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寅の子文庫の、とらのこ日記

本が読みたいけど本が読めない備忘録

秋分の日に咲く彼岸花。

2008年09月23日 17時10分16秒 | オンライン古書店
庭に彼岸花が咲いた。
目も耳もないのにどうしてお彼岸が分かるのだろう。






葉もないのに、いきなりニョキっと茎だけ伸びて花が咲いている。
彼岸の頃、墓地や田んぼの土手を真っ赤に染める。
迷信の域ではあるが人家に植えることを忌み嫌うとする。


車に交通安全のお守りステッカー。
合格祈願の絵馬。
縁起を担ぐことはジンクス。
今日は「ツイテいる」は漢字で書くと「憑いている」
誰も文明の谷間に寄り添い生きている。



昔読んだ今野圓輔を枕元に置いたー。
・現代の迷信/教養文庫/昭和50年9刷(初版S36)
・日本怪談集幽霊篇/〃/昭和48年16刷(初版S44)

夏休みとカラーミーショップ閉店のお知らせ。

2008年08月12日 17時52分09秒 | オンライン古書店
残暑お見舞い申し上げます。
今年の暑さはまた格別ですが、皆様には変わりございませんか。
さて、寅の子文庫では8月15日から19日まで夏休みを頂きます。
日頃なかなか遊んでやれない子どもたちといっぱい遊ぼうと思います。
この間ご注文頂いた商品は8月20日に発送します。

また昨年夏に立ち上げたカラーミーショップは8月31日で終了閉店、
以降はおちゃのこネットに引継ぎ販売を継続します。
今後ともご贔屓のほど、宜しく御願い申し上げます。

2008年8月12日
古本寅の子文庫


代金未払い、送料分160円お支払いください。

2008年07月18日 11時07分19秒 | オンライン古書店
支払い期日を過ぎ二度目の催促でようやく入金ありと思えば、それは商品購入代金のみで送料(クロネコメール便160円)が落ちている。期限内の振り込みで送料分のみの不足であれば目をつむった例を過去に一度踏んだが、今回は既に期限も過ぎているので、あえて送料160円の支払いを継続して求めていく。仮にうっかりミスであればその旨、返事をくれてよいものを・・・もしかして常習犯か(などとつい悪いほうへ考えてしまう)

たかが160円といわれるかもしれない、しかしこれまで真面目に社会的規範を守りお支払い頂いたすべてのお一人に対して申し訳ない思うから、この未収160円を諦めない。ネット古書店を続けて3年半、紆余曲折の末にショッピングカート精算画面上に個人情報取扱いに関する条項を入れ、代金未払い発生時の店側対処を掲示した。また同じような問題を抱えるネットショップオーナーに少しでも参考になればとお買い物手引きの中に、代金未払い者への対応についてというページを設けてこれまでの代金未払い回収事例をその都度記した。何の理由もなく期眼を過ぎてなお支払いがなければ、代金を払らわずレジーを素通りする輩と同類ではないか。さもなければメール1本打つのがネットで買い物をする者のせめてものマナーであると心得る。

梅雨の長雨

2008年07月03日 15時47分44秒 | オンライン古書店
梅雨とはいえ例年になくジトジトと雨が続く。


書庫の周りの木々がおいしいおいしいと雨を吸っている。
梅雨が終わったら剪定しないと書庫が茂みにうずもれてしまう。


目下、我が家に1台しかない除湿機は書庫でフル運転中。


【雲の発生と天気図/田口八雲/姫路気象・天然社/S54年発行】


↑左側のページ上段の天気図と写真を拡大したところ

画像の解説とは異なるが、昭和32年6月5日の500mb高層天気図では本州一円に強風帯が発生して上空を西から東に吹いている。その影響で梅雨前線が発達して「入梅」となった。また7月30日の図では梅雨前線を強化していた本州付近の強風帯が日本の南方海上にある夏型低気圧により北方へ押し上げられたことにより梅雨前線も消え「梅雨」が明けたと解説があった。毎年のことだが、蝉の鳴く炎天下の夏空が待ち遠しい。

著者の田口氏は浜田・姫路等の測候所長を歴任された。
本書はかって姫路市本町にあった姫路測候所を基点として昭和32年1月から12月まで、1年間の四季を通して撮影した600枚の雲の写真と200枚の天気図を以って構成されている。あいにくこの年は、姫路城の一大修復工事が行われていた時に重なり、写真背景に度々出てくる大天守閣も工事用のベールに包まれていて興味深い。天気の解説だけに留まらず自然科学の書として、また往時の生活を偲ぶ郷土誌として立派に活用できる。残念ながら本書は寅の子文庫の売場本棚には載せていない。

丸山ワクチンの癌の臨床、が売れて。

2008年06月15日 19時59分55秒 | オンライン古書店
朝の食卓でバアバが父の墓参りに行きたいと切り出せば、懐かしい本に注文が入った。15年前、余命三ヶ月を言い渡されて途方に暮れたとき、とるものも取り敢えず千駄木の日本医科大へ走った。肺がんなのに死ぬ前日まで家に居て、何所も痛くない。一日おきに近所の医院で注射してもらった。


◎丸山ワクチンのガンの臨床/藤田敬四郎/新興医学出版社/H4年2刷
ワクチンを購入したとき患者家族会の販売コーナーで見つけた。いつか読もうと本棚に置いたままとうとう一度も開くことがなかった。手に取ると走馬灯のように思い出されてならない。


◎雨上がりの墓参風景。
墓地の東南隅に枇杷の木がある。墓所が不足しているのでこの木もやがては切られる。たわわに実をつけても墓地の枇杷では鳥しか食べない。帰りがけにバケツに水を汲んで根元にかけてやった。

《サイト内関連記事》
丸山ワクチンと庭の桜。の記事(05/4/16)

さりさり、さりさり、縄ないの音。

2008年05月30日 15時16分28秒 | オンライン古書店
昔は何処の農家も夜なべをして野良仕事に使う縄をなった。
こどもはお年寄りの縄ないの手伝いをした。縄ないの音を「さりさり」という。父さんも小さい時分に祖父が稲藁をなう「さりさりと」という音を耳にした。その音は今でも明瞭かつ新鮮な響きで甦る。


【駿東の子/詩でつづる駿東文園50年史】昭和53年/非売品

『なわない』
さりさりさりさり さりさり
なわないの音だ。
父のふかした たばこの煙が
すうーっと 天井に消えて行く
静かな なわないの音だ
原里小高二/横山清
(昭和4年1月)

時代は移り、日の暮れるまで富士の裾野を駆けて遊んだ駿東の子らも今はテレビゲームに夢中で、縄ないの音など知らぬであろう。

いつもの文教堂で少々高かったが日本語オノマトペ辞典を買った。
オノマトペとは擬音語・擬態語の意味。
ものを擦り合わせて出る音を「さりさり」という。
これまで似たような辞典はいくつか見たが
どれも「さりさり」は出ていなかった。
この辞典には「さりさり」が出ている。



擬音語・擬態語4500 日本語オノマトペ辞典
小野 正弘
小学館

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買ってからまた気が付いた。
自分でアフェリエイトしてから買えばよかった。

島秋人著遺愛集。

2008年05月29日 11時02分36秒 | オンライン古書店
書庫から溢れ出た本をブックオフとアマゾンで掃かせている。
ブックオフで引き取り不可になったがアマゾンに出したら注文となった。


昭和42年11月2日、巣鴨刑務所にて死刑、享年33歳。
【遺愛集/島秋人】東京美術選書9/H7年新装11版

・ふきあがるさびしさありて許されぬクレヨン欲しき死刑囚のわれ
・笑む今の素直になりしこの命在るとは識らず生かされて知る
・身に持てる優しさをふと知らされて神の賜はる生命と思ふ
・この澄めるこころ在るとは識らず来て刑死の明日に迫る夜温し

スキャナーを買う(CanoScanLiDE90)

2008年04月13日 09時53分09秒 | オンライン古書店
寅の子文庫も新年度を迎えてスキャナーを購入、戦列に加えた。


値段も手頃で薄型スリム、縦置きが出来るから狭い机の上でも場所を取らない。電源供給(ACアダプター)はなくUSB対応型なので接続と同時に待ったなしでスキャンできるのがうれしい。


書影や雑誌の見開きもカンタンに撮れる。以下にデジタルカメラの画像と見比べてみた。デジカメでは撮影する本の大きさによりデフォルメの修正が出来なかったが、スキャナーで撮るとシフトが利くというよりは正にコピーそのもの、気持ちがいいくらい四角四面に、見たままの色合いでキチンと撮れる。

◎カラーブックスの本棚8より
【No758・外湯めぐり/野口冬人/S63年初版/定価500円/保育社】
~サイズは文庫判なのでデジカメも割合よく撮れていて両者殆ど差は感じない。只デジカメの場合、撮影するとき諸条件(光の加減等)を伴うので夜間撮影不向きという制約がある。


●スキャナー画像/50dpi(画質の一番粗い設定)
スキャンに要する時間は凡そ10秒以内。


●デジカメ画像/75万画素(Cacon IXYデジタル320/2002年購入)

複合プリンター(スキャナー機能付き)も最近ではスキャナー単体の価格とそう大差はないので購入に迷ったが単機能でカンタン便利、今すぐ使わない人でも1台持っていて損はない。量販店(コジマ)で9,700円だったがAmazonでは更に1,000円安い。今後、デジカメと上手に使い分けたい。

キヤノン CanoScan LiDE 90

キヤノン

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トラノコザクラ満開

2008年04月06日 19時19分58秒 | オンライン古書店
新聞配達が終わって朝6時、
明後日からはこの時間に起こさないと集団登校に遅れる。
金魚の上の桜が満開になった。





垣根のトラノコザクラは、
昨年電線に掛かる枝を何本か切って恰好が悪くなった。
先週はカイガラムシ駆除にマシン油を塗布した。
成長する度に養生も大仕事になり手間がかかるが我が子と同じー。

今年も元気に花を開いてみせてくれた。
今日満開。

《サイト内関連記事》
トラノコザクラ満開で、今日から新年度です。(07/4/5)

来年はおウチのパソコンで電子申告?

2008年03月15日 16時18分49秒 | オンライン古書店
滑り込みセーフで平成19年度の確定申告が終わった。


これをきちんと済ませておかないと順番を待っているオチビさんの保育園入園に差し障りがある。自宅のパソコンから申告もできたが、年に一度しか使わないツールをわざわざインストールするのも考えもので結局会場へと足を運んだ。予め減価償却や経費の明細を収支内訳書にまとめておいたのでタッチパネルの操作だけだと思っていたらそうではない。今年からタッチパネルではなく全てがパソコン操作の電子申告=e-Tax(国税電子申告・納税システム)となった。待ち時間に30分、ノートパソコンを開いてわずか10分で申告を終了したー・・・しかし申告会場の大机に隣り合って腰掛けた戦友(勝手にそう思い込んでいるだけ)を意識し或いは観察しながらの申告のほうがノンビリとして妙な連帯感も涌き、自分なりに性が合っているように思う。

《サイト内関連記事~平成18年度の確定申告》
個人業主で確定申告しているときは申告書Bで、の記事(07/3/9)

アフェリエイト購入テスト~カシオ電子辞書XD-GP6900

2008年02月29日 04時13分54秒 | オンライン古書店
おチビさんたちが寝静まったあと、フトンの中で電子辞書のパンフレットを見るのが父さんのこの頃の日課となっている。どうせ買うんなら1円でも安いほうがいい。価格ドットコムの最安値が今日29日現在で38,769円。しかし悲しい哉、現金の持ち合わせがないので支払いにクレジットカードを選択すると調整費用?とかで余分に5%取られて40,707円になってしまう。これならアマゾンの39,616円で購入したほうが安くなる。幸いにもgooブログアドバンスにはアフェリエイト機能があるので自分で試してみようと下にリンクを貼ってみた。投稿後にこのリンクから入ってアマゾンで購入するつもり。

CASIO Ex-word 電子辞書 XD-GP6900 多コンテンツ 大画面液晶モデル メインパネル 手書きパネル搭載 ネイティブ TTS音声対応

カシオ

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この機種の最大のウリは広辞苑(第6版)の代わりに国語辞典の最高峰と称する日本国語大辞典全三巻・精選版/小学館を搭載していることだ。この辞典は通常価格が各巻共15,750円、三巻揃えれば47,250円にもなる。この1コンテンツだけで既に電子辞書本体の価格を越えてしまう。加えて歴史好きなら日本歴史大事典全4巻/小学館の他、旺文社の日本史事典、世界史事典も入っていて興味をそそられる。電子辞書の良い点はかさばらず利便性が良いことと、購入後のコンテンツ追加にある。更にはスピーカー/イヤホーンから英会話のヒアリングも出来るので中高生の入学祝いに奮発すれば父さんの権威回復にもなるだろう・・・なお家電品の上手な買い方としては一つ前の機種を選ぶことが挙げられる~格段の値引きで性能は新機種と遜色ないからだ。

《追記》~3/1

昨日、投稿後にアマゾンで注文したら今朝9時にはもう届いてしまった。



量販店の売値相場が49,800円前後だから10,000円も安く入手できた訳だ。アマゾンから送られてきた明細は次のとおり。
・小計:37,730円
・配送料:331円
・購入合計:38,061円
・消費税:1,903円
---------
合計:39,964円
▲キャンペーン用ギフト券:441円
---------
ご注文合計金額:39,523円

※配送料は「お急ぎ便」を指定したので有料だったが本来1,500円以上の買い物で無料となる。また「キャンペーン用ギフト券」というのがどうも過去に商品リンクで得たアフェリエイトの手数料らしい。アフェリエイトで儲けることは難しいが、自分自身の買い物で上手に使えば僅かでもキャッシュバックが期待できるので利用しない手はない。なおアマゾンサイトも日々刻々、新品でも価格変動が上下するのでこまめにチェックしたい。

《追記その2》~3/3


電子辞書は届いたがケースがなかったので再度アマゾンから専用のセミハードケースを注文したところ「お急ぎ便」でもないのに今朝9時にはもう届いた。アマゾン恐るべし、その姿勢には大いに見習うべきものがある。

焼きたてパンの店コピンヌ(Copine)

2008年02月26日 04時37分25秒 | オンライン古書店
ホームページや日記の更新が滞っているとつい要らぬ心配をしてしまう。昨日、真心で焼き上げたふっくらパンが届いてビックリするやらうれしいやらー。


北近畿タンゴ鉄道の宮津線を丹後大宮駅で下車、歩いてすぐの処においしい焼きたてパンのお店ができた。名前は『ブランジュリ・エ・カフェ コピンヌ』。こだわりのパンを品定めしながら旨いコーヒーも淹れてくれる。コピンヌ(Copine)とは仏語で『(女性)友達』というそうだ。女性一人でも気軽に来店できるようなパンの店&カフェを目指している。

今日という一日を額に汗して一生懸命働く。
人生とは只その間断なき積み重ねでしかない。
春一番に乗って届いたパンでウチじゅう笑顔に包まれた。


《追記》~3/8
丹後大宮ブログ駅長3月2日の記事にお店の様子で出ています。

初めての発送ミスは2件連続で。

2008年01月14日 19時44分36秒 | オンライン古書店
人の上に吹く風、我が身に当たる・・・

とうとうやってしまった。一昨日、飯田市のUさんから注文と違う本が届いたとお電話を頂戴した。すると今朝は東京のSさんから函と中身が違うとお叱りの電話を貰う。オンライン古書店4年目にして初めての失態はなんと連日の発送ミス。「しっかりなさいっ」ふと天国に居るつばくろさんの声が耳に触れたような気がしたー。ほんとうにどうかしている、思わず両頬を平手で叩いた。

無言館への旅/戦没画学生巡礼記

2008年01月12日 18時20分55秒 | オンライン古書店


現代洋画家の重鎮、野見山暁治氏は戦時中、東京美術学校(現東京芸術大学)を繰り上げ卒業させられ学徒動員で満州牡丹江省へ出征した。ほどなく戦地で肋膜を患い昭和19年2月に復員したが、日本中が狂っていた遠い15年戦争のあの時代、若い命がまるで草でもむしり取られるかのように戦地へほうられ、同級生であった画学生の多くも絵筆を銃に持ち替えて戦場の露と消えた。戦後30年の節目に日本放送出版協会の企画で野見山さんは、生徒の代表のような形で全国に散らばる同級生の遺族を訪ねる旅に出る。それは昭和52年『祈りの画集』として出版されたが、級友が遺した画作を収集する旅は一時で終わるはずもなく、戦後50年を経て再開した。信濃デッサン館館主の窪島誠一郎氏は野見山さんの手伝いをしながら平成9年5月2日、信州上田市に「無言館」を開館させる。無言館には野見山さんと窪島さんが巡礼の旅で収集した戦没画学生の遺作が一同に展示してある。窪島さんは自らを戒めて言う~私は野見山先生たちが50年間沸かしてきたお湯で、インスタントラーメンみたいにたった3年間で美術館をつくろうとしている人間なのだと。そして無言館は野見山さんのような体験を持つ人たちが戦後50年間悶々と抱き続けてきた熱い希いであり、心の中に既に建てられていた美術館なのだと。1999年1月15日に聞いたNHKラジオ朝の談話室で窪島さんはとある礼状からこんな話を披露している~自閉症で3年間親と口を利かなかった24歳になる娘さんが手首を切って自殺を図り、退院したその足で母親に付き添われて無言館を訪れる、約2時間半ほど戦没画学生の遺作遺品と対面して回り、館を出て母親に開口一番、わたし明日から頑張ると言った・・・無言館は戦争・反戦・平和のためにあるだけではない、命のためにあるのだ、そして命という窓から戦争とか平和を見つめ直さなければいけないのではないかーと。

今年4年目を迎える寅の子文庫はまたコツコツと「15年戦争の本棚」に命の本を集めたい・・・暖かくなったらコテツやシュウも連れて無言館を訪ねてみたい。

《追記》1/13
「無言館」をブログで検索したら、忘れえぬ人々の昨日の投稿に耳寄りな情報が出ていた。無言館には新しく第二展示館とオリーブ読書館という施設が建設中らしい。


【遺された画集~戦没画学生を訪ねる旅/平凡社ライブラリー/2004年】こちらは野見山暁治氏の著書、巻頭31頁にわたり作品をカラーで紹介している。

オンライン古書店つばくろのこと

2008年01月09日 00時25分37秒 | オンライン古書店
以前、オンライン古書店つばくろの売場本棚に『中村久子自伝/こころの手足(普及版)春秋社』を見つけて購入したことがあった。納品書の日付は2005年11月19日まで遡る。[つばくろ]の本棚にはソーイング・手芸・福祉・出産など、家庭の主婦の目線に合わせた堅実な本が多かったように思う。今もブックオフの棚に『サマンサ』を見つけると、すぐに[つばくろ]を連想してしまう。

そんな[つばくろ]も私の[寅の子文庫]も、オンライン古書店ブームの波に乗り、時あたかも同じ2004年12月にサイトを立ち上げた。2004年12月16日[つばくろ]の、はてなダイアリーには『体温が3℃位上がった気がする!』と初めての注文に胸躍る心境を綴らせている。初めて相互リンクを御願いしたのも[つばくろ]なら[とらのこ日記]で初めてトラックバックを試したのも[つばくろ]の日記だった。

[つばくろ]からのメールは大抵、朝の4時・5時という早い時間帯に来た。2005年8月6日、海水浴の日の朝、出掛けに[つばくろ]の質問に回答するため、家族を車の中に待たせてヒンシュクを買ったことがあった。その頃の[つばくろ]は慣れないホームページビルダーを操りながら、お店をアマゾンから脱皮してマイサイト化を実現しようと格闘していた。日記も連日のように更新した。その甲斐あってか、9月27日にはとうとう自力で完全なマイサイト[オンライン古書店つばくろ]が誕生した。当時私は不注意から腰痛を病んでいたが、そんな折り、『通販生活』のドライバーズクッションが安くて良いからと薦めてくれたこともあった。その三日後の9月30日には[つばくろ]通算2件目となる相互リンクの依頼が舞い込み(1件目は私の寅の子文庫で、この時は多分オオミ堂さんではないか)、これで打率10割!と届いたメールには思わずこちらもバンザイ(どんどんお店が良くなってきているー)。10月4日、『オンライン古書店』で検索すると、どういう訳か[つばくろ]が第1位に出ていた。すぐにメールを打てば、売れすぎて品薄になったらどうしようと真顔?で返事をくれたのがなんとも可笑しかった(大丈夫、そんなにすぐには売れないからー)、しかし12月16日、苦労して作ったマイサイトを放り出して現行のカラーミーショッププロへ移行したときには正直驚いた。

[つばくろ]から最後にメールが届いたのは2007年4月16日なので、もう8ヶ月も連絡を取っていなかったことになる。それは[寅の子文庫]へ来た買い取り依頼メールの差出人住所が偶然にも[つばくろ]と同じ町内だったので、近いほうが何かと便利だし、そちらを紹介したから~というメールに対する返事で、まだ古書買い取り業務のページは作っていないからすぐにでも取り掛からなければ、という内容だった。その後[つばくろ]の日記は翌5月を最後に更新が止まる。お店も周期的に開店と閉店を繰り返すようになり、いつしか休止状態から元には戻らなくなった。今思えば、何故この時期に連絡を取らなかったのか悔まれてならない。2008年が明けて遅い年賀状に、本年も良い年にしていこう!と投函した翌6日[つばくろ]のオフラインの友人から訃報が入った。

昨日・今日と心にポッカリ穴があいて、まだ塞がらないでいる。この3年間ほんとうに楽しくお付き合いをさせて頂いた。ユーモアたっぷりの日記には幾度励まされたことか。憧れのオンライン古書店を夢見てお店の体裁も整い、さあこれからというときに何故そんなに急いで逝ってしまったのか。こうしてキーボードを叩きながらも涙が溢れて止まらないー・・・・もうネット上には[オンライン古書店つばくろ]は存在しない。店主の日記を綴った[はてなダイアリー]も[FC2ブログ]も休止中で見ることはできない。何もかもきれいに整理整頓して旅立ってしまった。しかし[とらのこ日記]にはコメントという[つばくろ]の足跡が随所に残っているではないか。この日記を閉鎖しない限り今後も[つばくろ]は生き続ける。

[寅の子文庫]の「オンライン古書店リンク集」は今日から「当世オンライン古書店事情」と名前を変えた。リンクは切れても先々までずうっと、本人の労苦と一所懸命に生きてきた証しを顕彰する為に。

どうか今は安らかに
そしてまた人間に生まれ来て
今度こそ古本屋をやろう!

さようなら、オンライン古書店つばくろ

2007年1月9日
46回目の誕生の日に
古本寅の子文庫店主


《追記》 1/26
今日、郵便ポストにつばくろさんのご家族より寒中見舞いが届いていました。
謹んで故人のご冥福をお祈り申し上げます。