能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

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お金は「歴史」で儲けなさい 市場の法則を見極める!インフレ時代に前に知っておくべきこと 加谷珪一著

2020年01月01日 | 本と雑誌
冬休みに突入し、積読になっていた本の消化ウィークに突入。
至福の読書です。
そんな中、面白い本に出会いました。


お金は「歴史」で儲けなさい
加谷珪一著  朝日文庫刊  700円+税

歴史研究を切り口に株を中心に語られた同書。
そういえば、米国の投資家ジョージ・ソロスやジム・ロジャースも英国の大学院で哲学や歴史を研究していたということを読んだことがあります。
人間という生物は、同じことを繰り返すという特性、普遍性を持っている以上、歴史研究は株の世界でも有効だと思います。
ただ、8割の人が失敗するという株の世界。

今では、フィンテックや高速コンピュータで瞬時の取引が成立するため、個人投資家は蚊帳の外・・・情報の非対称性は圧倒的不利な状況にあると言えます。

目次
第1章 100年単位で株価はこう動く
第2章 インフレ時代に前に知っておくべきこと
第3章 戦争と株価の不都合な真実
第4章 バブルは利用するもの
第5章 イノベーションで儲ける原則
第6章 金と石油、そして通貨をめぐる攻防
第7章 長期投資は安全に儲かるのか
第8章 未来を見据えた投資戦略

著者は、理系の経済評論家。
東北大原子核工学科を卒業し、日経BP社に入社、野村證券の投資ファンド運用会社に転身したハイブリッド人材です。
各章には、経済専門用語を解説するSTUDYコーナー、そして「まとめ」のコーナーがあり、時間のない人は、この「まとめ」だけ目を通しても気づきがあると思います。


赤線を引っ張ったところを一部紹介させていただきます。

・過去130年間で日本の株価は約8000倍になった・・・なんと利回り7%

・20年単位の長期トレンドを見極める

・投資で重要なのは、株価よりも時間

・経済は進歩しない。循環する

・バブルは単なる「お金の移動」

・バブルは実は「適正価格」である
 
・ビットコインは現代の金本位制

・今後の投資戦略を考える上で重要となる4項目
①日本の経常収支
②米国経済の動向
③インフレ期待
④日本の財政問題

著者の見立てでは、アベノミクスも停滞し、この国は、いずれは経常赤字国に転落、そしてインフレかスタグフレーションに陥る・・・。
近年、インフレを経験したことのない貯金大好きな日本人・・・大きな打撃を受けることになります。
その対策は、一人勝ちの米国企業への投資、あるいはソフトバンクや東レ、トヨタに投資すべきと理解しました。

2020年の五輪後の経済危機説もあります。
日本経済、これからどの方向に向かうのか?
歴史から再考していくことも大切だと思います。

新年の休みの日に、読んでいただきたいお勧めの一冊です。

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