霞ヶ浦のほとりで

徒然なるままに

みずほ生活(8:ヒヤッとした出来事)

2017-11-23 12:05:17 | 南極の思い出
自然電波の信号強度を正確に知るため月に1~2回感度校正(基準信号を入れる増幅器の特性試験)を実施しますが、そのため180m程離れたアンテナ近くに埋設されたプリアンプの切替スイッチを操作する作業をします。
その日は天候が悪く、地吹雪も高くて視界もききませんでしたが、いつものように地吹雪を左手から受けて行けばよいと簡単に考えて歩き始めました。ところが、いつまで経っても目印の旗が見えず変だなと思い始めた時、目の前に突如ドラム缶が現れてハッとしました。これはデポしている燃料ドラムで45度も違った方向に当たります。しかも300mも離れた場所にあるのですが、その時はそんなに歩いた感覚はありませんでした。
もし、少し方向がズレて燃料ドラムに遭遇しなかったらと思うとゾッとしました。帰りは慎重に進み、やっと基地のアンテナ群が見えた時はホッとしました。リーダーに話したところ、さっそくロープを張って迷わないようにしてくれました。
第4次隊でブリザードの中、犬に餌をやりに行ったまま遭難した福島紳隊員も、少し違う方向に進んでいたら建物にぶつかっただろうと聞いた話が、とても身近に感じた出来事でした。