TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

浴室/ジャン=フィリップ・トゥーサン

2009年05月31日 | 読書とか
先日読んだ「ムッシュー」のひとつ前、というか著者のデビュー作。
ある日、理由もなく浴室にこもりはじめる男の話という設定に、
脇の下をくすぐられているような魅力を感じる。
ときには居間で用事を片付けたりもするのだが、生活の基本は浴室。
引きこもりが「世界からの逃避」であるのなら、彼の場合は
「世界の再定義――ここが世界でもいいんじゃない?」みたいな。
この、ぬけぬけとしたアナーキズム。ムッシューやるなぁ、って感じですね。

浴室 (集英社文庫)
ジャン‐フィリップ トゥーサン
集英社

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キハチ イタリアン@あべの

2009年05月19日 | 食べたり飲んだり
店の呼び名は「あべのHOOP店」だそうだ。
プリフィクスのランチは、黒い被弾を警戒しながらも
イカ墨パスタ発注して、おそるおそる完食。美味。

で、なぜここでお昼を食べたかというと、
ある打ち合わせで出張の帰りなのだ。
今が旬、つーかこの時期大阪ですかぁ?
……というのは正直あるが、お仕事お仕事。

しかし、そこには悩ましい宿題が。
なんつーか、イタリアン・レストランで
「美味しいスパゲティ・ナポリタン頂戴!」
みたいな話なのでした。それ考えると、
イカ墨の被弾くらい我慢すべきなのか。
サイトはこちらです。

ワインバー ゴブリン@西麻布

2009年05月18日 | 食べたり飲んだり
西麻布の二丁目あたりは、いわゆる洒落たエリアなのに
どこか下町っぽい身内感を感じる場所だ。そんな中の一軒がこちら
(あ、とても洗練された雰囲気なのですよ)
食事は済んでいたので、軽くチーズでワインを。
随分まったりと、くつろがせていただきました。
ま、これも我が飲み食い師匠Kさんのおかげです。
お店の楽しみも、やっぱり人のつながりから、かなぁ。


女の人差し指/向田邦子

2009年05月17日 | 読書とか
ひと工夫ほどこした美味しいお惣菜で
気軽に飲める小料理屋――
著者のアイデアから生まれたお店「ままや」の、
開店時の案内状が素晴らしい。


おひろめ
蓮根のきんぴらや肉じゃがをおかずにいっぱい飲んで 
おしまいにひと口ライスカレーで仕上げをする――
ついでにお惣菜のお土産を持って帰れる――
そんな店を作りました
赤坂日枝神社大鳥居向い側通りひとつ入った角から二軒目です
店は小造りですが味は手造り
雰囲気とお値段は極くお手軽になっております
ぜひ一度おはこび下さいまし


お店自体は88年に閉店となったが、行ってみたかったなぁ。

ま、それはこのエッセイのあくまで一部ではあるが、
食の話も仕事の経験もささいな出来事も、すみずみまで面白い。
どう面白いかといえば、テーマに関わらず人柄とか時代とか、
その下敷きとなっている「世間」が見えてくるところだ。

何を食べたとか見たとか、誰に会ったとか、
モノゴトの表面を書いただけの「エッセイですっ」とは違う。
おっと、まずは自分のブログから反省だ!

ところで、ままやの話の後日談。
西麻布の若旦那こと我が飲み食い師匠Kさん、
なんとご母堂が向田邦子氏と同級生。
かつ新入社員の時分には、よくお店に飲みに行っていたとのこと。
(残念ながら亡くなった後だったそうだが)
なんか縁のない自分も著者とニアミスしたみたいで
妙に嬉しかった(根拠ないけど)。
あー、また一杯やりたくなってきたよ。
この中の一編「沖縄胃袋旅行」も最高です。


女の人差し指 (文春文庫 (277‐6))
向田 邦子
文芸春秋

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菜遊季@高島平

2009年05月16日 | 食べたり飲んだり
身内の集まりでこちらへ。金曜の夜ともなると予約必至の人気店だが、アットホームな雰囲気は相変わらず。ママさんのノリもなかなかです(でも客商売としてのプロ感あり。ただ者じゃないなぁ)。

まずは餃子(タレをつけずに頂けるしっかり味)、エビチリ(これも旨い)、アワビの煮物(950円は安い)と美味しくたいらげる。写真の麻婆豆腐は鋭い辛みの中から旨さの立ちのぼる、手応えあり。玉子だけのシンプル炒飯も、オヤジには油が気にはなるものの絶妙。瓶から出した紹興酒もスムーズな味わいで、食も酒もすすむのでした。いやー、このお値段でこの味は素晴らしい!ごちそうさまでした。