今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。
「『女は永遠に十七である』と私は書いたことがある。シワやシラガは勝手にふえる。いくらふえても内心は
十七だからむろん不服である。
男もまたそうである。永遠に齢をとらない。スポーツ選手を見よ、絶頂は十七、八だ。あとは持続すればいい
ほうで急速に下り坂になる。肉体がそうなら精神もそうで、人は五歳にしてすでにその人である。」
「『人生教師になるなかれ』と私は言ってやまないものである。齢をとると男女を問わず自動的に人に教える資格が
生じると思う。齢は勝手にとったのだ、シラガは知恵のしるしではない、老人のバカほどバカなものはないと私は
金言のありたけを並べるが、その誘惑にたえかねるのだろう、老人は教えたがる。」
(山本夏彦著「死ぬの大好き」新潮社刊 所収)
「『女は永遠に十七である』と私は書いたことがある。シワやシラガは勝手にふえる。いくらふえても内心は
十七だからむろん不服である。
男もまたそうである。永遠に齢をとらない。スポーツ選手を見よ、絶頂は十七、八だ。あとは持続すればいい
ほうで急速に下り坂になる。肉体がそうなら精神もそうで、人は五歳にしてすでにその人である。」
「『人生教師になるなかれ』と私は言ってやまないものである。齢をとると男女を問わず自動的に人に教える資格が
生じると思う。齢は勝手にとったのだ、シラガは知恵のしるしではない、老人のバカほどバカなものはないと私は
金言のありたけを並べるが、その誘惑にたえかねるのだろう、老人は教えたがる。」
(山本夏彦著「死ぬの大好き」新潮社刊 所収)