ひかり

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アメリカに武士がいた???

2017年03月08日 | 政治、経済、全般
♪ Mother, mother
  There's too many of you crying … ♪


What's Going On/愛のゆくえ(Marvin Gaye/マーヴィン・ゲイ)の歌い出しです。
1971年に発表された歌です。


恋人に優しく囁くように歌い始め、
メロディーは、とろけそうにロマンチックで、もう、何とも、うっとりしてしまう

私は、この曲は、ラブソングだと思っていました。

あるきっかけがあり、この曲を調べてみると、
反戦を歌った、社会的な歌だと知り、とても驚いたのです。

〜〜〜〜〜

これから書くことは、私の私感や想像の話なので、
実際とは、違った内容になるかもしれませんが、恥を承知の上で、少し書いてみます。
何となく、マーヴィンゲイさん達に何か事を起こせと言われている気がして。
今でも、夜、思い出すと、涙が止まらなくなることがあるのは、そのせいなのか…

〜〜〜〜〜

まずは、最初に驚いた通り、社会的な内容に関わらず、
なんとも美しいメロディーに乗せて、優しく語りかけるように歌っていらっしゃる。
しかし、詩の内容を知り、時は経ったとはいえ、その御姿勢に触れ、ひれ伏す思いでした。
なんて、民度の高い、
アメリカは、こんな国だったのだと思い知らされた気持ちになったのです。

勿論、この時代、アフリカ系アメリカ人の皆さんが、
アメリカ社会に物申すことは、命と引き換えだったかも知れませんから、
このように美しく、控えめに歌っていらっしゃるのだろうとも思います。

でも、ただ単に、控えめに、小さな声でということではなく、
例えば、”brutality”(蛮行)という、言葉さえも、
光を放つように歌い上げているように感じるのです。
その、マーヴィンゲイさんの魂の清らかさには、ただただ、頭がさがる思いにさせられます。
ご本人も、”brutality”を受けてきたに違いないと思うのです。
そして、毎日のように、”brutality”を見聞きし、暮らしてこられた筈なのに、
こんな風に歌えてしまえるなんてと。

そして、英語の歌詞をよく理解しているかどうかは、解りませんが、
白人を敵に仕立てるのではなく、あくまでも、”僕らの”とか、”僕らが”と歌い、
自分たちが間違っていて、それを正すのも、自分たちだと歌っておられる。

さらに、そこまで控えめに歌っていても、
この歌が原因で、アフリカ系の皆さんが、”brutality”を受けてしまわないように、
この歌の全責任をご自分が背負うかのように、
 Picket lines and picket signs
 Don't punish me with brutality
 Talk to me,
 So you can see
この部分だけは、”me"を使っておられるのです。
Don't punish me with brutality と否定形の文章ですが、
むしろ”蛮行をするなら、僕にしろ 気に入らなければ、僕に言ってくれ”とご自分を盾にし、
でも、相手を打ち負かすのではなく、
お互いに愛を持って、話し合い、歩み寄れば、解決できると訴えておられるように感じるのです。

アメリカに、武士がいた。
そう感じるのは、私だけでしょうか。
勿論、彼だけではなく、この楽曲に携わった方々も責任を背負う覚悟だったでしょう。


ここまで出来るのは、彼らがとても愛情深いからだと思いますが、
それだけではなく、彼らの中に、差別を受けながらも、”愛国心”がしっかりとあるからだろうと思うのです。
差別を受けてきたアメリカという国なのにです。
だからこそ、自分たちで良い社会を作っていこうと呼びかけることが出来るのだと思うのです。
”brutality”を受けてきて、愛国心がなければ、そんなことは、到底言えるはずがないと思うのです。
(日本では、愛国心と言うと、右翼とされてしまいますが、そうではないことが、ここでもお解りいただけるかと思います。)

Mother, Mother,
everybody thinks we're wrong
Oh, but who are they to judge us
Simply because our hair is long

この歌詞の中には、誰かを悪者にするのではく、
自分たちで良い社会を築いていこうという意思も感じます。
そして、”髪の毛が長いという理由”と歌っていて、
一見、ヒッピーのことだけを指しているかのようですが、
きっと、”肌の色が違うというだけで、差別しないでほしい”と遠回しに訴えているようにも感じます。


ですから、この歌の序盤に、はっきりと、”war(戦争)”と出ては来るのですが、
それは、”戦争”だけではなく、勿論、差別や社会の色んな問題を意味し、
それらを解決するには、”愛”を持ってあたらないといけないと訴えておられると思うのです。


まさに今、世界で起こっている色んなことに対して、
彼らが、"What's going on"
”どないなってんねん”、”何してんねん”と、
私たちに、何が大事なのかを、改めて教えてくださっている気がするのです。


初めのうちは、ラブソングに聞こえていた歌ですが、
歌詞を理解すると、アフリカ系アメリカ人である彼の育った環境が
しっかりと彼の歌声の後ろにあるのが感じられます。

日本にいた頃は、アメリカの黒人差別の現状を殆ど全くと言って良いほど知りませんでした。
しかし、カナダに来て、黒人差別をテーマにした映画やドラマを幾つか観る機会があり、
そのほんの一部にすぎませんが、知ることができました。
そんな機会がなければ、この歌をこんな風に感じることはなかったと思います。
ですので、このブログを今読んでくださっている方も、
黒人差別がどのようなものだったのかを全くご存知ない方も少なくないのではないかと思いますので、
少しだけ、書いてみますが、
その差別は、ただ単に、水飲み場が違うとか、選挙権がなかったというようなものではなく、
「今日は気分がむしゃくしゃするから、黒人をリンチしようぜ」
というような、まさしく蛮行であったようです。
ですから、ドイツではなく、日本に原爆が落としたのでしょう。
日本が戦争を止めないから原爆を落としたのではなく、
逆に、日本が降伏しようとしていたから、急いで落としたのです。原爆の実験をしたかったために。
白人以外は、人間と思わない人がいるのです。

少し話が逸れそうなので、元に戻します。


日本を貶めようとしている方々が、たくさんいます。
中国も韓国も北朝鮮も、国益を考えて行動されていると思うのですが、
他の国の国益も考えない、自分の国さえよければいいという国益には、
真の愛国心がないように思います。

そして、私たちも、そんな日本を貶めようとしている方々に対してであっても、
敬意を表することを忘れてはならないとも。
腹が煮えくり返りそうな言動をやり尽くしている方々であっても、
その人達を呼び捨てにしたり、見下したり、皮肉ったりせず、
お互いに歩み寄れるように、自分たちだけでもその姿勢を貫きたいと思うのです。
彼も歌っています。愛でしか解決できないと。
見下す行為は、この歌でいう、”戦争”なのだと思います。

Father, father
We don't need to escalate
You see, war is not the answer
For only love can conquer hate

そして、テロの原因の根底には、差別が横たわったいると思います。
どうか、このマーヴィンゲイさんのこの歌をもう一度聞いて、
歩むべき道に戻っていただきたいと願います。

今のアメリカ元首にも、
もう一度、この歌を思い出して頂きたい。

そして、日本も、愛国心をちゃんと教える国になれるように。


さて、皆さんは、この歌をどう解釈されますか?
何を感じますか?


では、また明日。
皆さんの今、そして未来も、皆さんにとって幸せな時であります様に…。
と言うよりも、
皆さんの今、そして未来も、皆さんにとって幸せな時であります。
(それが必ず実現される為に、”祈り”ではなく、”そうである”と断言しました。)



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