霞ヶ浦のほとりで

徒然なるままに

南極の思い出(終)

2018-03-25 22:12:32 | 南極の思い出
南極に関わるエピソードはまだまだあります。例えば隊員一人当たりの食糧は1㌧準備されて、その品目は日本隊が多いのだとか、外国隊では旅行食は毎日同じ缶詰だとか聞いたこともあります。
日本の南極観測は、奇跡のような幸運に恵まれて始まり、各分野で様々な発見や研究成果がありました。それらの事始めに関わった隊員の実話や苦労話が、50周年の記念にまとめられて出版されました。心踊るエピソードばかりです。
私もこの中の一コマに関わることができたことは、観測隊員冥利に尽きます。そして一年間の越冬生活体験後は、自分でも随分と謙虚になったものと自覚した次第です。


南半球天気図

2018-03-20 23:28:10 | 南極の思い出
オーストラリアに寄港した折りにパース気象台を訪れました。南半球の天気図の実物を見たかったのがその動機ですが、天気図のコピーを記念に頂いてきました。
南半球の天気図でも北を上にして描かれています。何となく日本(北半球)の天気図を単に180度回転(点対称)させると重なるように見えるのですが、実はそうではなくて、さらにそれを反転(線対称)させるのです。
似た例として、南半球でも太陽が東から昇り西に沈むのは同じですが、日本ではお日様は左手から右手へと時計回りに動くのに、南極では右手から左手へ反時計回りに動くのです。何となく妙な感じを受けました。

昭和基地内郵便局

2018-03-19 21:27:41 | 南極の思い出
昭和基地にはれっきとした郵便局が電離棟の中にありました。局員は郵政省の隊員で、いつでも受け付けてくれますが、最終便のヘリコプターが行ってしまうと、配達は一年後の船便になるので差出人の方が早く着いてしまいます。
消印は公的な判ですので、切手を買って押印してもらわなければなりません。土産店など無い所なので、記念のお土産品になりました。

南極の石

2018-03-18 22:04:51 | 南極の思い出
南極の石の年齢は3億年以上で、日本の石よりもずっと古いのです。名称はうろ覚えですが、ザクロ石黒雲母石英片麻岩とかで、ザクロ石とは宝石のガーネットのことです。
日本の石よりも重いとも聞いたので、試しに簡単な比重測定をしてみたところ、少し重い程度で大きな違いはみられませんでした。
現在は研究目的外の石の持ち帰りは禁止されているそうですが、当時は若干の持ち帰りは認められていたので、記念のお土産になりました。

雪面電流

2018-03-16 21:55:48 | 南極の思い出
第1次隊で西堀隊長がピースの空缶で飛雪計を作ったアイデア話を思い出して、自分も見習って何か出来ないかとみずほ基地内を物色していたところ、10本ほど炭素電極を見つけました。
オーロラが発生すると雪面にも電流が誘導されるはずで、それを確かめようとこの炭素電極を利用して南北と東西に100mの基線を作り、ペンレコーダでモニターしたところ、オーロラ発生時に0.2-0.3mVの電位差変動がきれいに捉えられました。いわゆる地電流です。しかし、日が経つに連れて信号が小さくなり観測されなくなってしまいました。
そこで雪面の比抵抗を測定しようと、乾電池をかき集めて試験したところ、0.03-0.1[MΩm]の結果を得ました。また信号が小さくなるのは雪の分極作用が大きいためと考えられます。