不思議な作風だなぁ、という第一印象。特に「べえべえぶし」や「極楽まくらおとし図」などに流れている、呪術的なうねりは、他の日本の文学作品では得られない感覚だ。ちょっとナイジェリアの作家エイモス・チュツオーラの「やし酒飲み」を思い出した。
「作られた物語」ではないが、リアリズムや、まして私小説でもない。語り口は素朴だけど、決して教科書用の毒抜き話でもない。でも実は日本人って整理整頓されてしまうまではこうだったのかもしれないなと思う。
「田舎の人は素朴で親切」なんてのは、幻想もいいところだと思っている。自分の親戚たちを見ていて、もちろん皆真っ当な人間ではあるのだが、情も嫉妬も好き嫌いも優しさも好奇心も、ひと通りの感情が人格の中で区別なく交じり合っている姿は、どぶろくのように濃い。「まるでワインみたい!」なスッキリした日本酒ばかり飲んでいると、ちょっと面喰っちゃうだろう。そんなことを考えたりする読後の俺でした。
そんなプリミティブな濃さに魅かれる部分が自分の中にもある。どこか「山へ帰れ!」と言われているような。でもその前に「楢山節考」読まなくっちゃ。
※たまたま見つけたこのサイトはなかなか示唆に富んでいる。あらためてスゴイ人だったのだなぁ(知らなすぎ?)
「作られた物語」ではないが、リアリズムや、まして私小説でもない。語り口は素朴だけど、決して教科書用の毒抜き話でもない。でも実は日本人って整理整頓されてしまうまではこうだったのかもしれないなと思う。
「田舎の人は素朴で親切」なんてのは、幻想もいいところだと思っている。自分の親戚たちを見ていて、もちろん皆真っ当な人間ではあるのだが、情も嫉妬も好き嫌いも優しさも好奇心も、ひと通りの感情が人格の中で区別なく交じり合っている姿は、どぶろくのように濃い。「まるでワインみたい!」なスッキリした日本酒ばかり飲んでいると、ちょっと面喰っちゃうだろう。そんなことを考えたりする読後の俺でした。
そんなプリミティブな濃さに魅かれる部分が自分の中にもある。どこか「山へ帰れ!」と言われているような。でもその前に「楢山節考」読まなくっちゃ。
※たまたま見つけたこのサイトはなかなか示唆に富んでいる。あらためてスゴイ人だったのだなぁ(知らなすぎ?)