銀鏡神楽の祝子(ほうり)さん達が私の歌を聴きに駆けつけてくださり、
素敵なお花まで頂戴し、是非お礼のご挨拶に伺わねばと向かった銀鏡神社。
東米良の銀鏡・・「しろみ」と読む。
「コノハナサクヤヒメ」は絶世の美女であった。
その姉妹である「イワナガヒメ」は、残念な容姿であった。
彼女は鏡に映った我が身を嘆き、その鏡をぽーんと放り投げたそうな。
その鏡は遥か龍房山の麓まで飛んで行き、その辺りは白く光って見えたそうな。
白く見えるから「白見」イワナガヒメが投げた鏡が「銀の鏡」だったので、
この辺りを銀鏡「しろみ」と呼ぶようになったそうだ。
そして、銀鏡神社のご神体はこの鏡なのだそう。
こちらで毎年12月に行われる祭・・・「銀鏡神楽」は、
国の重要無形民俗文化財に指定されている。
父と行きたいね、行きたいね、と言いながら、行けなかった。
そうしたら「銀鏡神楽」が去年6月に東京に来た。
国立劇場で、父と一緒に感動を共に、観た。素晴らしかった。
打ち上げでは私も歌い、さらにその後、父と銀鏡の方たちと焼酎を浴びるほど飲んだ。
良い思い出だ。ちょうど一ヶ月後に、父は亡くなった。
知っていたかのように。神楽が東京に来てくれた。
その時から私は、ただならぬご縁を勝手に感じている。
長い長い階段を上って、銀鏡神社につくと、なんと皆さん待っていてくださった。
何の約束もしていないのに。しかも、宮司さま烏帽子までつけられて。
禰宜さまによる太鼓が鳴り響く。ご祈祷してくださるなんて、夢にも思わず。
太鼓の音、宮司様の声に、感動で打震えていた。
さらに集まってくださった皆様から、温かく力強い励ましの言葉。
涙。身に余る光栄です。ありがとうございます。
こちらが銀鏡神社の「元宮」の一部。
ご神木に抱きついたら、びりびり感じた。
ああ。私はこの山を知っている。
体の中に、血の中に、しっかりと記憶が刻まれている。
どうしてもっと早く来なかったんだろう。
いや。今だから来れたのだ。
今だから、呼んで頂けたのだ。 お導きに感謝します。