こだわりの生活

ヒゲオヤジの何でもやってみよう、見てみよう挑戦日記

Gメン’75 後編

2005-11-06 09:10:28 | テレビ番組

さて、後編である。tanpa

渋谷ハチ公前に朝6時に集合、当時は朝が苦手だったが、なんせ初体験の興奮のせいか、かなり早く、時間前に来てワクワク、ドキドキして待っていた。明らかに同じような人待ち顔の男達がいるいる、ざっと数えるとそれらしいのが20人位いたという記憶がある。

やがてロケバスが到着して、いかにもテレビ関係者というギョウカイ風の人の案内で2台のバスに分乗して出発した。

wakaba 行き先もエキストラの仕事内容も一切聞かされておらず、分かっているのは今日1日拘束されるという事だけだったので、バスに乗って出発した時点が興奮のピークとなっていた。

そんな興奮も長くは続かなかった。代々木の国立競技場前のとある場所でバスを降ろされた。渋谷と目と鼻の先である。てっきり、バスに乗って観光気分で最低、1~2時間くらい乗ってると勝手に勘違いしていたので、ガッカリである。

しかし、この時はエキストラやロケ現場の大変さというのを全く理解しておらず、その後ひたすら待ち時間の長い大変な一日を過ごすことになる事も知らず呑気なものだった。

さて、道路脇のちょっとした広場に集められた私達は仕事内容の説明とkurata それに使う衣装と小道具を渡され待機となった。広場の端には空きテナントの店舗をロケ用に改造して、にわか○○銃砲店となっており、どうやらタレント待ちらしい。

本日の撮影内容は警察に追われた犯人が銃砲店に押し入り、銃を奪って立て篭もり、抵抗するも銃撃戦の果てに撃たれるというものだった。そして我々の仕事はその犯人を取り囲む機動隊の一群らしい。

やがて、犯人役の名も知らない俳優が来て撮影開始。知ってる俳優はまだ誰も来ない。

暑苦しいニセ機動隊の制服にこれもニセの盾を持って必要があるときだけ群れを成してそれらしいポーズをとる。それの繰り返しである。本物の盾は軽量のジュラルミンかなんかだと思うが、撮影に使われたのは木とベニヤで作られたやたら重い盾でそれをもっともらしく持って構え続けるだけで疲れてしまう。

撮影はシーンのこま切れ撮影で短いと5秒なんてカットがあり、その背景に機動隊が必要と思われた時はその都度何回も同じ事をさせられる。タレントしか写さないときはひたすら待ちである。いつお呼びがかかるか分からないので制服を脱いで寛ぐ訳にもいかない。そうかー我々は単なる背景に過ぎないのかーと妙に納得してしまうと、余計疲れて力が入らない。

昼になり弁当が配られ、やっと人心地がついた。このエキストラに参加している他の人たちと話をする機会に恵まれたが、私とは志が違う。皆さん本気で俳優・タレントを目指しているようだ。これがいわゆる下積みなんだなーと思い、覗き見気分で来たことを少し後悔したが後の祭りだった。

いよいよ撮影も故小池朝雄氏を迎え、佳境となった。彼はGメン’75のメンバーではなくその日のゲストスターだった。犯人を説得する警察のお偉方?の役で来ていた。彼を知らない人には刑事コロンボの初代の声優だといえば分かるだろうか、渋い脇役俳優だった。

台本通り、説得に成功せず、撃ち合いになり犯人が倒れた、いよいよ本日の撮影もフィナーレだ。一刻も早く開放されることを願っていた私は撮影の終了ばかり気にしていた。

そんな時、ビックリする事が起きた。エキストラ全員が集められ監督だかディレクターだか知らないが、エライ人が我々を観察すること、しばし、私ともう一名が指名され別な衣装に着替えさせられた。それは救急隊員の白衣だった。担架を持たされ撃たれた犯人を救助して載せて運び出すシーンの撮影だった。しかも私は担架の前を持つほうだったので、2度ビックリ。やったー顔が映るぞーと小躍りしたのを今でもはっきり覚えている。

それから、26年間そんな世界とは無縁の生活を送ってきたが、どなたかのブログ訪問で青春の思い出を語る場面に遭遇して、この体験を思い出した。

今、懐かしのGメン’75ベストセレクションとしてこの「ミスターブー殺人事件」を含むDVDが販売中だが、購入を躊躇っている。放映時に見てないので見たいのは山々だが、出演したと言い切って、イイ思い出にしたいのに、買ってみたらあっさり出番がカットされてたなんて可能性があるので、それをハッキリさせることに、ためらいが・・・。出演シーンがカットされていたら、自分の大切な思い出もカットされるような、なんか切ない気分になってしまうからだ。

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