「大学ラグビー考」

関東大学ラグビーリーグ戦大東大を中心に、気の向くまま書いて見ます。ときには陸上にもふれます。H.Nakamoto

ラグビーの将来

2021-05-04 12:11:42 | 大学ラグビー

    日本ラグビーの将来が心配です

 

 最近ニュースで知ったのですが、TLのコカ・コーラ―のラグビー部が、今年度限りで、活動を終了すると、要は「廃部」にすることなんですね。また、サニックスも規模縮小を発表しています。つぎはどこか、チームの屋台骨の現状を考えたとき、ある程度想像できます。

 これもコロナ禍の一つと言えばそれまでなんでしょうが、どこも内々では考えていることかも知れませんね。

 テレビドラマにもなりましたが、池井戸潤の小説『ノーサイドゲーム』にも書いてありましたが、社会人チームの年間維持費、選手40~45人を有するトップリーグのチームを維持するには14億円から16億円位は必要だ、ということです。

 外国のトップ・プレーヤーの枠が広がった昨今では、大きなところでは人件費だけで10億円位は投じているようですから、企業にしてみますと、優秀な若手社員を100人くらい雇えるほどの大金です。財務担当者としては頭の痛いところでしょう。

 社会人チームとは言え、日本協会抜きに有料ゲームを組むことは出来ないようですから、チームとしての収入はゼロです。TVで放映しましても、放映権は日本ラグビー協会がもっていて、チームの収入にはなりません。

 昔から、入場料にしろ、放映権にしろ、大学選手権でも日本選手権でも、また通常の試合であろうとも、チームや選手にではなく、協会の収入になるのです。小生には、この問題で嫌な思い出があります。大学の財務がラグビー部には相当な分配金がある筈だ、と監督に言ったことがあります。とんでもないことです。

 最近、TLの試合の放映権は、一括スカパーに売ってしまっているようです。試合を観たければ、視聴者はスカパーと契約して料金を払わなければ見られないようになっています。チケット代も放映権もチームを支えている企業には支払われません。その上、各企業には、年間いくらという協賛金を求められています。大学も仕組みとしては同じです。

 ぜひ、池井戸 潤の『ノーサイドゲーム』を呼んでください。

 大学の場合も仕組みは同じです。協会に所属しゲームをさせてもらっているようなものなのです。日本のラグビーが本当に強くなるには、思い切った改革が必要でしょう。目に見えるところだけ、いじってみても駄目です。

 企業の幹部に三度の飯よりラグビーが好きな人々がいたから、ここまで来たんです。これからはそうはいかなくなるでしょう。

 観客数に、協会の首脳は、青息吐息でしょう。2019年の観客動員数ベスト10、12月2日の早明戦の32,132人がトップ、2番が東海~早稲田の20,538人、TLはサントリー対パナソニックの12,556人で4位でした。大東大が最初の大学日本一のときは、国立に5万人近い観客が入ったようです。

 若い人たちが、安心してラグビーが出来るように、清宮さんが言う本格的なプロ化にせよ、見える形で改革を急いで欲しいと願うだけです。