国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

アメリカ音楽史は追えば追うほど様々な糸がもつれ合っていることが分かる。

2011年12月04日 | 喫茶店に置いてある本
アルテスパブリッシング出版の
『文化系のためのヒップホップ入門』は、ライターの長谷川町蔵氏と
アメリカ文学者の大和田俊之氏の対談形式で書かれている。
ヒップホップの歴史を追いながら、そこでの歴史的背景や名盤、
ミュージシャンの動向などを網羅していくわけだ。

正直最初はよく分からなかった。
これは音楽系の本には良くありがちなのだが、
まずは専門的な用語が、一体どんなことを言っているのかつかむのが難しい。
一応本書には欄外に解説が載っているのだが、
それを読みながらでもなかなかに大変だった。
しかも紹介されているアルバムを聴いたことがないので、
果たしてどんな音があるのか分からない。
音が分からないということは、読んでもよく分からないものなのだ。
まぁ、分からないことを知ろうとするのは難しいものなのである。
とりあえず3回ほど読み直してみて、どうにか意味がとらえられるようになってきた。

そうなると実際に音を聴いてみたくなる。
ジャズの場合もそうなのだが、
とりあえず10人のミュージシャンを1枚ずつ幅広い時代で聴いてみないと
どこら辺が面白いのかがつかめてこない。
それなりに散財をしなければその実像もつかめてこないわけだ。

さて、ここで中山康樹氏が提唱した「ジャズ、ヒップホップとのつながり」を書いた
『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』も上げておこう。
先日、『いーぐる』でこの本の出版記念講演があったのだが、
残念ながら参加ができなかった。
しかし参加した人のブログや『いーぐる』のHPでその時のことが書き込まれていた。
そこで「ジャズからヒップホップ」という流れではなく、
「ジャズ史の新たな視点からの見直し」という思いで中山氏が
この本を書いたと言っていたあった。
それを見て、随分と腑に落ちた。
『文化系』で取り上げられているアルバムと
『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』で取り上げられているアルバムが
あまりにも違っているからだ。
『文化系』は正史的にヒップホップを追っていて、ヒップホップ自体を述べている。
だが、中山氏はあくまでジャズ側からのヒップホップについて述べているわけだ。
つまりは「ジャズはヒップホップになった」という単純な考えではなく、
「ジャズの中にあったものの一部がヒップホップに引き継がれていくことになった」
という「ジャズ史を違った見方で見てみたら…」という考え方に基づかれているわけだ。

ジャズとの搦め手で攻めてもいいが、やっぱりヒップホップはそれで聴いてみたい。

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