ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

鳴滝

2014-09-29 05:00:00 | 田舎

自分の姿をしげしげと見ることのない今日この頃、23日の釣行時、アカハタを釣った時にY下君が撮ってくれた写真を見て、なんかジジィになった感じの自分が信じられません。尿管結石の手術をした後、4kgほど体重が減ったのは知っていましたが、その体重も2kgほどは回復したので、エエような悪いような面持ちでいたのですが、この時は確かに疲れていたものの、ゲッソリしてしまっていて、若いのは服だけになってしまっています。

Y下君が帰った後、船の煙突の蓋を閉めるのを忘れていたことに気が付いて、船に引き返したのですが、もう海は満ちてきていて、舳先に乗ることは出来ても、降りる時が危ないのと、雨は翌日の昼からという予報だったので、蓋を閉めずに帰ることにしました。その時見た古座の海は少々砂が巻き上げられたような色に変ってきていました。次の日は予報に反して朝から霧のような雨が降っていましたが、満潮が朝なので船には行けず、10時半ごろになって行ってみると船に乗れる高さに下がって来ていたので、蓋を閉め、ついでに機関室に溜まった水を抜くためにビルジポンプを作動させましたが、水はたくさん溜まっていたようで、いつまで経っても排出される水の量は減って来ません。雨は徐々に強くなって来るのでポンプを止めようとしたのですが、スィッチを触っても止まらないのです。これには焦りました。どうしたら良いのかと考えても良い考えなど浮かぶ筈もなく、途方に暮れていたら勝手にポンプは止まってしまいました。おそらく水が全部抜けたので自動的に止まったものだと勝手に解釈して、強くなった雨の中、急いで船から降りたのでした。その日はずっと強い雨が降り続き、翌朝まで続いていましたが、昼前から降ったり止んだりの繰り返しの後、昼からは晴天に変ったので、以前から気になっていた一枚岩近くの鳴滝を探しに行くことにしたのでした。

               

鳴滝は『古座川風土記』の中で紹介されていて、立合から相瀬へと向かう途中の前の平という小字にあると書かれているのですが、最初歩いてこの道を通った時は、滝の存在を知らなかったし、2度目は愚車で一周したのですが、全く気付きませんでした。国土地理院の地図で前の平を検索すると相瀬の対岸の長方形の土地であり、僅か10件ほどの民家が点在する地域です。この民家のある地域で、山側から水が落ちてくる所を探すのですが、確かに小さな滝とは呼べないような水が落ちている所はあったのですが、鳴滝と呼べるほど音は鳴っていません。

         

一枚岩の道の駅・鹿鳴館で何処にあるのか聞いてみましたが、店の人は知らないと言います。相瀬を通る時に畑に居る人か、囮アユを売ってるところで聞いてみたらとアドバイスをくれていたので、一旦探すのを止めて、相瀬の集落へと足を運びました。相瀬の集落へ行くには古座川に架かる橋を渡ればすぐですが、もし橋が無ければぐるっと長い距離を歩かなければなりません。橋を渡った所にある囮アユを売ってる店には人影がありませんし、向こうから紀州犬らしきイヌを散歩させている人に聞こうと思ったのですが、なかなかやってこないので、反対側に歩いて行くと、水の落下する音が聞こえたので、少しだけ山に踏み込むと確かに滝らしきものがありました。

                       

でもここは相瀬ですから、これが鳴滝で有る筈がありません。第一水の落ちてくる所へは近寄れないのです。

もう少し集落方面へ歩くと、話し声が聞こえてきたので、おばあさんが二人喋っている家の前まで行くと、私より先に向こうから挨拶されました。おもむろに「鳴滝って何処に有りますか」と聞いてみると、それには答えず、持っていた『古座川風土記』を見て、それ何とか、見せてとか、出版社の名前や、誰が書いたのかとか言いだします。鳴滝のページを開いて「この滝なんですけど」と聞くと、橋を渡って向こう側だと言います。そんなことは分かっているのです。詳しく聞いていると新しい国道の橋の下、階段が有る所だと教えてくれました。その橋の名前が『鳴滝橋』だと言うと、「勝手に付けた、私ら知らなんだ」と言っていました。橋の下かと思い直し、お礼を言って相瀬の集落を後にし、途中で置いた愚車に乗って橋の下まで行ってみたのですが・・・

       

確かに車を停めるスペースは有るし、階段も有るので、ここかと思って辺りを見回しますが、水が滴り落ちると言うより、滲み出ているような所は有るには有るのですが、滝とは呼べるものではありませんし、音など鳴っていません。おばあさん達は「雨が降ったあるから、よぉ水が流れとるやろ、山へ登って○×でも取ってこんし」と言われていたので、こんなところから山へ入る道も無いしと思って、合点がいきません。言ってくれた取って来いと言われた○×は、よく聞き取れなかったのです。

             

仕方なしに橋の下を潜って反対側に出ると、見事に落下する滝が有るではありませんか。よく見ると山へ入るための階段もあり、これがおばあさん達が言っていた階段かと納得、でもこの日は山へは登りませんでした。

                       

2度も前を通っているのに、何故この滝に気付かなかったのか、きっとこの日のように滝に勢いがなかったのかも知れませんし、私は川の方ばかりを見ていたのかも知れません。ここは国道の下、鳴滝橋には階段が付いているので、この滝にはすぐに降りて来れますが、国道には車を停める所は無いでしょう。車だと相瀬の集落か反対の立合の集落をグルッと回って来なければなりません。旧道なので対向車が来ると行き違いの難しい所もあります。

             

暑さ寒さも彼岸までと言いますが、今年は8月下旬から涼しく、彼岸は待ち遠しくは無かったのですが、その今年の秋の彼岸も過ぎてしまいました。これからだんだん日が短くなり、寒くなってくるので、私に嫌いな季節に移っていきます。でも台風一過のこの日、昼からは蒸し暑く、少し動くだけで汗が滴り落ちるほどでした。