天理強し、王者・帝京も倒す
三が日、準々決勝の天理大戦をオンデマンドで何度も見てみたのですが、天理の選手たちの体のつくりというか、筋肉のつき方が大東の選手とは大分違っていたように思いました。
相当高度な筋肉トレーニングをしているんですかね。それにどの選手も生き生きとした、しかも、つやのある肌をしており、「ゴムまり」のようで、弾力性が見て取れるんです。
ですから、大東のあの鋭いタックルを、2回、3回と弾むように、体をひねっては外し、ひねっては外しするボディ・コントロールは、まるで「ゴムまり」のように弾力的で、憎らしいほど倒れないんですね。びっくりしました。
前半に取られた二つ目のトライは、その典型だったように思います。7分過ぎでしたが、キックの応酬から天理の8番マキシが抱え込んだボールを天理の9番藤原が出し、10番松永に振ると、松永は俊足を飛ばしながら、カヴァーしていた13番フィフィタに振り、ボールはすぐ後ろ、ブラインドを走り込んで来た14番久保に渡りました。
久保は、一目散に大東陣に駆け込みますが、鋭い出足の大東の南、大矢、そして朝倉らのタックルに堪らず、倒れましたが素早く起き上がり、大東のゴールライン右隅に飛び込んでトライ、この久保のトライが序盤から、天理を勢いづかせてしまった原因だろうと思います。
青柳監督が「勢いのあるラグビーを前半からやりたかったが、最初立て続けに点を取られて天理大学さんの勢いになってしまったのは誤算だった」、と言われていますが、まさにその通りだったと思います。
ビッグゲームであればあるほど、許されない誤算に出ばなを挫かれたのがこの試合の敗因でした。それでも、後半15番鈴木選手の二つのトライで5点差に迫ったのは、今季の大東大の地力によるもだと思います。
大東大を30—17で下した天理大、準決勝では、10連覇を目前の大学王者帝京大を29—7と大差で下し、大番狂わせを演じました。驚きました。「天理強し」の一言に尽きます。
点差こそ12点と開きましたが、天理の4トライに対して、3トライと健闘した大東にも拍手を送ります。