霞ヶ浦のほとりで

徒然なるままに

みずほ生活(12:観測機器のトラブル 2/2)

2017-11-30 21:43:16 | 南極の思い出
いろいろ調べて、どうやら180m離れた屋外のアンテナの下に埋設してあるプリアンプではないかと判断されました。これは半分手作り品なので予備器や予備基板はなく、トランジスター素子などのパーツがあるだけです。出来ることといえばその素子の交換くらいです。リスクは大きいですが、何もしないことは無責任と考えて、思いきって素子交換をすることにしました。その場にいる者が対応を決断しなければなりません。観測チーフに状況を報告し、この対応を伝えました。
プリアンプは4段の増幅器で素子はCMOSという静電気に弱いトランジスターが使われていました。そのため慎重に順に一個ずつ交換しますが、その都度プリアンプを外す前と再接続した後に感度校正して状況の確認をします。その結果、初段の素子が劣化していたことが判明しました。若干S/N比が悪くなりましたが、増幅度は回復し良好な観測を期待できるようになりました。
急に身体がとても軽くなり、そのままぐっすり寝ました。その深夜、見事なオーロラが出現し、VLE自然電波もきれいに記録されていました。