情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

http://ハトミミ.com/問題は、日本市民の品格が問われているのではないか?

2010-01-03 14:38:17 | インターネットとメディア
 政府の行政刷新会議が、昨年末、国家公務員や独立行政法人職員などから、不正や行政内部の密約など不透明な取り決めの“内部告発”を受け付けたり、市民から無駄を節約する提案などを受け付けるホームページ「ハトミミ.com」について、別の人が政府の発表後にドメインを押さえた問題で、民主党政府の不手際を指摘する声が上がっている。確かに、発表前に事前に押さえなかった政府も問題だが、一番の問題は、そういう政府の意向を知りつつ、ドメインをとった者の品格の問題ではないだろうか。つまり、今回の件に関する政府への批判は、レイプなどの事件があると、男の気持ちを引くような格好をしていたからだ、とか言われるお定まりの吐き気がするような主張に似ているように思うのだ。

 もちろん、民主党政府を批判するツールとして、今回のハトミミ.com(http://ハトミミ.com/)をうまく利用したこと自体はある意味賢いやり方だと思う。

 しかし、それならば、その賢さが反映した批判がなされているかというと、そうではなく、そこで、書きなぐられている言葉は単なる罵詈雑言がほとんどで、民主主義に資するような議論がなされているようには思われない。

 そもそも、この早い者勝ちがすべてというルールは、新自由主義に重なるところがあると思う。結局、奴らは、自分たちが知ったここだけの話情報(公開直後の情報も含む)を使って株や為替なんかで儲けているわけで、そこには、こて先で儲けることへのためらいなんてないわけだ。会社を買って儲けてポイ、また別の会社を買ってポイって感じ。すごく嫌~な感じ。

 株って本当は、社会から広く投資をうけて会社の資金とし、会社が発展することで社会にも資するっていうものでしょう。為替だって、本来は、国家間の取引における貨幣価値を調整するためのものにすぎない。そのような公共性のある市場を使って、単なる金儲けが堂々となされているわけだ。

 例えば、アメリカのディーラーやIT企業などの重役たちが若くして大金を稼いで南国で楽しげに暮らしているっていう話はよく聞かされてきた。そして、いかにも、そのことがいいことかのように、語られてきた。

 実際には、ディーラーが獲得した大金の裏には、このディーラーが扱ってきた株にかかわる企業に勤める労働者が解雇されたり、本来得られるはずの給料がカットされたり、その企業の製品を買った消費者が本来よりも高い買い物をさせられていたり…という悲惨な事実があるわけだ。IT企業の重役にしても同じこと。人のアイデアに乗っかって、不当な利益を得てきた。

 そして、市民は、そういう方向に対してノーと言わなければならないのに、そうならなかった。

 というのも、結局は、そういう早い者勝ち情報を直接はただちに得られない者までも、ファンドなどの手段でそのおこぼれにあずかったり、値段の動きをすぐにつかんで先読みで儲けたりすることはできたからだ。そういうことなら、だれでも参加できるということで、なんだか、平等のような感じになったのだ。

 でも、結局は、そういう人の儲けをはるかに上回る仲間内情報による儲けがあった。そして、その儲けの裏には、解雇されたり、騙されたりする人たちの姿が隠されてきた。


 少し前から、FX(外国為替証拠金取引)が流行っているが、これも結局は業者にとっては手数料で儲ける確実な事業だけれども、購入者にとっては単なるばくちでしかない。外国為替の変動なんて、非常に多くの要素が絡んでくるのだから、市民が先読みするだけの情報なんて得られない。でも、さまざまな必勝法が語られ、それに乗り遅れたら、乗り遅れた奴の「自己責任」だとでも言いたそうな風潮…。

 今回のハトミミ問題にも、「早い者勝ち」で何が悪い、間抜けなお前が悪いっていう冷たさ、品格のなさを感じてしまう。

 というと、負け犬の遠吠えっていうレッテルを張られそうだ。

 しかし、弱肉強食のルールってルールっていえるんだろうか。そこでの負けは、本当に素直に受け入れなければならない負けなんだろうか。

 おいらは、民主党の間抜けさと先に獲得した人の冷たさのどちらを受け入れるかっていうと、民主党の間抜けさだなぁ。

   
 

 




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