ねこ饅頭な日々

タイトルは「ねこ饅頭な日々」ですが猫の話は勿論、日々起こる雑多な出来事、珍事件、身の回りのステキを書いていきます

入院荷物に一冊

2012年07月02日 06時27分34秒 | ひげ団子のつぶやき

私が何度も何度も繰り返し手にとり読んでいる宮本輝氏の小説「流転の海」。
1984年よりこれまで6部(6冊)が出版された     
一番好きな小説を聞かれたら、迷わずこれだと言う。
1部 「流転の海」  2部 「地の星」  3部 「血脈の火」  
4部 「天の夜曲」  5部 「花の回廊」


大体これまでに5年に1冊のペースで文庫化されている。
6部は昨年単行本化されたけれど手元に持ちやすい文庫化されるのを心待ちにしている
書店に行けば文庫本の書棚を探し、ネットでも検索し・・・。
┐(´д`)┌ まだだ

1部が出版されてから28年経っている。
1部が出版された時点で80歳のお爺ちゃんから「早く終わらせてくれ」とお手紙が来たという話しが書いてあった
ご存命なら108歳(汗)お爺ちゃん頑張って6部まで読まれただろうか?

どの部もかなり分厚い本ですが読み応えのある・・・と言うより、もっと読みたくなる作品です。
読んでいくうちに残りが薄くなっていくのが残念な気持ちになります。

主人公の熊吾は人情味に溢れ、頭がきれ、行動力、度胸もある魅力的な男性
感情の起伏の激しい面もあり、また数々の不運にも見舞われる。
波乱万丈な人生が描かれている。

こう長い間この小説とお付き合いしていると、主人公一家をどこからか眺めているような気さえしてくる
また、こんな主人公の傍での人生だったら・・・と自分を置き換えながら読むのもまた楽し。
波乱万丈でも熊吾の傍で人生を送ってみたいと思う。

本来なら6部も文庫化されるのを待ち続けるのだけど
今週中に入院することになり
入院中のささやかなお楽しみとして単行本を購入

表紙がいいですね。今の季節にぴったり。
「慈雨」=万物を潤し育てる雨。また、日照り続きの時に降る雨。
私にとってこの本は心を潤してくれる慈雨となるでしょう、楽しみです。

家ではまだ読まず、入院荷物の中に入れることにする。

なぁに、ちょいと悪いところをとって回復すれば退院・・・。
主人公の熊吾のよく言う言葉
「何がどうなろうと大したことやあらせん」って感じで飄々といきましょか。