東京災害支援ネット(とすねっと)

~おもに東京都内で東日本太平洋沖地震の被災者・東京電力福島第一原発事故による避難者支援をおこなっています~

住まいをまもろう!第5回広域避難者集会・集会宣言

2016年03月15日 13時47分13秒 | 研修会/学習会/集会
「いま、行政が進めているのは、収束しない原発事故の現実から目を背け、みせかけの『復興』を飾り立てるため、嫌がる避難者に事実上『帰還』を強制するという、人権を無視した非人道的な政策です。」--3月13日に開かれた第5回広域避難者集会は、各地の原発事故避難者や市民の皆さん約80人(スタッフ除く。)が参加しました。避難者リレートークに登壇した方々の避難先は、山形、京都、広島、神奈川、埼玉、東京と様々ですが、みなさん、避難住宅の無償提供を打ち切らないよう訴えています。事故から5年を経た今こそ、原発事故避難者の声を政治に反映させなければなりません。採択された集会宣言をアップします。
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住まいをまもろう!第5回広域避難者集会・集会宣言
 福島原発事故の発生から5年が経過しました。
 しかし、福島第1原発の原子力緊急事態宣言は今も発令されたままです。原発事故によって放射性物質が東北・関東を中心とする広い地域にまき散らされ、いまも土壌などの深刻な汚染が問題になっています。汚染水問題も解決の目途がたっていません。当初3年間の約束だった除染廃棄物の仮置場などでの保管も、なし崩し的に延長されています。福島県の「県民健康調査」では、子どもの甲状腺がんの報告が続き、疫学上の見地から原発事故との関係が疑われています。原発事故は収束しておらず、放射能汚染と低線量被ばくの問題は解決れないまま長期化しています。
 このような状況のもと、避難区域外からの避難者である「区域外避難者」を含む多くの原発事故避難者は、避難を続けざるをえないと考えています。
 しかし、国と福島県は、避難者の意向を無視して、昨年、区域外避難者に対する「みなし仮設住宅」の提供を2017年3月末で打ち切る方針を示しました。また、国は、同じ時期までに、帰還困難区域以外の避難指示の解除を進める方針で、区域内避難者に対する仮設住宅の提供も早晩打ち切られるおそれが出てきました。
 区域外避難者は十分な賠償も受けられず、みなし仮設住宅だけが事実上唯一の支援策です。避難生活に伴う収入減・出費増に加え、生計維持者が避難元に残り母子のみが避難する世帯では「二重生活」による出費が著しくかさんでおり、避難世帯は生活が困窮化しています。とすねっとの2015年の調査でも、避難によって出費が増えた世帯の平均増加額は7万4927円で、68%の世帯が生活に困っていると言います。仮設住宅が打ち切られれば、生活が立ち行かなくなり、多くの世帯で避難を続けることが困難になります。いま、避難者は、来年の3月末に、意に反した帰還を余儀なくされるか、路頭に迷うか、という瀬戸際に立たされています。
 このため、大半の避難者が仮設住宅の継続、打ち切り撤回を求めています。とすねっとの2015年の調査でも、打ち切り撤回・期限延長を希望する人は68%に及び、みなし仮設住宅だけに限ると4分の3を超えています。
 ところが、国と福島県は、「打ち切りの撤回はしない」と言い放っています。
 いま、行政が進めているのは、収束しない原発事故の現実から目を背け、みせかけの「復興」を飾り立てるため、嫌がる避難者に事実上「帰還」を強制するという、人権を無視した非人道的な政策です。これは、避難者だけの問題ではなく、すべての市民が反対しなければなりません。そして、今こそ、避難者を含めた原発事故被害者全体がこうむった被害を元どおりに回復する意味を持つような正しい支援政策を行うよう、行政の姿勢を改めさせなければなりません。
 本日の集会でも、無償の避難用住宅が必要だという悲痛な訴えが続きました。
 わたしたちは、国と福島県に対し、今後も引き続き、区域外避難者に対するみなし仮設住宅の打ち切りの撤回を求める闘いを続け、すべての原発事故被害者について、長期・無償の避難用住宅の提供がなされることを強く求めていきます。
2016年3月13日
住まいをまもろう!第5回広域避難者集会・参加者一同

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