているものが「議員の発言権」です。また原則の一つ「発言自由の原則」は、民主政治に不可欠の要素であり、「言論の府」と言われる議会において最も尊重されなければならないと言われています。これら議会の基本原則に基づく議会運営こそ一番重要です。さまざまな事情を考慮しつつも、議会の発言権を保障していくことは、議会としての第1義的課題のはずです。
3月議会での一般質問中止は、議員が平等の原則に基づき、一人一人に平等に保障されている発言の権利・機会を奪うものです。また、「言論の府」として最大限保障されるべき「言論の自由」に反するものであり、発言の権利や機会を奪うのでなく、「発言権」を補償するためにこそ、知恵や努力を尽くすべきです。このまま、3月の一般質問を取りやめ、代わる機会を提供しなければ、熊本市議会は会議原則にも反する重大な瑕疵を残すことになります。
新型コロナ禍にあっても、言論の府である議会が、会議原則に則り、3月議会で中止となった一般質問については、最大限の努力を払い、代わる場を提供することを要望いたします。
以上