霞ヶ浦のほとりで

徒然なるままに

大きなエポック『認知革命』

2019-07-23 14:06:27 | サピエンス全史
NHKの番組で、サピエンスはネアンデルタール人と比較すると喉の構造が進化していて子音を明確に発声でき言葉が豊富になり生存競争に勝てたとしてましたが、私には百パーセント納得するまでに至りませんでした。

ハラリ氏は、さらに決定的なこととして、実際には存在しない「虚構」を語れる言語能力を持ったことを挙げています。
一つの集団がまとまれる上限の150人という限界を越して赤の他人がまとまるには、同じ神話(虚構)を信じ合うことで意志疎通ができて協力し合え、これがネアンデルタール人に優り追いやったとの見解を示されてます。これは私には大いに腑に落ちるものでした。

この言語技能の登場を『認知革命』と呼んで、7万年前にサピエンスのDNAに突然変異が起き獲得したと述べてます。サピエンスにとってこの認知革命こそ大きなターニングポイントとなり、その後に登場する国家、貨幣、宗教、法律等々を生み出すことに繋がるのです。
現在の社会を動かしているもの全ては人々が創作した物語であることを気づかさせ、国家とは何か、神は本当にいるのかなどの疑問に対して、これらは認知革命により生まれた想像上の産物だと、その本質がよく理解できて本当に目から鱗でした。

この第1章を読んで、ある想像をしました。
絶滅に向かうネアンデルタール人の目には、谷間の向こうで火を焚いているサピエンスの集団がどう映っていただろうかと。きっと底知れぬ不安に包まれていたことでしょう。
似た史実で、源氏に追われ都落ちした平家一族にとって、どんどん攻めて来る義経の影に不安で怯えていた思いと重なるものだと想像しました。

我々サピエンスもいつかはこんな不安を覚える状況下になるのでしょうか。今の私には次の種の登場の前に『気候温暖化』という得体の知れない影に、子や孫が直面するのではないかととても不安になるのです。

久々の金波

2019-07-17 21:26:35 | 散歩
11,000歩 (17:30-19:14)
晴れ(22℃) 

7月に入ってから晴れた日はほとんどなく、今日はようやく午後からお日様が顔を出しました。久々に金波が見られると期待した通り、綺麗な金波でした。
群生する葦の中からは騒々しい小鳥の鳴き声が聞こえてきます。雀の大群で一斉に飛び立つ姿は圧巻ですが、うまく写真に納められません。
土手沿いの道路は、一日の仕事を終えて帰宅する車が連なって夕陽に映えてます。現役の頃を思い出しましたが、リタイアしてもう8年も経つのかと驚きます。

霞ヶ浦大橋

2019-07-15 21:23:19 | 散歩
15,400歩 (14:39-17:02)
曇(22℃) 

今日は後の予定がなかったので、土手を東に3㎞程歩いて霞ヶ浦大橋が見える所まで行きました。この大橋は昭和62年に有料道路で開通しましたが、平成17年から無料開放されました。
私がこちらに来たのは平成9年なので想像ですが、真昼の銀波や夕日の金波の中に対岸の出島と行き来する手漕ぎの渡し船の情緒ある風景が目に浮かびます。

帰りは集落の中を散策しながら歩きました。夏祭りのしめ縄が道路に張られていたり、小さな石仏が丁寧に祀られていたりしました。この石仏の謂れを知りたいと思いましたが、近くに誰も居なくて聞けずに残念でした。

生物史上最も危険な種

2019-07-12 23:05:20 | サピエンス全史
これまで、私は感覚だけでホモ・サピエンスは知的で優しい寛容な動物だと信じる一方、もしかしたら元来凶暴で残虐な動物なのではとの思いもあり曖昧なままでいましたが、ハラリ氏はこの事についても多くのページを割いて深い洞察をしており、先の歴史年表に続いて引き込まれる項目でした。

ホモ・サピエンスが世界進出するに伴い、そこに生息していた動植物が次々と絶滅していて、その原因について筆者は様々な可能性を検討し考古学的な知見で裏付けしながら、ホモ・サピエンスにあるとして『生物史上最も危険な種』と結論しています。
この視点によりネアンデルタール人との共存は考えられず、絶滅に追い込んで行ったという流れは妥当に思います。

人類の種がホモ・サピエンスだけとなった後も集団間の争いは続き、国の形成後は征服略奪のための戦争で数知れぬ虐殺やジェノサイドが起こりました。
突如消えたインカ帝国とかマヤ文明は神秘に満ちた物語ですが、これも近代武器を持つスペインが征服し滅ぼしたものです。その過程では相当残虐行為があったと知ると、確かに人間は危険な種だと納得します。私の生きている間にもカンボジア、ルワンダ、ユーゴスラビアでもジェノサイドが起こりました。

このように自分も危険なホモ・サピエンスの本性を持っているのだと自覚すると、例えこじつけでも何らか得心する理由さえあれば、いくらでも凶暴で残虐になれるのだと認めることで、はじめて歴史の本質を見極められるのではないかと考えるようになりました。

朝の湖面

2019-07-11 18:31:41 | 散歩
9,400歩 (05:09-06:41)
曇時々晴(17℃) 

久しぶりの早朝の散歩でした。
3時に目が覚めてラジオ深夜便を聴いていたら寝付かなくなり、天気もまあまあだったので外に出ました。

さすがに釣り人はまだいませんでしたが、土手を散歩する人と何人かすれ違いました。みな私と似た年齢の方々です。

珍しく水鳥が2羽泳いでいたので写真を撮ったところ、後ろの杭にもびっしり止まっていました。最近の湖面が寂しかったので何だかホッとしました。
ハスの蕾も綺麗でした。