国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

走り出したら止まれない。暴走機関車が煙を上げて走りゆく

2012年02月17日 | マスターの独り言(曲のこと)
まるで汽車が暴走しているかのようなドラミングである。
それも今風の「電車」ではない。
石炭を山のように積み、それを絶えずくべているような
古いタイプの蒸気機関車のようである。
そこにトランペットとテナー・サックスの音がハモり、曲が始まる。

クリフォード・ブラウン・アンド・マックス・ローチの
『スタディ・イン・ブラウン』の1曲目「チェロキー」である。
クリフォード・ブラウンはとかく音の良いトランペッターとして有名である。
僕も初めてクリフォードを聴いた時には、まさに「度肝」を抜かれた。
ジャズを最初に聴く人がなかなか馴染めないのは、
楽器の種類もあるという。
トランペットだと、まぁ、そこそこ有名だが、
それでも馴染みがあるものとはいえない。
それを悠然と、しかも艶やかで張りのある音色で奏でるクリフォードは、
ジャズ初心者の僕もすぐに心を奪われた。

だが、そこからが長かった。
2枚目に買ったアルバムが『クリフォード・ブラウン・アンド・マックス・ローチ』で、
これがなかなかよく聞こえなかったのである。
加えてクリフォードのアルバムというのは
中古でもそれほど苦労せずに手に入れることができる。
そうなると後回しになってしまう。

今年になって1月にマックス・ローチの連続講演を聴きに行って、
その足でこのアルバムを買った。
クリフォード・ブラウンにしろ、マックス・ローチにしろどちらもジャズの巨匠である。
その2人が合わさって演奏しているのだから悪いわけはない。

1曲目の「チェロキー」は、どこかオリエンタルな不思議な感じがある。
ただ土臭いだけではなく、優雅な香料の薫りがするような前奏は、
その後に切られるスタート前の準備運動か?
一気に飛び出すトランペットとテナー、そしてそれを煽るドラム。
完全一体の演奏である。

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