智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

毒魚と歯医者さん

2013年08月01日 | 釣り吉さん
初島で、人生はじめて釣った魚が毒魚だったことから、

釣りは侮れず、奥深い、と思い至りました。


当たり前のことですが、陸にも毒虫や爬虫類が居る訳で、

昆虫にも、いかにも「毒あり」派手なのや、「見掛け倒し」で無害のやら、

造園・植木業が生業ですから、多少は知識があり、子供達に教えてきました。

海の世界も同様で、「危険」を察知できるように、予備知識を入れるべき、と思いました。



そこで、私がお世話になっている歯医者さん、高見山関似の風貌で、私は「兄貴」と慕っていますが、

その先生は釣りが趣味で、さらに狩猟ライフルも趣味で、テントで飯盒炊飯もこなす、アウトドアな方でして、

先日も、私の歯の治療の合間に、潮干狩りの楽しみ方、導入編を教わりました。


今回は、甥の虫歯を直すべく通院することを機に、釣り入門を教わることにしました。

夏休み初日、甥っ子を連れていきました。


恐れていた通り、甥っ子は泣き叫び、両手で口をふさぎ、治療できません。

「痛いよう」と叫ぶのですが、先生は「痛いはずはない、麻酔が効いている」

私も「先生は、釣りの先生でもあるから、先生の言うこと聞かないと、釣りのお話してもらえないよ」等など、

なだめすかして、冷や汗かき、なんとか終わらせました。

翌日、甥に尋ねると「痛くなかった」「怖かった」「注射したの?」など答えるではないか・・・



さて、歯医者通院、2日目。


表面麻酔のあと、注射による麻酔が効くまで、先生と談義をはじめる。

私  「先生に主人の歯を全部治していただいたおかげで、主人、男前になりました。

前は前歯に金を被せて、獅子舞みたいで(一同笑う)、白い歯になって、数段男前になれました」

先生 「昔は、あれが簡単だから、あんな治療をしたんだよな、今は誰もやらないよ」

私  「ところで先生、毒魚怖いから、釣り入門の本を買って読もうと思うんです」

先生が、近所のスカイツリーの傍に流れる川で、川釣りする話を聞かせてくれた。

その間、甥っ子は聞き耳を立てて、集中して聞いている様子。


5分たち、先生が道具を手にして「ガー」「キー」「ジュー」など音が始まると、

甥っ子 「痛くしないでね!」と叫びつつ、口をわなわな震わせ、頭を振る。

先生  「ここで治療しなくてもいいよ。大学病院では、紐でグルグル縛られて、動けなくして治療する。どっちか選べ。」

と甥っ子に迫った後、席を離れてしまった。

さすが下町、江戸っ子らしく、男らしい啖呵の切り方、お見事、と内心感心しつつ、

私も「先生にお願いするか、大学病院で縛られてやるか、選びなさい」と黙って待った。


しーんと、待つこと1分。

甥っ子、先生に振り返り「お願いします」

先生「よーし!よく言った!」「よしやるぞ!」


しかし、いざ始めると、口を閉じ始めたり、定まらないので、

私 「ひろちゃん、歯の治療全部終えたら、釣り道具一式(先生の会話に出ていた子供用)、お誕生プレゼントに買ってあげる」

甥っ子 「えっ!」口は大きくなり、目だけをキョロキョロさせ、優等生になってしまった。

あまりにもの変り様に、一同驚き。

私 「ひろちゃん、今日だけじゃないよ、全部、治療終えた後だからね!」とあわてて念を押しました。

更に 「ひろちゃん、今度、図書館で釣りの本を借りてきなさい。毒魚とか、気をつけるべきこと学んでおきなさい」

甥っ子 「うん」 深く頷きました。

はー・・・やれやれ・・・・。




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