国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

過ぎ去りし夏を思い出してみれば…

2012年08月28日 | マスターの独り言(曲のこと)
テレビを見ていると映像で始業式の様子が映るようになってきた。
カレンダーを見る。
8月28日。
まだ夏休みが終わるのには少々早いような気がする。
確かに北の方では夏休みを減らして、その分厳しい冬に備えるという。
そのため少々早く夏休みが終わるのは事情があって致し方ない。
ところが全国的に8月が終わらないうちから
学校を律儀にも開けているところが多々あるようだ。

やはり夏の終わりは8月31日だろう。
幸いなことに僕には記憶でないのだが、
宿題を終わらせるのも31日ギリギリであるからこそ
夏休みといえる部分もあるのかもしれない。

そんな夏の終わりを感じさせるのがアート・ファーマーの『思い出の夏』である。
おそらく川辺だろう。麦わら帽子に一枚の写真。
ベタなジャケットであるが、夏が来れば思い出すのは尾瀬だけではなく
麦わら帽子だってあるわけだ。

暑い日々がほどよく涼しくなり、過ぎし日は記憶の中にのみ残る。
アート・ファーマーが叙情豊かにトランペットを鳴らす。
いぶし銀の仕事だ。
シダー・ウォルトンのピアノにサム・ジョーンズのベース、ビリー・ヒギンズのドラムという
まさにジャズのメンバーが揃っている。
特にファーマーとウォルトンの対話をするような掛け合いは、
密やかに思い出を彩りながら語るかのようで
その刹那的な楽しみを懐かしみ、愛おしむように儚さを感じさせる。
ヒギンズのブラッシングはあくまでも静やかに、
サム・ジョーンズのベースが低部をしっかりと支える。

その夏には宿題もヒートアイランド現象もない。
ただ静かに夜に溶けて消えてしまった夏があるのみだ。
あなたの夏の思い出は一体どんなことがあっただろうか。
2012年の夏はあと僅かである。
軽やかなトランペットの音色とともにもう一度振り返ってみてはいかが?

最新の画像もっと見る

コメントを投稿