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TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

総合格闘技の進化の先にあるのは、その終焉なのだろうか。

2014年01月09日 | 格闘のお時間

先日のUFC168、「絶対王者」シウバの敗れ方は壮絶だった。

自分のキックで足を折ったので「自爆」と見る向きもあるかもしれないけれど、

そこまでの試合展開自体、すでにシウバの試合ではなかったと思う。

すでに完璧なファイターの中で、何かが狂っていたような気がする。

また、もうひとりの絶対王者ともいえるGSPも、しばしの休養を表明。

超人たちの季節は、終盤に入ったのだろうか。

 

もちろん、年齢や闘いを重ねたことからの疲労もあるだろうが、

彼ら個人の問題とは別に、

総合格闘技という競技自体がそのゴールに近づいているような気がする。

決して「古い」とか「終わった」とか言うのではなく、

闘いの新しい形を見つけたくて始まった川の流れが、

そろそろ湖に辿り着いた、みたいな。

それはそれで魅力的で、また激しいものになるだろう。

ただその風景は、少し違ってくるのかもしれない。

なんかスゲー感覚的ですが、そんなことをふと。

でも、まだジョン・ジョーンズがいるよな。

 

 

 


新日1・4~プロレスの新しい風景

2014年01月05日 | 格闘のお時間

経営がブシロードに変り、売上好調な新日本プロレス(だそうです)。

久しぶりに気になって、テレビ朝日の深夜枠での放送を録画して見た。

なんていうか、結構もりあがってるじゃないか、という感じ。

もちろん構成、編集の印象もあるのだろうけれど、

マニアックな熱気とは異なるお祭り感があったのでは。

これ、UWFからリングス、プライドを経てUFCへはつながる

MMAの流れが一段落したこともあるかもしれないけれど、

もうひとつ感じたのが、気持ちのデフレスパイラルからの脱却。

息苦しい時は、ガチなものしか信じられない、というか支持されない。

身体を張ってボロボロになった話か、

その逆に大成功した金ピカの自慢話しか耳を傾けてもらえない。

気の利いた虚構など、しょせん只の作り話と歯牙にもかけられない。

そんな気分の終わりを暗示しているようにも思える。

リングの上での虚構、いいじゃないか。

それを見せることができるのは、ガチで努力した者だけなのだから。

そんな時代の潮目を、録画した映像越しに空気に感じた。

ただ、でも、その潮目を誰が、どう作っているのか、

その辺はちょっと気にしていた方がいいかもしれないなぁ。

プロレス復活の兆しを喜びつつ、

いろいろ思いを馳せてしまう新年の風景なのでした。

 


UFC130~ラスベガス場所、みたいな

2011年06月07日 | 格闘のお時間

WОWОWで録画観戦のこの大会、
メインイベントはライトヘビー級の一戦、
クィントン・“ランペイジ”・ジャクソンとマット・ハミル。
渋いカードだが、メインと言うにはもうひとつ食指が動かない。

実はメインに予定されていた世界ライト級選手権の
フランク・エドガー対グレイ・メイナードが、
両者の負傷で流れてしまったそうで、そこは残念だ。

でも捨てる神あれば、じゃないけれど、
意外に面白いカードもあったのだ。
それがセミファイナルのフランク・ミア対ロイ・ネルソン。

フランク・ミアは、元ヘビー級チャンピオンであり、
以前トップクラスの一員と言ってもいいだろう。
(最近の選手層の変化の速さは侮れないけれど)

一方のロイ・ネルソンは、この予選リーグ的存在のTUF出身、
今後の注目株とも言える選手ではあるけれど、あれですよ。
183センチで120キロという、ごっつぁんです体形。
「UFC史上もっとも醜いファイター」とまで言われた男の闘う姿は、
どこかユーモラスでもある。

結果はちょいと惜しかったけれど、パンチは意外にシャープだし
寝技の対応なども巧み(ま、ブラジリアン柔術黒帯ではあるけれど)。
そして何よりも打たれ強い(ミアは結構バテていたなぁ)。

出身地ラスベガスでの試合ではあるけれど(相手のミアもそうだし)
観客の反応が温かく感じられたのは、
闘うぬいぐるみのようなキャラによる部分大きいと思う。


でも、ときどきいますよね、こういう存在。
たとえばゴルファーのジョン・デイリー
現代のアスリート像とはかけ離れた体形と行動。
練習は少ししかしない(そうだ)し、
プレイ中に煙草も吸ってたし(今は知りませんが)。
でも全米オープン(91)と全英(95)などのメジャータイトルも。

こういった、アンチ科学トレーニング派というか、
優等生的アスリート像との対極にあるような選手が、
ときどき現れては人気を集めている気がする。

マクロビよりマックのスーパーサイズ。ガッツリ食べましょう!みたいな、
現代社会で隅っこに追いやられた本能の叫びが、
こういった選手の人気を呼び寄せているのかもしれない。

でもこういうタイプの人気者が現れるというのは、
社会的にはマイナー視されていた総合格闘技が、
それなりに市民権を得てきたということかもしれない。
(ま、UFCという団体に限って、なのだろうが)

結論。デブな選手に人気が出はじめれば、
そのスポーツはメジャーの仲間入り
……て言えたりしないかなぁ。うーん。

ところでロイ・ネルソン、見た目はともかく
ちゃんと練習する選手だとつけくわえておきます。
他の試合も含めて、結果などはこちらをどうぞ。

UFC126~侍たちのジレンマ

2011年02月09日 | 格闘のお時間

例によってWOWOWで録画。うっかりネットとか見ないように、
特に山本KIDの場合は一般ニュースとかも注意しないとね。

などと、みみっちい気配りをしながらようやく観戦。
気になるのは小見川広大と山本KID2人の日本人の試合と、
メインのアンデウソン・シウバとビクター・ベウフォート戦。

で、小見川と山本。結果はともかく、気になったのは負け方だ。
相手が強かったというよりも、試合を作れなかったという感じするのだ。

試合後のインタビューで小見川は、こんな風に述べたそうだ。
「オクタゴンに入って堅くなった。相手の方が気持ちも強かった」
一方で山本は「ケンカした気がしない。殴りあうつもりだったけど」。

堅くなった、やりあえなかった、といった中途半端な悔しさは、
日本人が陥りやすいパターンのひとつのように思えてならない。
そろそろこういうの、何とかして決着つけないとなぁ。

……とか考えていて、ふと思いだしたことが。
コンサルティング関係でときおり耳にする
「目標と目的の違い」という奴だ。

えーっと、説明が難しいのですが、受売させてもらうと
「目的=目標+意味」と言えばいいだろうか。
たとえば、こんな風にも解けるだろう。

目標=試合に勝つ
意味=UFCで強さを見せつける
目的=世界レベルのファイターの証明

勝利の先にあるものを見ていかないと、
結局は目の前の相手とだけの勝負になる。
だったら、やはり慣れている方が有利だなぁ。

そう、UFCは対戦相手との闘いではなく、
トップに上るシステムとの闘争なのだ。
そこんとこが、つかめてなかったのかなぁ……。

精神論でもスポーツ心理学でもなく、
闘いの構造論を知ったうえで
オクタゴンに臨むって、ありだと思うのですよ。

そう考えると、シウバの目的はただ勝利ではなく、
誰にも真似できないワン&オンリーな強さでは。
前蹴りでKOという意外な勝ち方は、いい成功例だろう。

えーっと、妙な屁理屈こねてるようですが、
試合中の「どーすりゃいいんだ、これ」みたいな表情を見ると
闘う理由を見失っているように思えるのですよ。
それ、けっこう重要なポイントじゃないでしょうか。
(コンサル的自己啓発話とか好きじゃないのだけどね)

しかし毎回書いてるけど、UFCは充実しているなぁ。
次の大会(2月28日)には福田力選手も登場。
ぜひ「目的」を持って試合を。頑張ってくだされ!

結果などはこちらをどうぞ。
ところで今回女性レフェリーもいたのだけど、
これって初めてかなぁ。

UFC125~ライト級の重み(WOWOW録画で)

2011年01月11日 | 格闘のお時間

日本での話題は五味隆典の参戦だったが、
現地での注目はなんといってもメインのタイトルマッチ、
フランク・エドガーvsグレイ・メイナード。
チケットはすぐに売り切れ、その後1,000人分を追加したそうだ。

ちなみに両者ともクラスはライト級。
どちらも見応えある試合だったけれど、違いも見えた。
タイトルマッチのきりきりするような緊迫感に比べると、
五味とクレイ・グイダの試合は荒く感じてしまう。

しかし正直、五味選手はきついなぁ、このままじゃ。
フェイントなど含めた細かなタイミングの取り方や
寝かされたときの対応を磨いていかないと、
例えいいパンチが入ってKOできたとしても
「スカ勝ち」(スカッと勝つ。プライド時代の五味の名文句)
じゃなくて「たまたま勝ち」になっちまうよ……。

一方で、エドガーとメイナード。
エドガーのボクシング技術は以前から評判だったけれど、
いわゆる国際式ボクシングのものではなく
総合のためのパンチのテクニックが完成してきたのだと思う。
対するメイナードも、見劣りしないスキルの持ち主。
シャープで多彩な打ち合いを楽しませてもらった。
ただしこの判定は確かに疑問が残る。
試合後の表情からも、当事者たちはわかっていたのでは。

それはともかく、試合としては素晴らしかった。
派手なヒットやダウンは1ラウンド以降なかったけれど、
お互い技術と気迫をぶつけあった5ラウンド。
ある意味、完成度が高くて地味な展開に見えなくもないけれど、
生で見ていたらピリピリした対戦だったと思う。

……なんてことを考えていたら、UFC見たくなった!
いつか生オクタゴンで観戦してみたいものだなぁ。
ちなみに次回の126(2月5日)は、山本KIDと小見川道大が参戦。
軽量級も面白くなってきた。
試合の結果などはこちらをどうぞ。