霞ヶ浦のほとりで

徒然なるままに

東オングル島

2018-02-28 21:34:55 | 南極の思い出
越冬生活も終わりに近づき、ふと思い立ったことがありました。日本では出来ないこととして、動植物の気配の無い無機質な世界を体験しようと、基地が見えない東オングル島の反対側に行ってみました。
岩と雪ばかりで聞こえるのは風の音のみなので、とても落ち着きます。白夜の季節なので光は溢れて明るく、想像していたような孤独感は感じられませんでした。
蜂の巣のような岩は、小さな窪みに砂や小石が入り、風ですりこぎのように穴を大きくさせたのだそうです。

大気球

2018-02-27 18:11:05 | 南極の思い出
大気球は5000m3のポリエチレン製で出来ていて、ヘリウムガスを詰め込み、高さ30-50kmまで上昇させて、エックス線、電場、一酸化窒息、オゾン、気温気圧などを観測します。
放球は晴天の無風状態の時を選びます。少しでも風があると煽られてしまって、うまく上昇してくれません。
越冬も終りに近づいた11月末-12月に3機を放球しました。毎日2回放球されている気象観測気球(直径2~3m)も見応えあるのですが、大気球は桁外れの迫力でした。

海氷

2018-02-27 13:44:01 | 南極の思い出
ペンギンルッカリー(集団営巣地)を見に海氷上を歩いて行きました。流氷と違って定着氷なので平です。
十分厚いので割れる心配は無いのですが、海岸に近い所にはクラック(割れ目)が走っているので、陸に上がる時には注意が必要です。雪が覆っていて見えない時もあり、実際私も片足を付け根まで落としてしまいヒヤッとしたことがありました。
陽に照らされて光った海氷は実に綺麗で、海氷に閉じ込められた氷山も絵になります。



ロケット観測

2018-02-25 22:06:24 | 南極の思い出
わが隊では6機の観測ロケットを打ち上げました。
内訳はS-210JA(外径210mm×全長約5m×重量約260kg、到達高度約100km)4機と、S-310JA(外径310mm×全長約7m×重量約710kg、到達高度約200km)2機です。これを僅か6名のロケット班の隊員が準備組立から発射・追尾受信までこなしていました。
オーロラの中に命中させたいのですが、肝心のオーロラの出現や天候条件が揃わず、10回もスタンバイして延期されたものもありました。ロケット本体を冷やさないようにビニールで覆って暖房するなどの工夫もされていました。
私は3回の発射を見ることが出来ましたが、いつも感動させられました。

氷取り

2018-02-24 21:53:30 | 南極の思い出
水は造水機で作っていましたが、不足分を近くの氷山から氷を取ってきます。全員作業で月に1~2回ほどですが、ツルハシを思い切り振るって氷山を砕き橇一杯積んで来ます。
リクレーションも兼ねて、この時は氷山に溝を堀って流しソーメンをしました。南極ならではの豪快な趣向でした。