国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

みんな、彼との共演を望んでいた

2010年01月09日 | 他店訪問
マイルスは、「あいつのように叩け」と言ったそうだ。
エヴァンスは、彼との共演をとても喜んだそうだ。
ジャズ界に燦然と輝くビックネーム2名から渇望されたドラマーがいる。
フィリー・ジョー・ジョーンズ。
カウント・ベイシー楽団にジョー・ジョーンズという
同名のジャズミュージシャンがいた。
そこで出身のフィラデルフィアの愛称「フィリー」を先頭につけて
フィリー・ジョー・ジョーンズという芸名がついた。
本名はジョセフ・ルドルフ・ジョーンズである。

「いーぐる」での今年初の連続講演は、原田和典氏の解説で
「開運!フィリー・ジョー・ジョーンズ祭り」が行われた。
曲の深い聴き込みとミュージシャンの豊富な知識、
軽妙なコメントという原田氏3本柱で毎回楽しむことができる。

フィリー・ジョー・ジョーンズといえば、
マイルスバンドでの活躍から名を挙げてきている。
それまでにもジョー・ジョーンズは
エルモ・ホープ、タッド・ダメロン、セロニアス・モンク、バド・パウエルという
名だたるピアニストと共演をし、
果てはチャーリー・パーカーとも録音を残していることから
かなりの実力派ドラマーであることが分かる。

原田氏はジョー・ジョーンズの聴き所として
1 アクセントの強調
2 バチで太鼓のへりを叩く(通称ドアノック)の軽妙さ
3 片手ロール の3点をあげた。
ドラマーの中でもエネルギッシュ型に入るジョー・ジョーンズであるが、
バンド全体の演奏をのせ、ぐいぐいと引っ張っていくだけではなく
しっかりとした技術に裏付けされた緻密なドラミングがあることも分かる。
そういった部分がリーダーたちに重宝されたのだろう。

ジョー・ジョーンズとウィントン・ケリー、ポール・チェンバースの
トリオ演奏はやはり聴きごたえがあった。
また、変わり種でパリでのアーチ・シェイプと共演したフリー系のものもあった。
ジョー・ジョーンズのドラミングがしっかりと道筋を作ってあるため、
シェイプなどはその上で好き勝手やっていても聴きづらさはなかった。

僕の一番はエルヴィン・ジョーンズと共演『トゥギャザー』である。
ちょっとくねった感じのテーマを縫うように
2人のドラマーが軽快なリズムで飛ばしていく。
勢い込んでうるさい感じはなく、
むしろドラムが2つあるのに上品にまとまっている。

他にも「大麻はドラッグではない」逸話や
「コンテンポラリーのスタジオには山猫がいた」写真など
講演は盛りだくさんだった。
「優れたミュージシャンが優れたリーダーではない」という説通り
フィリー・ジョー・ジョーンズはあまり有名なリーダー盤がない。
だが、数多くのミュージシャンの側に
最高のドラマーとして控えていたことは誰の目からも明らかだろう。

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