国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

ガソリン狂想曲

2011年03月19日 | マスターの独り言(日々色々なこと)
ガソリンが無い。
ここ数日前から懸念をしていたのだが、
車のガソリンメーターがあと僅かになってくると急を要する。
テレビのニュースでも時折取り上げられるが、
ガソリンがなぜだか知らないが市場から消えている。
東北地方の被災者のためというのは仕方のない理由なのかもしれないが、
こちらも仕事で車が必要となる。
来週以降には元の状態に戻るだろうという予測も立つのだが、「今」必要なのだ。
この休日中には入れなくてはならない。

ところが市内のガソリンスタンドは火が消えたかのように静かだ。
普段はあれほどあちこちにあって、営業をしているのに、
ガソリンスタンドの前には行列しかできていない。
開いているか、開いていないのかさえわからない。

その様子はまさに狂想曲と称するに相応しい。
ガソリン値上げを避けようと列ができたのは、これは個人の欲望だ。
だが、今は実際にガソリンをどうしても得なくてはならない。
まさかいつも帰り道に見かけるガソリン渋滞の1ピースに
自分がならなくてはならないとは…

前の見えない列に並ぶのは勇気がいる。
いつ終わるとも知れない列の先頭はどうなっているのか、
「もしかするともう無いのかも…」という不安さえも過ぎる。
脇をスイスイと抜けていく車たちのガソリン事情は一体どんなものなのか?

2時間かかった。
その間ずっとジョニー・グリフィンの『ア・ブローイング・セッション』を聴いた。
グリフィンとコルトレーン、そしてモブレーの3テナーマンが繰り広げるセッション。
1曲目の「今宵の君は」のソロの聴き分けがまだよく分からない。
繰り返し、繰り返し聴く。
分厚くも豊かな響きがグリフィンのテナーにはある。
まさかグリフィンもガソリン渋滞で聴かれるとは思わなかっただろう。

やがてゴールが見えた。
と、僕の4台後、店員が「売り切れ」の看板を上げる。
ダンボールで作った即席のヤツだ。
無情にもガソリンスタンドの出入り口が細い縄で封鎖される。
境界を越えた者と越えていない者…
何だかスッキリしない…