「負けたら引退」―こう宣言して試合に臨んだ川嶋選手。その覚悟には敬意を表するが、どうもこの種のコメントに俺は危なっかしさを感じてしまう。かつて第一線を退いていた猪木が坂口と組んでのタッグマッチに臨んで、勝算の低さを懸念するレポーターに対して「試合する前から負けることを考える奴がいるか!」と一喝したことがあったが、勝負においてはそれが正解だと思う。侍の魂を引き合いに出し、またトランクスにもその文字を入れていた川嶋だが、侍が負けるときは死ぬときで、そこには引退というチョイスはない。
その辺は川嶋の(というかある種日本人選手に共通する)生真面目さ、一本気なところの表れなのかもしれない。その一本気が2ラウンド目のダウン後の大振りにつながったのだろうか。ミハレスのダメージを考えれば、相手を見ながらじっくり仕留めることもできたのにと残念でならない。
いい試合でした―解説のガッツ石松のコメント通りだと思う。しかしプロのファイターは「いい試合」をするだけでは十分ではないし、一瞬見えた勝機をものにできなかったという点では批判(純粋にボクシング上での)もあるだろう。後半のパンチは、疲れも出てきたのか一発狙いの強打ばかりで当たる気配もなかった。
それでも俺は、最後まで川嶋を応援せずにはいられなかった。声をあげながら打つパンチはかなり流れ始めていたが、彼の執念は真っ直ぐとどいてきた。試合後の川嶋は、戦前のコメントどおり引退を表明。彼の試合を見たのはテレビで2、3戦ほどだけど、熱いボクサーだったと思う。ともかくは、お疲れさまでした。
その辺は川嶋の(というかある種日本人選手に共通する)生真面目さ、一本気なところの表れなのかもしれない。その一本気が2ラウンド目のダウン後の大振りにつながったのだろうか。ミハレスのダメージを考えれば、相手を見ながらじっくり仕留めることもできたのにと残念でならない。
いい試合でした―解説のガッツ石松のコメント通りだと思う。しかしプロのファイターは「いい試合」をするだけでは十分ではないし、一瞬見えた勝機をものにできなかったという点では批判(純粋にボクシング上での)もあるだろう。後半のパンチは、疲れも出てきたのか一発狙いの強打ばかりで当たる気配もなかった。
それでも俺は、最後まで川嶋を応援せずにはいられなかった。声をあげながら打つパンチはかなり流れ始めていたが、彼の執念は真っ直ぐとどいてきた。試合後の川嶋は、戦前のコメントどおり引退を表明。彼の試合を見たのはテレビで2、3戦ほどだけど、熱いボクサーだったと思う。ともかくは、お疲れさまでした。