僕はエルサレムに来ていた。
黄土色というか「らくだ色」というか、淡くくすんだ色のレンガが積まれた超高層のタワーがあり、
僕はそのタワーがかの有名な「嘆きの壁」であると思い込んでいた。
タワーは決して近代的な建築ではなく、まるでシロアリの蟻塚のように歪な形をしている。
エレベーターで上がってきたのか、延々と階段で上がってきたのか、気がつくと僕はそのてっぺんにいた。
はるか下に街を見下ろすと、街の建物群もこのタワーと同じ材質のレンガでできており、
タワーはその街並みから生え出しているかのように聳えていた。
8畳ほどの広さしかないこのてっぺんの空間は、傾斜があり、柵もなく、
しかも踏みしめれば表面がボロボロと崩れ落ちるので、
僕は恐れをなして、少しへっぴり腰気味に座り込んでいる。
ここから10mほど下でタワーはへしゃげており、その窪みの部分で、
修道女風の恰好をした女性が2人、ひざまずいて祈りを捧げている。
僕のそばの足元の床には大きな十字架が埋め込まれている。
ここはキリスト教の聖地のようである。
十字架の隣には、携帯電話の画面のような小さな液晶モニターが埋め込まれていて、
その中に何かの不鮮明な画像が揺らめいている。
モニターの隣には「聖像は撮影禁止」と、日本語で表札が掲げられている。
日本人観光客がルールを破りがちなために敢えて日本語で表記しているのだろうか。
モニターに映し出されたあの画像が「聖像」であるらしい。
僕のそばに若い白人女性の観光客がやって来た。
彼女と二言三言言葉を交わした後、デジカメで互いの写真を撮り合う。
撮った写真をデジカメの画面でチェックしていると、いつの間にか頭上がドームで覆われる。
もう閉館の時間らしい。
ドームで外が見えなくなってしまい、街の眺めは撮れなくなってしまった。
デジカメの調子は良くなく、僕は彼女の写真を思うように撮れないでいる。
何度も撮り直す。焦る。
…ここで目覚めた。5時過ぎ。朝日はすでに高く眩しい。
実際の「嘆きの壁」はその名の通り、壁である。タワーではない。
また、キリスト教ではなくユダヤ人の聖地である。
だが、この世の事実と僕が見た夢の中身の相違は、特に意味を持たないだろう。
エルサレム、嘆きの壁、蟻塚のようなタワー、十字架、聖像、白人女性…
すべて現実の僕の生活とは何の関わりもない。僕には格段の信仰もない。
しいて言えば、「床に埋め込まれた携帯電話サイズのモニター」は、
昨晩見た『刑事コロンボ』で、手のひらサイズの受信モニターが
殺人トリックに使われていたことが連想を導き出しているのかも知れない。
おぼろげな「聖像」は何かを暗示しているのだろうか?
僕にパワーをもたらしてくれたのだろうか?
黄土色というか「らくだ色」というか、淡くくすんだ色のレンガが積まれた超高層のタワーがあり、
僕はそのタワーがかの有名な「嘆きの壁」であると思い込んでいた。
タワーは決して近代的な建築ではなく、まるでシロアリの蟻塚のように歪な形をしている。
エレベーターで上がってきたのか、延々と階段で上がってきたのか、気がつくと僕はそのてっぺんにいた。
はるか下に街を見下ろすと、街の建物群もこのタワーと同じ材質のレンガでできており、
タワーはその街並みから生え出しているかのように聳えていた。
8畳ほどの広さしかないこのてっぺんの空間は、傾斜があり、柵もなく、
しかも踏みしめれば表面がボロボロと崩れ落ちるので、
僕は恐れをなして、少しへっぴり腰気味に座り込んでいる。
ここから10mほど下でタワーはへしゃげており、その窪みの部分で、
修道女風の恰好をした女性が2人、ひざまずいて祈りを捧げている。
僕のそばの足元の床には大きな十字架が埋め込まれている。
ここはキリスト教の聖地のようである。
十字架の隣には、携帯電話の画面のような小さな液晶モニターが埋め込まれていて、
その中に何かの不鮮明な画像が揺らめいている。
モニターの隣には「聖像は撮影禁止」と、日本語で表札が掲げられている。
日本人観光客がルールを破りがちなために敢えて日本語で表記しているのだろうか。
モニターに映し出されたあの画像が「聖像」であるらしい。
僕のそばに若い白人女性の観光客がやって来た。
彼女と二言三言言葉を交わした後、デジカメで互いの写真を撮り合う。
撮った写真をデジカメの画面でチェックしていると、いつの間にか頭上がドームで覆われる。
もう閉館の時間らしい。
ドームで外が見えなくなってしまい、街の眺めは撮れなくなってしまった。
デジカメの調子は良くなく、僕は彼女の写真を思うように撮れないでいる。
何度も撮り直す。焦る。
…ここで目覚めた。5時過ぎ。朝日はすでに高く眩しい。
実際の「嘆きの壁」はその名の通り、壁である。タワーではない。
また、キリスト教ではなくユダヤ人の聖地である。
だが、この世の事実と僕が見た夢の中身の相違は、特に意味を持たないだろう。
エルサレム、嘆きの壁、蟻塚のようなタワー、十字架、聖像、白人女性…
すべて現実の僕の生活とは何の関わりもない。僕には格段の信仰もない。
しいて言えば、「床に埋め込まれた携帯電話サイズのモニター」は、
昨晩見た『刑事コロンボ』で、手のひらサイズの受信モニターが
殺人トリックに使われていたことが連想を導き出しているのかも知れない。
おぼろげな「聖像」は何かを暗示しているのだろうか?
僕にパワーをもたらしてくれたのだろうか?






鶏肉・じゃがいも・にんじん・たまねぎのカレー。トマト・レタス・きゅうり・ベーコン・シーフードミックス(冷凍物)のシーザーサラダ。牛乳。
見た目にも多いけど、食べてみても多かった…ひとり暮らしの自炊はつい作り過ぎちゃうんだよね。1食じゃ終わらず、同じのが3食は続く。
明日はカレーライスにチーズをトッピングして目先を変え、明後日はカレーうどんにしよう。






17:08 この団地の名は「多摩川住宅」。ならばもう多摩川は近いはず。窓の並び方が印象的な建物。雲の散り方が印象的な空。後ろのバス停のベンチで小柄な老夫婦がぽつぽつと話をしている。自分もああいう絵におさまるような年の取り方ができるだろうか。







朝8時過ぎに一度目覚めるも、眠気が取り切れていない気がして再び布団へ。
10時過ぎに暑さで目覚める。
汗だくになる蒸し暑さではなく、部屋が太陽で照らされたためのじわじわと火照るような暑さなのは、
まだ夏の盛りではないこの時期らしい。
僕の寝室は東と南に窓があるので、朝は一番に陽が差す。
ベランダに布団を干そうと、手すりを拭くための雑巾を洗面所ですすいでいると、流している水が、
壁か地中で温められていたのだろう、ぬるくなる。もうそういう季節か。
温められるほど水道管の一つ所に滞留している水は、飲用には適さない気がする。
「使っていなかった水道の水は、1分間ほど出しっ放しにしてから使うのがいい」と、
何かで見聞きしたような覚えもある。
それから、風水の何某かがテレビでこう言っていた。
「男性は特に、たまには水道の蛇口を目いっぱい捻って、思い切り水を流すことも必要」と。
「水の流れは気の流れ、滞らせてはならない」みたいなことなんだろう。
風水には別に傾倒していないけど、これはもっともらしく響く。
最近、洗濯をする時は、洗剤をいきなり洗濯槽の中に投じるのではなく、
まずIKEAの室内用のじょうろに入れて、そこで溶かしてから入れるようにしている。
直接投入ではちゃんと溶けていないんじゃないか、とふと思ったため。
よく溶けるよう、蛇口は最大まで開いて水圧を上げる。
シャワー蛇口ということもあり、水が細かい飛沫となって舞うくらい勢いよく迸る。
その時、あの風水の教えをふと思い出す。
もちろん、あの教えが示唆する「男が体内に溜めてはいけないもの」とは、別にあるだろう。
それはそれとして、水が噴き出るさま、奔流となるさま、満ち溢れるさまには、心安らぐものがある。
洗濯機が作る渦も、えてして見入ってしまいがちだ。
…いやいや、休日の「ぼうっと」もここまで。部屋の掃除を始めよう。
10時過ぎに暑さで目覚める。
汗だくになる蒸し暑さではなく、部屋が太陽で照らされたためのじわじわと火照るような暑さなのは、
まだ夏の盛りではないこの時期らしい。
僕の寝室は東と南に窓があるので、朝は一番に陽が差す。
ベランダに布団を干そうと、手すりを拭くための雑巾を洗面所ですすいでいると、流している水が、
壁か地中で温められていたのだろう、ぬるくなる。もうそういう季節か。
温められるほど水道管の一つ所に滞留している水は、飲用には適さない気がする。
「使っていなかった水道の水は、1分間ほど出しっ放しにしてから使うのがいい」と、
何かで見聞きしたような覚えもある。
それから、風水の何某かがテレビでこう言っていた。
「男性は特に、たまには水道の蛇口を目いっぱい捻って、思い切り水を流すことも必要」と。
「水の流れは気の流れ、滞らせてはならない」みたいなことなんだろう。
風水には別に傾倒していないけど、これはもっともらしく響く。
最近、洗濯をする時は、洗剤をいきなり洗濯槽の中に投じるのではなく、
まずIKEAの室内用のじょうろに入れて、そこで溶かしてから入れるようにしている。
直接投入ではちゃんと溶けていないんじゃないか、とふと思ったため。
よく溶けるよう、蛇口は最大まで開いて水圧を上げる。
シャワー蛇口ということもあり、水が細かい飛沫となって舞うくらい勢いよく迸る。
その時、あの風水の教えをふと思い出す。
もちろん、あの教えが示唆する「男が体内に溜めてはいけないもの」とは、別にあるだろう。
それはそれとして、水が噴き出るさま、奔流となるさま、満ち溢れるさまには、心安らぐものがある。
洗濯機が作る渦も、えてして見入ってしまいがちだ。
…いやいや、休日の「ぼうっと」もここまで。部屋の掃除を始めよう。




