国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

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そんな仮想の音楽喫茶

ヒップホップ事始め ヒップホップを聴き取るためのコツ

2011年03月09日 | マスターの独り言(ジャズ以外音楽)
前半のビバップの内容があまり濃すぎて、
ヒップホップのアルバムが1枚もかからない状況であった。
でも、そのおかげでビバップとヒップホップの似通った箇所が徐々に見えてきた。
前半の最後にようやく1枚
パブリック・エネミーの
『イット・テイクス・ア・ネーション・オブ・ミリオンズ・
 トゥ・ホールド・アス・バック』から
「パーティ・フォー・ユア・ライト・トゥ・ファイト」がかかった。

ここに来てようやくヒップホップが耳に残るようになってきた。
ヒップホップは楽器を演奏するのではなく、トラックを作ってそれに声を乗せる。
しかもトラックも既存のアルバムの数小節をループさせることで
一定のリズムやベースを作っている。
しかもネタになっているのは複数の音源から取られているため、
それが横つなぎだけではなく、何層か縦に並んだ状態にもなっていたりする。

そのトラックの作り方がミュージシャン達のミソになるわけだから、
まずは声よりもそのトラック自身に耳を集中させればよい。
するとそこに粘りのあるリズムやリフがたくさん隠されているのが分かり、
それが発展もなくただ繰り返されることで、
まるで催眠術にかかるかのように自然と心地よさを生み出してくる。
これがヒップホップの大元になっているというわけだ。
そこにラップなどの手法を加えることで独特の音楽が生まれる。
大谷氏も中山氏も「ヒップホップはジャンルで、ラップは手段」という考え方であった。

ヒップホップはまたダンスを念頭においた音楽であることを言及していた。
ビバップがギリギリ踊れる音楽であるならば、
ヒップホップはまさに踊るための音楽である。
しかもビバップもヒップホップも小さなライブハウスやクラブを
主に考えた音楽であることが大きい。

どちらも既存のコード(ないしアルバム)から曲の骨を取り、
そこに新しい自己表現を加えていくことで、新たな曲を作り出している。
CD等の媒体を通して聴くことが当たり前のようになっているが、
元々はクラブなどで生で聴き通した方がより興奮するだろう。
そこに踊り出す人がいたっておかしくないし、
現に踊れる場所で演奏されていたことも事実である。

生ライブでは「失敗できない」という緊迫感がある。
そんなところも共通しているようだ。