新型コロナウイルスは、働き方や生活の仕方、遊び方や人々の考え方を大きく変えました。
仕事の仕方や働き方では、効率優先、生産性向上、収益拡大、ムリムダムラをなくす、コストダウンを第一義として進めてきました。
が、コロナ禍の中、これまでのそんな活動が???に思えるようになりました。
気合と根性で、無理やり進めて、一体誰が幸せになるのか?という疑問です。
ジョギングを年中続けている友人は、たびたび足を痛めている・・・
スポーツジムでは健康のためなら死んでもいいと自転車をこぎ続ける人がいる・・・
そんな光景が浮かんできました。
「選択と集中」「筋肉質的経営」「持たざる経営」「余剰人員は悪」「得意分野に集中」「ゆとり資金は悪」「小さな本社」・・・今まで、教科書的に正解と言われていたキーワード。
日経ビジネス誌も、今まで同様の提言を続けてきました。
でも、東日本大震災や豪雨災害、新型コロナウイルスの襲来などで、意外にも、ぜい肉を落とした会社組織がピンチに立たされています。
今週号の日経ビジネス誌(2020.7.20-27合併号)は、今までの提言とは逆張り提言をしています。
危機に強い「ぽっちゃり企業」戦略的「皮下脂肪」ランキング100社
「ぽっちゃり企業」や戦略的「皮下脂肪」から、危機に強い優等生企業をランキングしています。
経営分析的には、当然と言えば当然の指標です。
戦略的「皮下脂肪」を蓄えている企業の4条件
1 自己資本比率が高い
2 手元資金が豊富である(流動比率が高い)
3 負債が重くない(負債比率)
4 株主還元に熱心である
「ぽっちゃり企業」と言うと少し語弊があるかもしれません。
減量した「ボクサー型」企業ではなく、「プロレスラー型」企業・・・、
あるいは、「ゆとり企業」「余裕企業」といったほうがフィット感があるように思います。
京セラの稲盛和夫さんが「ガツーンと感じた」という、松下幸之助さんの提唱した「ダム式経営」の話も載っています。
「そうですなあ。ダム式経営をやろうと思わんといかんでしょうなあ」
ランキング100の一部を紹介させていただきます。
1位 ファナック
2位 SMC
2位 オービック ここまでが偏差値70以上
3位 シオノギ製薬
5位 協和キリン
6位 シマノ
7位 キーエンス
8位 信越化学工業・・・
ピリリと山椒の辛味の効いた名門企業が並んでいます。
ちなみに100位は楽天、偏差値23です。
また、「老舗に学ぶ上手な脂肪の蓄え方」として「ぽっちゃり3カ条」を挙げています。
1 未曾有の危機は、恒例行事だと心得る
2 強みを磨くための投資は惜しまない
3 効率に縛られずステークホルダーとの共生を目指す
なるほどです。
コロナ禍の中、ビジネスや経営を違う視点から見ることが出来た今週の日経ビジネス誌でした。
社長さん、必読の今週号です。