国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

彼はいつもと変わらず鍵盤を叩く

2012年02月18日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
ジャズを長く聴いていると
実際に聴いているのは曲や音楽ではなく、
結局はミュージシャンになるのではないかという結論が出てくる。
最近ではあらかたガイド本に載っているようなアルバムは買ってしまったため
僕がジャズを専門に扱う店に行くと
「あ、あの人のアルバムだ」といった選び方でCDやレコードを買っている。
これは経験則に基づく選び方であるが、
結果としてあまり外れない。
何せ人というのは急には変わったりはしないし、
ジャズというジャンルで活動している人たちは
一部の例外を除いて、自分たちのスタイルを変えることはあまりしない。
それは日々のライヴが生活の糧になっているという部分とも結び付いているだろう。

今日見つけたアルバムは、やっぱり「ピン」とアンテナが立った。
ボビー・ティモンズの『ドゥ・ユー・ノウ・ザ・ホワイ?』である。
コクと粘り気のあるピアノを聴きたければティモンズを聴くのは最適である。
ジャズ・メッセンジャーズに所属をしていた時も
聴けば「ティモンズだ!」と分かるほどにピアノの黒さがある。

このアルバムは彼の公式ラストアルバムになるそうだ。
ジャケットを見た瞬間に、「買い」である。
鍵盤を静かに見つめるティモンズの表情はその中の演奏も上質であることを
証明しているかのようである。
メンバーにドラムのジャック・デジョネットが入っていた。
これで決定である。

聴いてみるとティモンズのピアノはいつもと同じである。
熱く全てを語り尽くす。
鍵盤の上を器用に動くティモンズの指さばきが目に浮かぶかのように
音が積み重なり、何気ない1音1音が愛おしく思える。
ギターのジョー・ベックとの掛け合いも息が合っている。

少々軽めの演奏が多いのだが、それでもティモンズだ。
たまには変わらない演奏を聴くのもいいもんだ。

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