国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

だって好きなんだからしょうがないじゃないか!

2011年07月26日 | 喫茶店に置いてある本
村井康司氏の『ジャズの明日へ』(河出書房新社)のP87を読んでみて欲しい。
ブルーノート・レコードのあるポスターについて解説をしている。
そのポスターには美女が寝そべり、近くにレコードが散らばっている。
近くには携帯用のレコードプレイヤーがあり、
美女がセシル・テイラーの『コンキスタドール』を持っている。
これを見たとき、ジャズ好きであれば「あぁ、なるほど」と頷いてしまうほどの
違和感バリバリのポスターなのだ。
その解説が件の本に書いてあるというわけだ。

さて、本題はそちらでない。
今月の『JAZZ Japan 12号』の表紙を御覧あれ。
『スイング・ジャーナル』時代から並んできた
いかめしい顔のジャズ・ミュージシャンではない。
(もちろん全てのジャズ・ミュージシャンがいかめしい顔ではないことを注しておく)
「アッキーナ」こと、南明奈嬢である。
「ジャズ雑誌に南明奈!」といういわば
世紀の大発想的な大騒動になってもおかしくない表紙なのである。

もちろん本紙内で「私、ジャズ聴いてました」的な発言は一切無い。
つまり編集側のある意味「表紙にしてみたかったから」という
何とも直結的欲望の結果だと思う。

実は僕はこの表紙になることを事前に知っていた。
この後ろに写るレコード屋にはよく通っているし、
Twitterでも次号の表紙が写真でアップされていた。
僕はこういう無謀とも言える、しかし欲望丸出しの企画が大好きだ。
確かに「アッキーナ」は日常的に
『クール・ストラッティン』のTシャツを着たりしないだろうし、
ハンク・モブレイのアルバムを手にとって、
「今日の気分はモブレイ」なんて言わないだろう。
そんなミスマッチとも言える人選を「とにかくやってみよう」と思った
『JAZZ Japan』の編集部に拍手喝采である。

こういう冒険は大いに必要である。
先日もあるレコード店のマスターと話をしたのだが、
マイルスと言えばプレスティッジだけしか聴かない人がいるそうだ。
まぁ、それはそれでいいのだ。
だが、マイルスを全部(全部は無理だとしても一通りは)聴いてみて、
それから結論を出したって良いと思う。
音楽というのは知らないものと出会うことが楽しいのだし、
アルバムを追うことでそのミュージシャンの人生が見えてくる。

今回の表紙に「なぁに、アイドルなんか使っているのか」なんて思う人もいるだろう。
いいじゃないか。
こういう胸のドキドキするような冒険を僕たちはきっと心の中で待っているはずだ。

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