智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

船に酔う

2013年11月19日 | 釣り吉さん
夫は月曜から土曜日まで働いて、日曜日のAM1:30に自宅を出発、

AM4時に銚子から乗船。AM6:15、私の携帯にモーニング・コールがかかる。

日曜日、夫はヒラメ釣り、私は甥っ子の七五三・・・

それで、前日に夫に、モーニングコールを、お願いしたのでした。

夫に感謝を伝えるものの、何か、夫の声が鼻づまりで、変だったので、

「どうしたの?」ときくと、

弱弱しい声で、力なく途切れがちに答える。要約すると

「船酔いで、釣りどころじゃない。酔い止めの薬を落してしまった。冷や汗と寒気で、船室で横になっている」


わーーーーーかわいそうに・・・・あんなに楽しみにしていたのに・・・


前日、土曜の晩は、よく眠れるようにと、

夫のリクエストで、ミルクたっぷり自家製ホワイト・シチューで満腹になって、

いつもより、かなり早く床についた。


私は7時半から「九州の豪華列車七つ星」の特集番組を独りで見ていたが、

夫が寝室からヌボーっと現れ、「眠れない・・・」と去っていく。

それでは、と夫のそばでTVを見始めたら、

ずずずずーーーっと 地が鳴り響いてきて、

私は「ここで寝ていたら、梁が落ちてくる~~!!!」地震にすっかり動揺してしまった。

それでも、九州の旅は進んで、「九州のローカル線の旅を、今度しようね!」

「うん」・・・・起きているし・・・・


引き続いて、世界不思議発見! 

こうなると、いつもの土曜日と変わらないパターン。

ナポレオンの初恋の相手がテーマ。

ナポレオンが年上の女性と恋に落ちて、失恋。

スエーデン王妃として長寿を全うし、

死の床の枕の下に、ナポレオンから送られた 若き日のラヴ・レターが・・・

「いや~、ナポレオンって、そんなにモテるのか~。秀吉と信長を足して二で割ったような人かな~」

「うん」・・・まだ、起きているし・・・・


「あきちゃん、私がそばにいても、眠れないようだから、退散するね」

「うん」


結局、一睡もせず出掛け、船に酔ってしまったようです。

自分の具合が悪いのに、妻の寝坊を案じて、電話を寄こす夫。

夫は、そんな律儀さ、優しさがある人です。

私のことを、そんな風に気に掛けてくれるのは、世の中で夫だけ。

じーーーーん・・・ときました。


七五三も終えて、会食も済み、夫に電話すると、だいぶ良くなったとのこと。

夜、無事帰宅した夫の話を聞きました。

同行者は、歯医者、保険屋、薬剤師。

皆さん、頭脳労働で肉体疲労は伴わず、一瞬の緩みが命を落す仕事、ではありません。

「あきちゃん、あきちゃんの仕事は、肉体が疲労するだけでなく、神経も、自分が思っている以上に、疲労していると思うよ。」

そう、木に登って枝を剪定することは、足を滑らせれば、命を失う危険を伴う。

長年の慣れで、本人は、肉体疲労だけを感じるようですが、

実は無意識の下で、かなり「気を張っている」ことも、疲労の大きな要因だと、改めて思いました。

「だから次は、連休日にする、とか、前泊する、とか、余裕もって楽しもうね」

「できれば東京圏じゃなくて、長崎の九十九島とかで、のんびり釣りができるといいね」

など、なぐさめました。


晩の夕食は、釣れたら寿司屋、釣れなかったら焼肉屋、の予定でしたが、

自宅で おでんの鍋をつつきました。

無事、元気でいてくれるだけで、幸せです。






太公望

2013年11月11日 | 釣り吉さん
紀元前11世紀、周の文王が 軍師として呂尚を迎える折、

「吾が太公が待ち望んだ人物」と喜んだ。彼は、後に斉の始祖になる。

その彼は大の釣り好き。

それで後世の人々は、釣り好きを「太公望」と言うようになったそうです・・



さて、我が家の、何の予定もない、普通の日曜日ですが、

私は、NHK杯のフィギュア・スケート、男女シングルを堪能し、

その間、夫君は「釣りの本」を読み込んでおりました。

なんせ、来週日曜日に、千葉銚子沖で「ヒラメ」を釣るので、「予習」に余念がない。

それでも、沢口康子似の美人アメリカ人選手が登場し、にわかに顔を上げ、

ロシアの14歳の逸材に感心し、浅田真央ちゃんの演技に見入っておりましたが。


お昼を食べ終わると、そわそわして、釣具屋の「上州屋」に行く、という。

私も、散歩するね、と同行しました。

「また後でね」と夫はお店に入り、私は住宅鑑賞のため、周辺をブラブラ歩きます。

30分ほど歩き回りましたが、夫から携帯の連絡が入りません。


私もお店に入り、夫の背後から、見つからないよう観察しました・・・

夫はブラブラ、所在なさげに、店内をグルグル見て回っています。

おかしくなって、「どうしたの」と声を掛けると、

「店員が急がしそうで、声掛けられないんだ・・・」とボソリ。

私が手すきの店員に声を掛け、夫に引き合わせると、

「ああ・・・このあいだの・・」と互いに見知った同士で話が進み、

ヒラメ釣り用の竿、最高値の商品を買い上げ、更に次々と足していく。


夫は、仕事の道具も、家電も、最高値を買う性分ですが、

道楽に大枚をはたくのを、妻に見られたくないらしく、

夫の買い物に、金魚の糞のごとく、後ろからくっついて回る妻を、

「うっとうしい」と追い払おうとします・・・・・


「いいのよ、私は洋服買ったり、語学の学校に今後通うし。気にしないから。」

語学は今のところ、TVでタダですが、

先日の「全部マズイ!」事件の後、高額の洋服を買いました・・・夫に内緒ですが

「いい趣味が見つかって よかったじゃない~」

「ゴルフより金が掛かる。百万は掛かるだろう。」

と横目使いで、妻の目を気にしています・・・


店員が、夫の買い上げた商品の梱包を準備しているときに、

「あの~、釣り番組とか見ると、いかに大きいの釣ったか、皆さん自慢していますが、

家族にしてみれば、大きなの持って帰られても、嬉しくないんじゃないか・・と思うんですけど・・・」


店員は大笑いして、

「はははは、男は釣ることだけ考えて、釣った後のこと、考えないものなんですよ~

それで、家族のヒンシュク買っていますね~ どこの家庭も一緒ですよ~」


やはり。

「あの~、万一、大物釣ったとき、皆さん、どうされているのですか~」

と兼ねてからの疑問を投げると

「たいてい、知り合いの魚屋さんに、さばいてもらっていますね」

拙宅は、近所に魚屋もなく知己を得ず、「すし勘」に頼むのが上策であろう・・・

「あの~、偶然にも、ボックスにも入らないような大物は、どうするのでしょう?」

「船主に、代金払えば、その場で捌いてくれるよ。半身を船主に上げて、タダでやってくれる場合もある。
船主は、地元の小料理屋などに卸すんだ。」


なるほど。

最後に「魚の捌き方」の本を選んで、夫に買わせました。

夫が釣りに行くたびに、寿司屋に行ける!!!

夫の釣り~~~私も楽しみになりました~~~



そして、夜。

夫君は、和室の座卓の上に座り、買ったばかりの釣竿で、畳を海に見立てて、

竿をしならせて、ニヤニヤ悦に入っています・・・・

私は、ヒラメの役を 仰せつかり、竿の先に食らいつく真似をします。

釣りバカな夫婦でした・・・・




「全部マズイのか?」-第三ラウンドー

2013年10月27日 | 釣り吉さん
翌々日の夕食・・・・第3ラウンド・・・・

漆盆の上、5品の料理に、夫の箸が1周したのを見届け、

一つ一つ、味付けの感想を求めた。

夫 「・・・・おいしい」

私 「全部、おいしいのね!」

夫 「・・・・ひとつひとつ言うの メンドーくさい 」


私 「面子潰されて、私には、それでは、済みません。」

  「おいしいもの、食べたいなら、ひとつひとつ感想を言ってください。

  次回の改善につながりますから。陰で非難するの、止めてください。」


夫、黙る・・・・


私 「今度のお正月、K子お姉さん夫婦が見えたら、出前にして下さい。

   私がこれまで出した手料理、不味かったか、ご夫婦に 私は伺います。」

  「講習会の昼食も、私、作りませんから、ご自分で手配してください。」


夫 「・・・わかった・・・」


私 「そういえば、ファーストフードみたいな、味の濃いものを食べると、

   味覚がバカになる、って、あなた、言っていたわね?」

  「ファミレスや、コンビニ弁当が美味しく感じる人(夫)の舌が、正しいのか?

   寿司屋の亭主に、今度、是非聞きたいわね 」


夫は、私の味覚や、アレコレ根こそぎ、ボロクソ言っていた、その仕返し。

   

私 「Fさん(夫の友人)も、何回言っても、私を九州出身だと、思い込んでいるし、

   修正が効かない人よね」

  「料理もね、さんざんウチに泊まって、私の手料理を食べて、おかわりして、

  「おいしいからって、買ってきたもの」だなんて、よく人前で言えるわよねぇ」


夫 「アイツは、バカだから・・・・」


私 「大学時代の親友でしょ? 類は友を呼ぶでしょ? 似ているんじゃない?」


リベンジ終了。

結婚して7年、ようやく 強くなれました。

「全部マズイのか?」-妻のリベンジ-

2013年10月26日 | 釣り吉さん
翌日の夕食の仕度で、

私は、夫のを分けて、「塩、醤油、砂糖」をドバドバ入れて、味付けを濃くした。


夫は、いつも通り「いただきます」の 一言も言わずに食べ始めた。

私 「味付けは どう?」

夫 「うん、大丈夫」

私 「全部、マズイの?」

夫 「・・・・おいしい」とぼそり。



私 「良かった。それ、塩たっぷり入れてるの。」

  「私のは、別よ。 同じの食べると、パンパンに浮腫んで、身体に悪いから 」

  「K子お姉さん、高脂血症高血圧で、お料理は薄味って、評価してるわねぇ」

  「身内には、薄味って前向きに評価して、妻には、ボロクソ皆に吹聴して・・・」

  「あなたも高脂高血圧だけど、もう、健康気遣って料理するの、やめたわ」

  「タバコ辞められないし、将来医者に食生活注意されても、私のせいにしないで」


と、冷ややかに、イヤミの毒気を吐いている間、夫は無言・・・・


夫 「あっつ、そうだ、オマエのお父さんが遺した、ヘネシー・ナポレオン、

   封を開けようかなぁ・・・」


私 「ちょっとまって、天国にいる父も、娘の私の手料理を、ボロクソけなす人に、

   飲んで欲しいとは、思わないわ。」とグサリ。


夫、ギクッとした表情を見せる・・・・

私 「飲むんなら、これから、口に合わないときは、「全部」ではなく、

  「この料理」の塩加減が足りない、とか具体的に言って。」


夫 「うっ、うっ・・・・飲むの止めよう・・・」

第二ラウンド終了。

「全部マズイ」のか?

2013年10月25日 | 釣り吉さん
お夕飯をいただいていると、

夫が 「全部 マズイ」と怒りをこめて言った


私、「えっ?」絶句しつつ「どういうこと?」と聞くと?

夫が 「全部だ・・・ 」「もういい・・・」「出て行け・・・・」

1年ぶりに聞くが、いつもの全否定のパターンが始まる。



普通の妻は、家族の喜ぶ顔を見たくて、日々料理の腕を振るいます。

これを「全否定」されると、妻としての価値も「全否定された」気持ちになり、

心底傷つきます。


私、「お正月、K子姉さん夫婦は、おいしいって、いつもお代わりするじゃない?」


夫 「遠慮して、まずい、っていえないからだ」


私 「まずかったら、おかわりしないよ」

  「木登り講習会の時、なんで8人分の昼食を、私に用意させるのよ?」

  「私の料理が、全部マズイなら、あなたの「恥さらし」になるじゃない?」


夫 「もういい、頼まない」



今回は、徹底抗戦することを、瞬時に決めて・・・

私 「住林のキッチンの打ち合わせで、大勢がいる前で、

  「たいした料理を作らないくせに」って言ったでしょ。」

  「大勢の他人の前で、公然と侮辱するのは、ひどいじゃない」


とこれまで、貯めていた「恨み」を、出すことにしました。

夫 「他人の前なら、言っても、それで、終わりじゃないか」


私 「住林とは、3年も顔を合わせて、恥をかかされたまま、名誉挽回のチャンスもない、
  「まずい料理を平気で出す女」と評価を下されたままよ」

  「友人のFさんにも、妻の料理はマズイ、って吹聴したでしょう!」


夫 「言ったかもしれない・・・・・」


私 「寿司屋で、私の卵焼きを、あなたが「おいしい」って珍しく誉めたら、

  Fさん「おいしいから、買ってきたものだ、と思っていた」って言ったじゃない!

  あなたが、まずい料理を作る妻、という先入観を与えるからよ!」


夫 「もういい、作らなくていい、離婚だ!」と部屋を退出。


第一ラウンド終了。  私は怒り心頭に達して、眠れなかった・・・・

ちゃぶ台返し(改変)

2013年10月24日 | 釣り吉さん
巨人の星の、主人公の父親は、怒ると「ちゃぶ台返し」をする・・・

夫の友人、Sさんの父親も、まさに「ちゃぶ台をひっくり返していた」そうで、

父親を反面教師としたSさん、実に温厚で、大学でも優等で、紳士です。

Sさんの家業は造園業で、夫の家業は植木業ですが、

今回は、職人気質(かたぎ)について、取り上げます。



職人は、何らかのものを 繰り返し 同じ品質で 作り出す人、と定義つけてみます。

職人に向く気質は、単調さに耐える辛抱強さ、妥協を許さない頑固な性格。

つまり、10点中1点でもケチがつくと、欠陥品として全部を壊すのが、職人。

機械による工業生産品なら、1点傷物も「商人」が「アウトレット」として売りさばきますが、

職人なら、プライドをかけて、世に出さないものです。

まあ、一言でいえば、「気難しい」頑固オヤジ。



夫は、自らも厳しく律しますが、身内の妻にも、完璧を要求してきます。

従業員という他人には、辞められては困るので、多少加減はしているようですが。

人間は誰でも「アウトレット」 完璧なひとはいないのに、

1欠点から、一挙に全部否定に走る思考は、相手の逃げ場を与えず、

反感を超えて「恨み」を買います。

前妻は、裁判で仕返し、現妻は、ブログでつぶやく・・・というところでしょう。

地主に嫁ぐ、婿入りする、ということ(改変)

2013年10月23日 | 釣り吉さん
私は、サラリーマンの家庭で育ち、

現夫は地主であり、自営業者でもあり、親の代は農家でした。

私は生活を共にして以来、カルチャー・ショックの連続でした・・・・



この地は、元農家、転じて造園業・植木生産卸業という家が、ゴロゴロしている。

周囲のお宅を見回して、夫と同世代(50ー60歳前後)の男性は、母親と同居の独身。

嫁がいない。

結婚できない原因、もしくは、嫁が逃げる原因は、

嫁という他人と「分かち合う」意識が、地主の男性と姑に薄いこと、と推察します。



その世代の男性の親は、大正か、昭和ヒトケタ世代。

昔の伝統的な家族観を有し、息子が結婚したら、親と同居は当然。

農家は長子相続が基本で、残りの子供は「余計な食い扶持」。

兄弟姉妹が平等に扱われることはなく、低い扱いを受けた子に、禍根を遺します。


父親が世を去ると、母親が跡継ぎ以外の弟姉妹に、遺産放棄をさせます。

「分ける」ことは先細り、生計が成り立ちません。

「長男が農業を継いでくれるなら・・」と、他の姉妹も、母の前では黙認しますが、

長男が農業を捨て、「働かなくても金が入る」不動産経営や、切売りを始めると、

その収入を姉妹に分配しない限り、「話が違う」と、兄弟姉妹との関係は険悪になり、縁が切れるケースが多いです。



このように農家は、血を分けた子供でも差を設けて当然で、

まして、他人である嫁に対しては、どこまでも冷たく「嫁の分際」。

子供を産んでも、「嫁は他人」。

嫁が堂々と「根が張れる」時は、舅姑が去り、夫も去り未亡人となって、息子と二人になったとき。

それまで虐げられた分だけ、息子との距離が近く、親子というより「年上の女房」。


こちらで知り合った、地主のお嫁さん、夫や姑に遠慮して、多くを語りません。

ストレスの多い人生だろうと、推察されます。


普通のサラリーマン家庭では、

妻が専業主婦で、夫名義で購入した家であっても、夫婦共有財産という意識が根底にあり、

夫婦喧嘩したくらいで、「出て行けー」との発想は出にくいでしょう。

前夫とはマンションを共同購入しましたが、「出て行け」と互いに言ったことはないです。

地主の家では、身代が傾いて、嫁(もしくは婿)がこれを救いでもしない限り、

土地・家屋は、どこまでも直系血族のもの。



夫は気に食わないと「出て行け!」「いつ離婚してもいい!」といいます。

むろん、この瞬間沸騰湯沸し的性格は、夫の個人的なものですが。

元農家・地主に嫁いだ方たちの 愚痴話を聞いていると、多かれ少なかれ、

根底に、地主根性、つまり、血を分けた身内とも「分かち合わない」排他性が、

他人である嫁に、「冷たい仕打ち」となって現われている。



土地の価値が異常に高い、この日本にあって、

都市近郊の土地を「持つもの」と「持たざるもの」の落差は大きく、努力による逆転は困難。

生まれながら「持つ」ことで、最初から経済的に絶対的に有利に立ち、

「持たざる人」妻・ムコに対して、無意識に、傲慢に振舞う。

「悪い人」ではないけど、「どこか冷たい人達」。



長男に嫁が来ないので、最終的に、その土地資産は、姉妹の子供に渡り、

その子たちは、農業や植木生産業など家業を継ぐ気は毛頭無く、売却して終わり。

働かずして得た金は、すぐ消える・・・

「末広がり」ならぬ「末萎み」。

心を、愛をかけなかった、因果応報・・・でしょう

釣りバカ 茅ヶ崎で海釣り

2013年10月16日 | 釣り吉さん
我が家の「釣りバカ」さん

先の日曜日、早朝3時に家を出発して、茅ヶ崎へ海釣りへ行きました。

船元は、「沖右ヱ門丸」で、鯛を狙う!とのこと。

「おう、朝も早いし、おまえ、実家に泊まってきたら・・・」など、

自分ひとりで遊びにいくバツの悪さからか、こんなときに「実家」を持ち出す、変な人でもある。


それで私、土曜から月曜まで、実家の甥っ子を相手に遊んで、月曜昼過ぎに戻ると、

なんだか家中が静かで、居るのか居ないのか、分からない気配・・・・

事務所を見ると、片づけする「釣りバカ」さんの姿が。

声を掛けると、おおびっくり、の様子。


ムスッとしているので 「何が釣れたの?」 と尋ねると、

夫、うつむき 「何にも、釣れなかった」

私、拍子抜け 「えっっ!!!6時間も舟に乗って、何にも???」

夫、口を尖がらせ「小さいアジ3匹。先生にアジあげた。ウチはアジはいらないからって」

私、内心、よく分かっているじゃない・・「他は?」

夫、そっぽを向きながら「手のひらより小さいカワハギ。小さいから海に戻した・・・」

私、少し可愛そうになって「先生は、釣れていたの?」

夫 「先生もあんまり・・・それで、次は千葉で、ヒラメを釣ることになった」目が光る

私 「はあ・・・」

  「それにしても、6時間も、釣れないと 眠くならないの?」

夫 「いろいろ、やることがあって、忙しい」

聞くところによると、食い逃げされたり、隣人の釣り糸に絡んだり、「いろいろ」忙しいらしい。

私 「なんだ、夕食のオカズ、魚があると思って、何も買って帰ってこなかったよ」

とまあ、冷蔵庫の中身でオカズを工面し、更に、ネットで釣りのサイトも紹介すると、

夫は サイトに食らいついて、見入っていました。


私も、夫の背中から サイトを拝見しましたが、

釣りの「聖人」は、「幻の」希少の魚の、過去の他人の実績より「大きさ」を求め、

釣った魚の、その後には 触れていません。

そんな「巨大魚」を釣って、魚市場に売れるのか?

裁いて、近所や親戚に配っても、余りある量、どうするのか?

どんな味なのか?一切、触れていません。

男の狩猟本能を満たすために、その魚の命は粗末に扱われてはいないか・・・?


次回、千葉へ向かう夫には、「命を粗末にしないで」と伝えるつもりです。

釣りバカ 海釣りデビュー

2013年10月13日 | 釣り吉さん
9月の終わりの日曜日、夫は「釣りの師匠」と共に、東京湾へ出掛けた。

私は、「男同士、楽しんでいらっしゃ~い」と見送った。


朝4時起床、8時には海の上で釣り糸を垂らし、

釣れるわ、釣れるわ、マアジの子供達・・・・

夕方4時にオカに上がり、大漁に意気揚々と携帯に連絡が入り、

6時に、師匠宅でアジの裁き方の数々を、私も参加して教わり、

夜7時から、自宅の台所で、夫が裁き、私が唐揚して、南蛮漬けを作り始めた。

途中、刺身をつまみ食いをした当たりまでは、良かった・・・・


8時小休憩をかねて、ご飯と揚げたてアジをいただくが、夫は食さず作業を続ける。

9時半には、立ち尽くめの私は、腰痛が我慢できなくなり、ギブアップ宣言。

夫の顔は険しくなり・・・・

夫は10時過ぎに、ようやく100匹超の小あじを裁き終えた。


私、「こんなに沢山、いったいどうするの?南蛮漬けも限界だよ」

夫、ブチギレタ様子で「なら、捨てればいい!!!」

私、「命を奪っておいて、捨てるなんてありえない。冷凍保存だよ!!!」

とジッパー袋に入れさせ、冷凍保存した。


タバコを吸った夫が、アジは食さず、カップラーメンを食べたい、と言う。

私、「先生は6人家族だから、100匹釣っても、食べる人がいるからいいよ!」

  「私達、二人なのに、こんなに大量に持って返ってどうするの?」

  「近所に配ったり、従業員に配ったりするわけ?」

夫 「皆、欲しくないよ・・・・」

  「釣りが趣味になれるかも・・・と思ったのに・・・」としおらしくなったので、

私 「次回も行けばいいよ。釣る量を考えて、楽しんで」と提案すると、

夫 「釣り始めると、夢中になって、止められない」

私 「先生と競っているんでしょ」 とズバリ指摘すると、

夫 「うん・・・」

私 「持って帰ったら、それが無くなるまで、夕食で食べ続けてね」

  「次回は、先生みたいに、独りで裁いて頂戴。私は、煮たり焼いたりはするけど。

   先生の奥さんも、大量に持ち帰られて、うんざりして手伝わなくなったのよ。」


3日3晩、アジの南蛮漬けを、夕食の一品に出し続けた。

もちろん、肉料理も添えてはいるが、飽きるのは、いたし方が無い。

4日目雨の日、従業員が事務所で作業しているので、おやつに南蛮漬けを出してみた。

皆、「おいしい」と鍋は空になり、冷凍アジを自宅に持って帰ってくれた。

さて、皆が食している間、先日の7時から10時まで裁き続けた話をすると、

夫が「オマエは休憩して、夕食を食べたじゃないか!」とイヤミを従業員の前で言う

私は「アキヒコさんは、釣りで楽しんで来て、私は、後始末を手伝ったのに、

  休んだ位で、イヤミを言うの? あのとき、アナタ逆切れしたでしょ?」

と、公開の場で反論したら、ぐうの音も出ない。


その後、夕食のとき、逆切れのいいわけに

夫は 「オレが釣りに行ったのは、お前がアジが好きだって言うから・・・」

私は 「私はアジが好きだけど、食べられるのはせいぜい、二人で10匹が限度。」

   「それ以上は、あきちゃんの 道楽でしかないでしょ」

   「今は、アジを見るのも、魚を見るのも、うんざり。」

   「次回は、持って帰る量を考えて。私は、一切手伝わないから」

   「部屋中、血生臭くなるから、事務所の流しで裁いて。台所は使わないで」

と念には念を押しておいた・・・・


そして、今日 茅ヶ崎から ~~~ 舟は出る~~~~

~~~ 夜 ~~~ どうなることやら ~~~~

釣りに 嵌るかも

2013年09月01日 | 釣り吉さん
この間の日曜に、釣りの先生から 初心者入門をレクチャーしていただいた。

先生は、スカイツリーのそばで開業する歯医者さん。

生徒は、私と夫に、姉と甥っ子二人。

場所は、スカイツリーのそばを流れる川を、東へ行ったところ。

この界隈は、川に海の潮が流れ込み、様々な魚がいるそうです。


椅子やベンチにシートを敷いて、冷えた飲み物におやつ、ピクニックですね。

はぜが次々釣れました。

餌のつけ方で、食い逃げされたり、しっかりと引っ張ってくれたり、

西田敏行さんの「釣りバカ」映画は 笑って見ていましたが、

釣りキチの気持ちは分かりませんでした。


これは、やってみると「ハマル」類のものですね。

夫も興味を示し、先生は夫に「あじ」が沢山釣れるよ、と海釣りを誘っていました。

先生は私に「今度、旦那さん貸して、あじ沢山持って帰るから」

私は「あじ」が大好物。「裁き方も、主人に教えてください」とお願いしました。


お昼は 向島の「流れる蕎麦屋」で、

蕎麦が船に乗って流れて給仕されるのを、子供達は夢中で眺め楽しみました。


毒魚と歯医者さん

2013年08月01日 | 釣り吉さん
初島で、人生はじめて釣った魚が毒魚だったことから、

釣りは侮れず、奥深い、と思い至りました。


当たり前のことですが、陸にも毒虫や爬虫類が居る訳で、

昆虫にも、いかにも「毒あり」派手なのや、「見掛け倒し」で無害のやら、

造園・植木業が生業ですから、多少は知識があり、子供達に教えてきました。

海の世界も同様で、「危険」を察知できるように、予備知識を入れるべき、と思いました。



そこで、私がお世話になっている歯医者さん、高見山関似の風貌で、私は「兄貴」と慕っていますが、

その先生は釣りが趣味で、さらに狩猟ライフルも趣味で、テントで飯盒炊飯もこなす、アウトドアな方でして、

先日も、私の歯の治療の合間に、潮干狩りの楽しみ方、導入編を教わりました。


今回は、甥の虫歯を直すべく通院することを機に、釣り入門を教わることにしました。

夏休み初日、甥っ子を連れていきました。


恐れていた通り、甥っ子は泣き叫び、両手で口をふさぎ、治療できません。

「痛いよう」と叫ぶのですが、先生は「痛いはずはない、麻酔が効いている」

私も「先生は、釣りの先生でもあるから、先生の言うこと聞かないと、釣りのお話してもらえないよ」等など、

なだめすかして、冷や汗かき、なんとか終わらせました。

翌日、甥に尋ねると「痛くなかった」「怖かった」「注射したの?」など答えるではないか・・・



さて、歯医者通院、2日目。


表面麻酔のあと、注射による麻酔が効くまで、先生と談義をはじめる。

私  「先生に主人の歯を全部治していただいたおかげで、主人、男前になりました。

前は前歯に金を被せて、獅子舞みたいで(一同笑う)、白い歯になって、数段男前になれました」

先生 「昔は、あれが簡単だから、あんな治療をしたんだよな、今は誰もやらないよ」

私  「ところで先生、毒魚怖いから、釣り入門の本を買って読もうと思うんです」

先生が、近所のスカイツリーの傍に流れる川で、川釣りする話を聞かせてくれた。

その間、甥っ子は聞き耳を立てて、集中して聞いている様子。


5分たち、先生が道具を手にして「ガー」「キー」「ジュー」など音が始まると、

甥っ子 「痛くしないでね!」と叫びつつ、口をわなわな震わせ、頭を振る。

先生  「ここで治療しなくてもいいよ。大学病院では、紐でグルグル縛られて、動けなくして治療する。どっちか選べ。」

と甥っ子に迫った後、席を離れてしまった。

さすが下町、江戸っ子らしく、男らしい啖呵の切り方、お見事、と内心感心しつつ、

私も「先生にお願いするか、大学病院で縛られてやるか、選びなさい」と黙って待った。


しーんと、待つこと1分。

甥っ子、先生に振り返り「お願いします」

先生「よーし!よく言った!」「よしやるぞ!」


しかし、いざ始めると、口を閉じ始めたり、定まらないので、

私 「ひろちゃん、歯の治療全部終えたら、釣り道具一式(先生の会話に出ていた子供用)、お誕生プレゼントに買ってあげる」

甥っ子 「えっ!」口は大きくなり、目だけをキョロキョロさせ、優等生になってしまった。

あまりにもの変り様に、一同驚き。

私 「ひろちゃん、今日だけじゃないよ、全部、治療終えた後だからね!」とあわてて念を押しました。

更に 「ひろちゃん、今度、図書館で釣りの本を借りてきなさい。毒魚とか、気をつけるべきこと学んでおきなさい」

甥っ子 「うん」 深く頷きました。

はー・・・やれやれ・・・・。