もず【百=舌/×鵙/百=舌=鳥】
1 モズ科の鳥。全長約20センチ。雄は頭部が赤茶色で目を通る黒い帯があり、背面は灰褐色、下面は淡褐色。雌は全体に褐色。くちばしは鋭い鉤(かぎ)状をし、小動物を捕食。秋になると、獲物を木の枝などに突き刺して速贄(はやにえ)を作る習性があり、また、長い尾を振りながらキイキイキチキチと鋭い声で高鳴きをする。平地や低山の林縁で繁殖。もずたか。《季秋》「かなしめば―金色の日を負ひ来/楸邨」
2 スズメ目モズ科の鳥の総称。チゴモズ、アカモズは夏鳥として、オオモズは冬鳥として日本に渡来。
大辞泉
「もず」の語源は諸説あるようです。
そのひとつは、「モ」は鳴き声、「ズ」はウグイスやカラスのように、鳥を表す接尾語とする説があります。
「ス」はそうなのかな・・・と思いますが、「モ」が鳴き声だとは納得できません。自宅庭にも「モズ」は飛来しますが、その鳴き声は「キイーキィキィー」と甲高い声です。
※写真の「モズ」は、2004年5月に自宅で撮影したものです。
また別の説では、「モ」は鳴き声ではなく、かずの多いことを表す「モモ(百)」であり、百鳥の声を真似るからだといいます。
漢字表記「百舌(百舌鳥)」も「百の舌を持つ鳥」を表していることから、鳴き声を真似ることからの表記だと思われます。
また、別の漢字表記では「鵙(もず)」と書きます。この漢字は、貝の部分が元々は「目+犬」で、犬が目をキョロキョロさせることを表すのだそうです。
それを音符にし、目をキョロキョロさせて虫を捕獲する鳥を表したのが、「鵙」だそうです。
「鴃」「伯労・伯労鳥」とも書くそうです。(季語として使われることが多い)
「モズ」を「百舌鳥」とも書きますが、どこまでが「も」でどこからが「ず」なんでしょうか・・・。普通、ひらがなを漢字にした場合、文字数が減ると思いませんか・・・。
「百舌鳥」は、元々は「百舌」と書いて「もず」と読んだようです。ところが、「百舌」だけでは見た目に何なのか分かりにくいので「鳥」の字を付けて「百舌鳥」としたという説もあるようです。
不思議ですね。しかし、この問題は「百舌鳥」だけにとどまりません。他にも漢字三文字でひらがな二文字の言葉としては、「香具師(やし)」、「山手欅(ぶな)」「飯匙倩(はぶ)」などがあります。
や‐し【香具師/野師/野士/弥四】
盛り場・縁日・祭礼などに露店を出して商売したり、見世物などの興行をしたりする人。また、露天商の場所割りをし、世話をする人。的屋(てきや)。
ぶな【×橅/山=毛=欅/×椈】
ブナ科の落葉高木。・・・
はぶ【波布/飯匙倩】
クサリヘビ科の毒蛇。・・・
大辞泉
また、「紅葉」を「もみじ」と読む場合、どの漢字にどの読みを当てているのでしょうか・・・。 これも似たような疑問です。
実は、これらは「熟字訓」と呼ばれ、「百舌鳥」の3文字で「もず」、「紅葉」の2文字で「もみじ」なのです。他にも、「今日(きょう)」「昨日(きのう)」「土産(みやげ)」などがあります。
じゅくじ‐くん【熟字訓】
2字以上の熟字を訓読みすること。「昨日(きのう)」「大人(おとな)」「五月雨(さみだれ)」など。
大辞泉
漢字を無理やり日本語に置き換えたために起こった珍事と言ってもいいのかもしれません
したっけ。
あまり気にしたことありませんでしたが、
たしかに「百舌鳥」「香具師」漢字が余っちゃいますね(笑)
「山手欅(ぶな)」「飯匙倩(はぶ)」は、ひらがな、カタカナ表記でしか知りませんでした!
「熟字訓」ですか~
今日もひとつかしこくなりました(^^)v
漢字は面白いでしょう。私は辞典を読むのが大好きなんですよ。
楽しんでいただけたら、嬉しいです。
したっけ。
ごめん<(_ _)>
したっけ。
「杜宇」「蜀魂」「不如帰」は、中国の伝説にもとづいているそうです。古代の蜀国の帝王だった杜宇は、ある事情で故郷を離れたが、さまよううちにその魂が変化してホトトギスになりました。そのため、ホトトギスは今も「不如帰(帰るにしかず)」と鳴いている、・・・ということです。
それぞれの漢字に、それぞれの由来がありそうです。
したっけ。