今の季節、夜風が本当に気持ちいい。
ここ1ヶ月くらい、雨以外のほぼ毎日夜の散歩をしている。
理由は健康の為だったが、やってる内にそれ以外の別な魅力があって、すっかり習慣化してきた。
午後7時くらいから、およそ30分近所の小川沿いの遊歩道を歩く。
歩き続けて、うっすらと汗ばんだ体を夜風が優しく包み込むように通り過ぎていく。
ほてった体が適度に冷やされ、暑くもなく寒くもなくとっても気持ちがいいのだ。
暮れなずむ夕刻に、遠くに市街の明かりを見ながら散歩するのも、なかなか面白い。
夕方から夜へとゆっくり変わっていく風景に自分を置いて、一日の終わりを実感するのも悪くない。
散歩は日のあるうちだと決め付けていたが、意外に夜の散歩も趣がある。
同じ場所でも朝や昼間に散歩するのとは全然違う表情があり、別な魅力がある。
そして散歩には連れがいる。
一人じゃつまらない。
ビーグル犬とカミさんだ。
これが意外と散歩が長続きする理由となっている。
普段共働きで生活に追われている我ら夫婦にとって、普段はいわゆる夫婦の会話は殆ど無いに等しい。
家族間では冗談を言い合って笑いがあったりはするものの、夫婦間の会話は業務連絡で終始する事が多い。
夕食後はお風呂にテレビとなるので、会話もできない。
それが、夕食後に連れ立って二人で散歩に行くと普段話さないことを話すようになった。
勿論、日によっては無言でのんびり歩く日もあるが、家で子供がいる状態とは異なり、もっと別な話題が出てくるようになった。
定年まで働くかどうか、定年後はどうするのか、人生の事、今の仕事での問題点や不満など、話題は尽きない。
いかに子供中心の生活で生活に追われているかを改めて気づかされた。
やがて子供は巣立っていくし、最後は夫婦二人だけになっていくのだ。
その時のためにも夫婦での会話は必要だろう。
これから季節は暑くなり、やがては寒くなっていく。
どこまで続けていけるかどうか自信は無いが、せっかく夫婦のいい時間を持てるようになったのだから、頑張ってみようと思った。