国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

夏の終わりに空が青黄色に染まるとき

2012年08月29日 | マスターの独り言(曲のこと)
今日帰り道に空を見たら、真ん丸い月が昇っていた。
月齢を調べてみたら明日は満月のようである。
最近は夕方になると多少は涼しく感じられる(ような気がする)。
空が茜色に染まり、白い雲がたなびいているのを見ると、
僅かながら「秋かなぁ?」などと思ってしまう。
月は夕日に照らされ、ぼんやりとした光を放っていた。

月というのはその存在がどうも不可思議だ。
もちろんこの宇宙に浮かぶ天体すべてが不可思議な存在なのだが、
月というのは地に住む我らをとらえてしまう。
それは女性に例えられるほど神秘的な存在だからなのか、
狼男が満月で変身してしまうからなのか、
はたまた目玉焼きの黄身のように美味しそうだからなのか…

前に月について調べたとき、
ヨーロッパに「月狂条例」というものがあることを知った。
(イギリスの法律であるのだが、内容はご自身で調べてみてほしい)
月は時に人を狂わすと考えられていたのが、
上記のような神秘性や変異が生まれてくるきっかけにもなったのだろう。

さて、ジャズの話である。
アル・ヘイグというピアニストがいる。
彼はいろいろな噂のあるピアニストだ。
正確なところは分からないが、とにかく変人奇人といった見られ方をしていたらしい。
(一部情報では人を殺めたこともあるというのを見たこともあるが、出典等は不明)
残念ながら手元の資料を色々探してみても、
今ほどアル・ヘイグのアルバムが載っているものはあまりない。

この人のアルバムを語るとき『インヴィテーション』は欠かせない。
これを聴いたときに「なんて美しいピアノなんだろう」と思わない人はいないと思う。
だが1曲目の「ホーリーランド」を聴いたとき、
その名とは裏腹に切り込むようなピアノの音の鋭さを感じる。
音がピアノから独立し、宙を自由に彷徨うようだ。
アルノルト・ベックリンの「死の島」のような神秘的な狂気が潜んでいる。
果たして島へ何しに向かうのか、そこは名の通り「ホーリーランド」なのか…

明日は満月、こんな夜に心の狂気を揺さぶってみては?

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