WОWОWで録画観戦のこの大会、
メインイベントはライトヘビー級の一戦、
クィントン・“ランペイジ”・ジャクソンとマット・ハミル。
渋いカードだが、メインと言うにはもうひとつ食指が動かない。
実はメインに予定されていた世界ライト級選手権の
フランク・エドガー対グレイ・メイナードが、
両者の負傷で流れてしまったそうで、そこは残念だ。
でも捨てる神あれば、じゃないけれど、
意外に面白いカードもあったのだ。
それがセミファイナルのフランク・ミア対ロイ・ネルソン。
フランク・ミアは、元ヘビー級チャンピオンであり、
以前トップクラスの一員と言ってもいいだろう。
(最近の選手層の変化の速さは侮れないけれど)
一方のロイ・ネルソンは、この予選リーグ的存在のTUF出身、
今後の注目株とも言える選手ではあるけれど、あれですよ。
183センチで120キロという、ごっつぁんです体形。
「UFC史上もっとも醜いファイター」とまで言われた男の闘う姿は、
どこかユーモラスでもある。
結果はちょいと惜しかったけれど、パンチは意外にシャープだし
寝技の対応なども巧み(ま、ブラジリアン柔術黒帯ではあるけれど)。
そして何よりも打たれ強い(ミアは結構バテていたなぁ)。
出身地ラスベガスでの試合ではあるけれど(相手のミアもそうだし)
観客の反応が温かく感じられたのは、
闘うぬいぐるみのようなキャラによる部分大きいと思う。
でも、ときどきいますよね、こういう存在。
たとえばゴルファーのジョン・デイリー。
現代のアスリート像とはかけ離れた体形と行動。
練習は少ししかしない(そうだ)し、
プレイ中に煙草も吸ってたし(今は知りませんが)。
でも全米オープン(91)と全英(95)などのメジャータイトルも。
こういった、アンチ科学トレーニング派というか、
優等生的アスリート像との対極にあるような選手が、
ときどき現れては人気を集めている気がする。
マクロビよりマックのスーパーサイズ。ガッツリ食べましょう!みたいな、
現代社会で隅っこに追いやられた本能の叫びが、
こういった選手の人気を呼び寄せているのかもしれない。
でもこういうタイプの人気者が現れるというのは、
社会的にはマイナー視されていた総合格闘技が、
それなりに市民権を得てきたということかもしれない。
(ま、UFCという団体に限って、なのだろうが)
結論。デブな選手に人気が出はじめれば、
そのスポーツはメジャーの仲間入り
……て言えたりしないかなぁ。うーん。
ところでロイ・ネルソン、見た目はともかく
ちゃんと練習する選手だとつけくわえておきます。
他の試合も含めて、結果などはこちらをどうぞ。