TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

UFC130~ラスベガス場所、みたいな

2011年06月07日 | 格闘のお時間

WОWОWで録画観戦のこの大会、
メインイベントはライトヘビー級の一戦、
クィントン・“ランペイジ”・ジャクソンとマット・ハミル。
渋いカードだが、メインと言うにはもうひとつ食指が動かない。

実はメインに予定されていた世界ライト級選手権の
フランク・エドガー対グレイ・メイナードが、
両者の負傷で流れてしまったそうで、そこは残念だ。

でも捨てる神あれば、じゃないけれど、
意外に面白いカードもあったのだ。
それがセミファイナルのフランク・ミア対ロイ・ネルソン。

フランク・ミアは、元ヘビー級チャンピオンであり、
以前トップクラスの一員と言ってもいいだろう。
(最近の選手層の変化の速さは侮れないけれど)

一方のロイ・ネルソンは、この予選リーグ的存在のTUF出身、
今後の注目株とも言える選手ではあるけれど、あれですよ。
183センチで120キロという、ごっつぁんです体形。
「UFC史上もっとも醜いファイター」とまで言われた男の闘う姿は、
どこかユーモラスでもある。

結果はちょいと惜しかったけれど、パンチは意外にシャープだし
寝技の対応なども巧み(ま、ブラジリアン柔術黒帯ではあるけれど)。
そして何よりも打たれ強い(ミアは結構バテていたなぁ)。

出身地ラスベガスでの試合ではあるけれど(相手のミアもそうだし)
観客の反応が温かく感じられたのは、
闘うぬいぐるみのようなキャラによる部分大きいと思う。


でも、ときどきいますよね、こういう存在。
たとえばゴルファーのジョン・デイリー
現代のアスリート像とはかけ離れた体形と行動。
練習は少ししかしない(そうだ)し、
プレイ中に煙草も吸ってたし(今は知りませんが)。
でも全米オープン(91)と全英(95)などのメジャータイトルも。

こういった、アンチ科学トレーニング派というか、
優等生的アスリート像との対極にあるような選手が、
ときどき現れては人気を集めている気がする。

マクロビよりマックのスーパーサイズ。ガッツリ食べましょう!みたいな、
現代社会で隅っこに追いやられた本能の叫びが、
こういった選手の人気を呼び寄せているのかもしれない。

でもこういうタイプの人気者が現れるというのは、
社会的にはマイナー視されていた総合格闘技が、
それなりに市民権を得てきたということかもしれない。
(ま、UFCという団体に限って、なのだろうが)

結論。デブな選手に人気が出はじめれば、
そのスポーツはメジャーの仲間入り
……て言えたりしないかなぁ。うーん。

ところでロイ・ネルソン、見た目はともかく
ちゃんと練習する選手だとつけくわえておきます。
他の試合も含めて、結果などはこちらをどうぞ。
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ブックマッチ!『「オバマ」のつくり方』VS『もしドラ』

2011年06月06日 | 読書とか
本と本との対戦で、BOOKのMATCH、で、ブックマッチって
下手なコントみたいな題名ですが……。

しばらく前からなのだけど、本の面白さを語る場合、
他の本と比べることで少し違う見方ができるんじゃないかと思っていた。

でも似たようなジャンルの著作物では、話が狭くなりそうだ。
アルチュール・ランボーとレイモン・ラディゲで「早熟の天才合戦」をやるのは、
同じ店で開店から閉店まで飲んでるようなものかもしれない(時にはアリだけど)。

ということで、このコーナー(?)では偶然性を大事にしたいと思います。
言い換えれば行き当たりばったりということでもありますが。

さて、今回手に取ったのはこの2冊。
まずはソーシャルメディアについて考えていて出会ったのが、こちら。

「オバマ」のつくり方 怪物・ソーシャルメディアが世界を変える
クリエーター情報なし
阪急コミュニケーションズ


実はこれ、フェイスブックの実践的利用で注目されている(日本では)
熊坂仁美氏ご推薦の一冊。
この人の素敵なところは、思いっきり実用本位の目線なのに、
安くて効果的なビジネスツールというだけではなく、
ソーシャルなコミュニケーションということを
ちゃんと意識している(と感じられる)ところ。
最近雨後の筍みたいに増えてたき「ソーシャル屋」たちとはひと味違う。

で、この「つくり方」、一介の新米上議院議員でしかなかったオバマ氏を
ホワイトハウスに送り込んだソーシャルメディアの力を、時系列的に語っている。
ツイッターや各種SNS、そして携帯メールなどのノウハウに触れながら、
同時に時代を変えようとした支持者たちの情熱を描いた物語にもなっている。

なんて言うか、ためになって、しかもドラマチック。
よくできたNHKのドキュメントのようでもある。
これ、いろんな場所でコミュニケーションに関わる人にはおすすめです。
表層的なノウハウではなく、テクノロジーとうい切り口で
人間の心理に迫った良質の記録です。
実際の支持者たちの回想を読んでいると、ちょいとこちらも熱くなったりして。


さて、ためになってドラマチックとか、熱くなるとか言っていると思いだす。
そう、昨年のNo.1ベストセラー「もしドラ」こと、この一冊。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社


しかし大体、この本が一部で「ビジネス書」扱いされているのには
ちょっと驚いちゃうのだけど、
俺に言わせれば、これは巧妙に書かれたライトノベル
(ジャンルとして軽視してるんじゃありませんぜ)。
自己啓発ブームに上手くライドオンした
言い訳上手なエンターテイメント作品。

ま、なかなか読みやすくてスカッとはしています。
ビジネス目線で見たならば、優れた「商品」であることは間違いない。
これがきっかけでドラッカーが売れた、と言われていますが
(実際ベストセラーの上位にランクインした)
見方によっては「これじゃ肝心のことが分からん」から
ご本家を手に取ったと人が多かったのでは、とか思ってます。
ま、でもこれ、著者の岩崎氏の企画勝ち。
仕掛けとしてはお見事、と言っておきましょう。


で、ぜんぜん違う素性の著作でありながら、
読後に感じるカタルシスにはどこか似たものが。
だからこのどちから読んだことがある人は
(統計的には圧倒的に後者だろうけど)、
是非もう一方もお読みになっては如何でしょうか。

さて、両者の評価を決めるのは貴方にお任せしましょう。
今日のブックマッチ、判定はどっちだ!?
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