tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

今月読んだ本と観た映画(2013年9月)

2013-09-30 23:00:00 | 今日の出来事
気に入ったものはリンクあり。


<今月読んだ本> 2冊 

2(月) ■水谷竹秀 『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』

23(月) ■前田安正 『きっちり! 恥ずかしくない! 文章が書ける』


<今月観た映画> 11本

14(土) ●スティーヴ・オースティン ギル・ベローズ 『ザ・ハンティング』

15(日) ●ウィル・スミス ロザリオ・ドーソン 『7つの贈り物』

16(月) ●ベン・アフレック ケヴィン・コスナー 『カンパニー・メン』
     ●サラ・ポーリー マーク・ラファロ 『死ぬまでにしたい10のこと』

21(土) ●デニス・クエイド マシュー・フォックス 『バンテージ・ポイント』

23(月) ●ジュリアン・ムーア マーク・ラファロ 『ブラインドネス』

24(火) ●リチャード・ギア ジョディ・フォスター 『ジャック・サマースビー』

25(水) ●宮藤官九郎 田中邦衛 『福耳』

27(金) ●コリン・ファース キャメロン・ディアス 『モネ・ゲーム』
     ●ビンス・ボーン オーウェン・ウィルソン 『The Internship(原題)』

30(月) ●堤真一 橋本愛 『俺はまだ本気出してないだけ』

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クアラルンプール 3日目

2013-09-29 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
7:20 起床。町に朝日が昇る。今朝は朗唱は聞こえなかった。

9:35 朝食と食休みにゆっくり時間をかけ、ホテルを出る。…さて、今日はどこへ行こう?実は、昨日あまりにも精力的に動き回ったため、ガイドを見て行きたいと思っていたところにはあらかた行ってしまった。今日はガイドにない発見をしたいものだが…。モノレールの駅に向かう。ちっこくて、本当に遊園地の乗り物みたいだ。

10:12 昨日と同じく、モノレールで終点のKLセントラルまで行き、駅から徒歩数分。“リトル・インディア”ブリックフィールズ。装飾過多・色彩過多な感じの街並みが、いかにもそれっぽい。店先からはインド歌謡(日本だとインドカレー店のテレビのMTVから流れているような曲)が流れ、歩道にはプラスチックのイスやテーブルが出て、人々が寛いでいる。日曜の朝だもんな。

町のロータリーにある象の噴水。今日は朝から陽射しが強い。日陰を選んで歩く。屋台では大きなフライパンでドーナツか何かを揚げており、油の匂いを漂わせている。朝からがっつり揚げ物を食べるんだなあと思う。

花飾りを売る屋台のある路地。

雑貨店。陳列されている品々はどれもパッケージが色とりどりで、食料品なのか、シャンプーや洗剤などの日用品なのか、手芸用品なのか、はたまた、お香や献物のような礼拝具なのか、ぱっと見でちょっとわからない。

KLセントラル駅へ戻り、モノレールの線路沿いを行く。日本語で「盲人マシサージセンター」(なぜかどれも「ッ」を「シ」に間違えている)と書かれた看板がビルのあちこちに掲げられている通りがあった。気がつくと、街を行く人にも白い杖を持つ人が多いのだった。「盲人街」とでもいうのか、同じ境遇の人たちが集まって暮らしているのか。

行きたいところはあるのだが、細かい地図がないので、果たしてこの道でいいのかわからない。今回の旅では買っていないが、『地球の歩き方』でも、僕のように本当に「歩く」旅人の用途に供するようには地図ができていない。ハイウェイのような道路だが、これしか道がないし、路肩に歩道があるので歩いてみる。遠くにはKLタワーとペトロナスツインタワーが。

高層のビルやマンションはどれもデザインが凝っている。これに比べると、日本のは寸胴ばかりで退屈だな。地震がある日本では、構造設計上、あまり「遊べ」ないのかも知れない。

結局歩道は途切れてしまい、土手のような、側溝のような敷地を強引に歩いて(そこの草刈りをしている人がいて、怒られるんじゃないかと冷や冷やした)、なんとか辿り着いた。
11:02 旧王宮、イスタナ・ネガラ。

入口では「Where are you from?」と聞かれる。マレーシア国民と外国人で入場料が異なるためだ。サッカー場のような広い芝生と、その向こうの宮殿。

ゲートから玄関前までの長いアプローチ。

内部の撮影はできない。2011年に別の場所に新王宮ができるまで実際に宮殿として使われていたというから、“古の遺構”ではない「現役」感があって興味深かった。ベッドやイス、テーブルなどはあるものの、細かい家財道具まではさすがに置かれていないから、生活感までは窺い知ることはできないけれど。冷房の効いた空間で、裸足でふかふかの絨毯や冷たい石の床の上を歩くのは気持ち良かった。陽射しの強い屋外へ出ることに躊躇いもあり、じっくり1時間ほど滞在。

12:42 モノレールでブキッ・ビンタンへ。一昨日から幾度となく来てる。ショッピングセンター「BBプラザ」の店を見て回るが、やはりショッピング欲の乏しい僕は、漫然と通り過ぎるだけ。交差点の角にある緑の外壁のショッピングセンター「LOT10」で…

マンゴーかき氷。ライチも乗っているので、「サクサク」のほか「プリプリ」の食感も楽しめる。ホテルのビュッフェで朝食をしっかり食べたので、食事よりもこういうものに走ってしまう。外は暑いしね。

また例の「歩道橋」を歩き、KLCCへやって来た。再びここへ来たのは、ショッピングモールの中に「ペトロナス・ギャラリー」という現代アートのギャラリーがあると知ったからなのだが、あいにく改装工事中だった。ぶらぶらと店を見て回り、外に出る。
14:25 KLCC公園。噴水の前の木陰で休む。

菩提樹…かな?気根がたくさん垂れ下がっている。地面のスプリンクラーから水を浴びている。

ペトロナスツインタワーを、公園とは反対側に回って眺める。午後の強い陽射しを受けて、存分に輝いている。(帰国の途に着く時、夕暮れの薄暮に浮かぶタワーも見たが、メタリックな輝きがとてもカッコよかった)。

建設中のこのビルのデザインもなかなか凝ってるよなあ。大胆なデザインは都市の活気を感じさせる。

14:57 マレーシアツーリズムセンター。観光案内所だが、特に何があるというでもなかった。…うーん、そろそろ行き先のネタも尽きてきたかなあ。外を歩き続けるのも暑いしなあ。

…で、思いついたのが、ラピッドKLに乗って、車窓でもぼんやり眺めようかな、と。都心を抜ければ地下を出て高架線を走るので、見晴らしもいい。郊外の住宅地の様子は、日本のニュータウンにも似ている。家が建ち並ぶ様子というのは、そこが自分の帰る家でなくとも、なんだかほっとする。

16:10 西の終点、ケラナ・ジャヤ駅。ここで折り返し。

このLRTは無人運転で、運転席もなく、車両の最前部の窓際に直接立つことができる。これは面白い!子どものようにかぶりつく。

KLセントラルのビル群が近づく。

下を走るのは、バトゥーケイブスに行く時にも乗ったKTMコミューター。

KLタワー、ペトロナスツインタワーが見える。

パサール・セニ駅を過ぎると、左手にムルデカ・スクエアの国旗掲揚塔が。さすがは高さ100m。ビルに負けない。

右手に水色のセントラル・マーケット。この先は地下へもぐる。

16:48 マスジッド・ジャメ駅で下車。“リトル・インディア”マスジッド・インディア通りを歩く。

アパートの佇まい。

そごうの地下でお土産のチョコ(ペトロナスツインタワーがかたどられているが、まるで2本のとうもろこしのようでもある)を買ったり、町をぶらぶらする。
18:08 空港への迎えが来るホテルには、19時の集合になっている。最後のモノレールに乗る。
【クアラルンプール22:50―(JAL724便)→6:40成田】


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クアラルンプール 2日目

2013-09-28 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
朝は5時頃から(夜明けは遅く、まだ真っ暗だった)、イスラム教の朗唱(礼拝の時刻を告げる呼び声「アザーン」というやつだろうか)が大音量のスピーカーで町中に流れていた。まさか毎朝流れるのだろうか。
7:52 起床。窓の外にはペトロナスツインタワーとKLタワー。…ん?KLタワーをよく見ると…

なんと、タワーの上からパラシュートが次々と落下している。あんなことできるのか。

9:39 階下のレストランでビュッフェの朝食(パンからお粥、フォーまでバラエティーに富んでいた)を済ませ、ホテルを出る。歩道は工事中で埃っぽい。無造作に地面にドカンと穴も開いている。気をつけないとね。曇り空のせいか、30℃は超えているものの、さほど暑くはない。

最寄り駅からモノレールに乗車。昨晩もブキッ・ビンタンへの往復でこれに乗った。天井が低く寸詰まりの車体の2両編成で、なかなかコンパクト。

10:56 モノレール終点のKLセントラル駅で「KTMコミューター」に乗り換え、終点、バトゥーケイブス駅着。この電車、4両のうち1両が女性専用車。なかなかの高比率。イスラムの国だからかな。

駅前には岩山が聳え立つ。ヒンドゥー教の寺院があるバトゥー洞窟。

黄金の像。その後ろに洞窟へ続く階段がある。

272段あるという階段を登る。ヒンドゥー寺院の社殿は靴を脱いでお参りするのが習わしのようだが、この階段も裸足で登っている人がいる。

この階段の名物が…サルの群れ。このサルは柱の上で悠々とココナッツのようなものを食べている。階段の上の方では、インド人(多分。おでこに印がついてたから)の女子学生の一団が、持っているジュースでもサルに奪われたのか、キャーッと悲鳴をあげている。

階段の下、そして黄金像の背中を振り返る。

登りきると洞窟の大空間が広がる。天井にぽっかりと穴が開いているので、暗くはない。

洞窟の一番奥、この屋根の下が礼拝の場になっている。

作法を知らぬ異教徒は外から見守るのみ。

足元はコンクリートで舗装されていて、大勢の人もざわつき、ともすると人工的なホール空間とも思えてしまう場所だけど、見上げれば鍾乳石がぶら下がっていて、自然の洞窟であると気づかされる。

階段を下る。お腹に赤ちゃんを抱える母ザルが2組。人間に慣れていて、近づいてカメラを向けてもちっとも動じない。むしろ観光客の方がサルを怖がっていて、若い女性など、進路の真ん中にサルがいると、手すりを跨いでまで遠巻きに避けて通ろうとしたりしている。

駅へ戻る道すがら。花のピンク色もちょっと日本にはない色合いだなと思う。

バトゥーケイブス駅からの帰りの電車。来た時はロングシートだったが、今度は真新しいクロスシートの車両。もちろん冷房は効いていて、車内には案内の電光掲示板もある。ただ、過密運転というわけでもないのに(バトゥーケイブス駅から都心へ向かう電車は15分間隔)、走るスピードは結構遅い。まるで線路をいたわりながら走っているような感じ。

12:23 来る時に乗ったKLセントラル駅の一つ手前、クアラルンプール駅で下車。ヨーロッパの駅のような広々とした空間。

だだっ広い駅構内を抜け、外に出る。改札口は半分に区切った長いホーム上にあるため、ホームの残り半分と駅舎内には切符がなくても入れる。ただし、売店など特段の施設があるわけではなく、規模のわりに閑散としている。ミナレット(尖塔)が独特な、イギリス植民地時代の1910年に建てられたという駅舎。

駅の向かいには、これまた歴史ある佇まい(1917年築)のマラヤン鉄道(KTM)本部ビルが。

駅の近くには国立モスクがある。空を刺すミナレットは高さ73m。マレーシアはイスラム教を国教としていて、人口の6割強を占めるマレー系民族がおもに信仰している。夜明け前のあの大音量のアザーンも、「騒音のクレームなど当然受けつけません」という“問答無用”な感じだったもんな。しかしその一方で、個人の信仰の自由も認められているという。

残念ながら今の時間帯は非ムスリムは入館できない。建物の外を歩く。

日が出てきて暑い。照り返しも厳しい。でも、この存分の陽光の中でこそ、モスクは映えるような気もする。遠くにKLタワーを望む。

坂道を登り、緑の多い公園の中を行く。行く手にサルの群れが。

12:58 オーキッドガーデン。かつては有料で公開されていたようだが、今は「FREE」と。訪れる人はまばらだが、ランは美しく咲いている。

色もさまざま。よく手入れされている。

暑い。東京ほど湿度は高くないが、陽射しの強さがこたえる。モノレールのホームにもあったが、屋外に扇風機がよく設置されている。涼む、というほどひんやりできるわけではないけれど、風量は充分で、汗をよく飛ばしてくれる。

13:11 湖畔に出る。KLレイクガーデン。背景に高層ビルが並び、いかにも都市の公園。炎天下、訪れる人はほとんどいない。ゴミひとつ落ちていない綺麗な公園。

国立博物館の敷地に出る。制服の子どもたちが館外の屋根の下でお弁当を食べている。入口のロータリーにはマレー鉄道のディーゼル機関車が置かれている。無骨だけど力強さを感じさせる、「大陸を走る機関車」という感じだなあ。

郵便ポストは色も形も日本と似ている。ポストは「POS」なのか。マレー語なのか、マレー英語なのかわからぬが、スペルが独特で、レストランは「RESTORAN」、アイスクリームは「AISKREM」と表記されていたりした。

地図を見ながら歩くが、地図に載っている道路が必ずしも「歩ける道路」というわけではない。駅へ通ずる道と思ったのが、ハイウェイ状の自動車専用道路で、再び公園の山の上への遠回りを余儀なくされ、やっとのことでクアラルンプール駅へ戻ってくる。
13:55 切符を買わずに立ち入れるホーム。貨物列車が通過する。

クアラルンプール駅のほど近く、ラピッドKL、パサール・セニ駅。

パサール・セニ駅を抜けて、町の中を行く。この後も町のいたるところで見かけた「マネキン交通誘導員」。

セブンイレブンで買った「イチゴ味豆乳」。店では牛乳より豆乳の方を多く見かけた気がする。

14:18 街中のヒンドゥー寺院、スリ・マハ・マリアマン寺院。高さ22mの門塔には複雑に彫られたヒンドゥーの神々が。

中へは靴を脱いで上がる。はなはだ不謹慎ながら、ひんやりとした石の床が、歩き疲れた足裏に気持ちいい。

このハトもきっと、ここにべちゃんと座っているのが気持ちいいんだろうな。ここが殺生の場ではないと心得ているのか、まわりを人が行き来しても、逃げるそぶりも見せない。

極彩色の神々。ここに祀られているマハ・マリアマンとは女神だそうだ。

14:27 つづいて、中国の神様、関帝廟。

祀られているのは武将、関羽。

中国の神様がいるくらいだから、中国人の街がある。中華街、ペタリン通り。と言っても、特に中国の気配が感じられるわけではなく、ごくごくありきたりな大量生産の洋服や雑貨、電化製品が並べられている。

コロニアル調、とでも言うのかな。商店の看板建築。

14:48 セントラルマーケット。これを現地風に言うと、最寄り駅名でもある「パサール・セニ」になるわけだな。中には土産物屋がいっぱい。だが、中に入る前に…。

前の広場で「ケランタン州カルチャーパフォーマンス」なるイベントが行われていたので見学することに。民族舞踊なのかしら、太鼓と笛に合わせて取っ組み合う演武。頭や服の飾りが飛ばされるほど本気でぶつかり合うが、最後は握手をして終わる。

続いて、若い男たちがぞろぞろと登場。マスゲームのように隣同士で腕を組んで鳴らしながら、コーラスを披露。ここまでずっと歩き通しだった。テントの下、陽射しも避けられるこの場所で、結構長い間休む。ケランタン州はマレー半島東海岸北部に位置し、北でタイに接する州のようだ。

セントラルマーケットにはたくさんの土産物店が集まっている。僕は「モノ」に対するこだわりがないし、土産を贈る相手もいないが(会社にチョコぐらいは買っていくが)、それでも、不意に所有欲をくすぐられれば何か買ってもよいとは思っている。でも、そこまで刺激を受けるようなものはなかった。空港からホテルへの送迎バス車中でガイドが「申込用紙ありますよ」と言っていた「ナマコ石鹸」も売られていた。ナマコは美容にいいのだろうか。その店でもわざわざ日本語の貼紙が出ていたところ、日本人の琴線に触れる商品なんだろうか。建物の一角にはギャラリーが集まっている。手ごろな価格で、部屋に飾るのに悪くなさそうな抽象画もあったが、日本に持って帰るのが大変だな。

色の違う砂を少しずつビンに詰めて模様を作っている。

マーケットを出る。建物の工事現場。下の男が上の男へ、レンガをひょいひょいと投げている。こういう、「大雑把だけど実は効率がいい」という行動様態、日本には意外とないよな。

「クアラルンプール」の地名の由来は「泥が合流する場所」で、それはここ、クラン川とゴンバック川の合流地点のことだという。一国の首都の名前になるくらいだから、もっと壮大な川がドラマチックに出会う場所かと思っていたら、コンクリート護岸の窮屈な都市河川、有り体に言って「ドブ川」に近いものなんだな…。2つの川の間にあるのが、クアラルンプール最古のモスク、マスジッド・ジャメ。…ん?向こうのあのビルの上には…

タコがいるな。

15:48 クアラルンプール・シティギャラリー。中にはクアラルンプールの町のジオラマがあり、夜景を見せたいのか、真っ暗な中、豆電球が仕込まれたたくさんのビルが輝いている。よく見ると、ペトロナスツインタワーの倍以上の高さの超高層ビルが真ん中に建っている。この町では今、そんな野望が進行しているのだろうか。

16:13 シティギャラリーはこの広場に面している。ムルデカ・スクエア。訳せば「独立広場」。1957年にマレーシアはイギリスの植民地支配から独立した。世界一高いという高さ100mの国旗掲揚ポール。陽射しは強烈で、旗を見上げようとちょっと顔を上げれば、眩しい光をギラリと浴びる。

広場に平行に連なるスルタン・アブドゥル・サマド・ビル。1897年築、植民地時代に連邦事務局が入っていた建物で、その名は当時の州の統治者から来ている。現在は最高裁判所。明日、この場所でマラソン大会が行われるらしく、テントが張られたり、レーンの柵が置かれたり、準備が進められていた。

マスジッド・ジャメでは、敷地の中に入ろうとすると、手を振る警備員に制止された。例のアザーンが聞こえていたから、礼拝の時間だったのかも知れない。近くの、その名もずばりマスジッド・ジャメ駅の地下ホームから、ラピッドKLに乗る。スカーフ(ヒジャブ)をかぶった女性が多いのがイスラムの国らしい。小さな子どももかぶっていたりするが、なかなか可愛らしい。

切符がわりのトークン。玩具の硬貨のようなプラスチックだが、ICでも組み込まれているのだろう、乗車時は改札機にかざし、降車時は投入口に入れる。購入は有人窓口か自動券売機だが、窓口は長い行列ができていることが多く、券売機も紙幣が使えなかったり地元民も操作に迷ったりで混み合う。先進的なんだか、そうでないんだか。

KLCC駅で下車。無機質なアルファベット羅列の駅名だけど、なんのことはない、「クアラルンプール・シティセンター」の略。ペトロナスツインタワーの足元の駅。ショッピングモール、スリアKLCCがある。

17:00 モールのフードコートで休憩。ストロベリーミルクシェイク。どぎつい色だけど、味はわざとらしくはなかった。歩き疲れたのでゆっくり休む。

17:34 モールを出ると噴水広場が。進んで振り返ると…

ペトロナスツインタワーが聳え立つ。高さ452m、88階建て、ツインタワーとしては世界一。

噴水広場から先は緑が広がり、遊具やジョギングコースなどがある。KLCC公園。土曜日の今日、観光客ばかりでなく、近所の(多分。どことなくセレブっぽい)家族連れもいて賑わっている。タワーの好展望地。これって大事だよな。東京スカイツリーは、塔を下から眺め渡す時の「引きしろ」空間が足りない気がする。

KLCCからブキッ・ビンタンへは歩道橋が通じている。「冷房完備」と謳われていたが、さほど涼しくはない。行きの飛行機で到着時に、「マレーシアではタバコの広告が禁止されており、タバコの広告の載った雑誌を持ち込むと没収されることがあります」とアナウンスがあり、さぞかしタバコに厳しい国なんだろうと思っていたけど、歩きタバコをする人は日本並みに引きも切らない。警備員の立つこの歩道橋の中でも。

歩道橋の終点のショッピングセンター「パビリオン」のフードコートで軽く食事。そんなにお腹も空いていないのでまあフードコートでもいいかと思い。チキンソテーとライスのプレート。ライスがぼそぼそだったし、チキンソテーのソースは僕の苦手なナンプラーを使っているようで、いまひとつだった。口直し、ではないが、オレンジミルクのスムージーなんかに手を伸ばす。
19:14 再び外に出ると、もう日も暮れていた。

モノレールのブキッ・ビンタン駅。歓楽街の目抜き通りの上を高架橋が跨いでいるところ、六本木交差点に似ていなくもない。空が赤いのは夕暮れ。夜景を眺めるにはいい時間だ。ここからも見えているKLタワーへと急ぐ。

…が、モノレールの最寄駅(ブキッ・ナナス)からタワーへの行き方がわからず、すぐ真上に見えるんだからとにかく歩けば着くだろうと無理矢理歩きだしたら、タワーが建つ山の周囲をなぞるばかりの全然見当違いの道で(後で知ったが、タワーの麓は自然保護区の原生林らしい。容易に近づけないわけだ)、駅まで戻ってからも先は長く(道案内の標識がまるでないのはどうかと思うな…と愚痴る。もっとも、みんな歩いたりなんかせず、タクシーで行くんだろうか)、つづら折りの山道を登っていくと、そばに停まっていたワゴンのドライバーが、タワーのエントランスへのシャトルだ、乗って!とドアを開けてくれ(一応、徒歩の客にも便宜は図られているわけだ)、そこからは一息でタワーに着いた。
20:13 地上276mからの眺め。迷子になりながら大汗をかいて歩き回った後だから、格別だわ。やはりペトロナスツインタワーの輝きが一番目立つ。自分の泊まっているホテルや、今日歩いてきた道々など、地図と照らし合わせながら“同定”する。日本人のおじさんおばさんのツアー一行がどやどやと現れ、売店の女の子が「アジノモト!」と言って笑いを取っている。…さて、下りるか。

タワー真下からの眺め。高さは421m。ペトロナスツインタワーより低いことになるが、こちらは海抜94mの丘の上に立っているので、こちらの方が高く見えるという。確かにホテルの部屋から見てもそうだった。夜の闇に不思議に色が滲んでいるのは、むろんカメラの腕の問題である。この時間もパラシュートが次々と落ちてくる。

すっかり歩き疲れたが、歩き疲れるにまかせてホテルのベッドに倒れ込むのは、なんだか敗北感に打ち負かされたかのようだ。一矢を報いて(何に対して…?かは知らぬ)意気揚々と部屋に戻りたい。ブキッ・ナナス駅から、ホテルとは逆方向のモノレールに乗り、昨晩に続き、ブキッ・ビンタンの屋台街、アロー通りへ。雑踏と排気ガスの中、例のマネキン誘導員も頑張っている。

昨晩とは別の店で、豚の角煮、青菜の炒め、ビールを掻っ喰らう。中ビン1本でもうベロベロですよ。部屋に戻るや、熱い湯を張ったバスタブ(欧米人サイズ、ほとんど全身が入るくらい長い)に沈み込み、酔った頭で、来し方、行く末のことを、馬鹿馬鹿しく、そして真面目に考える。

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クアラルンプール 1日目

2013-09-27 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
<出国前日 9月26日(木)>

【京成上野21:20―(京成イブニングライナー)→22:23成田】

9月末で切れる「じゃらん」のポイントが余っていたため、それを使って成田市内で前泊することにする。
これで明日の朝、大きい鞄を抱えラッシュを縫って都心を移動する必要はなくなった。
仕事が終わった後、いったん帰宅する。
汗まみれになったらシャワーを浴びようと思っていたが、最近はめっきり涼しくなり、
その必要を感じなかった。着替えるだけで家を出る。
京成上野駅近くのコンビニで弁当を買い、
(本当はもっとちゃんとしたものを食べたかったが、時間内ではこれくらいしか店が見つからなかった)
京成イブニングライナーに乗車。
すでに旅は始まっているので、味気ないロングシートの通勤電車には乗りたくない。
出発前に弁当は食べ終えてしまう。
車内は、窓側の席は全部埋まっているものの、通路側の席は全部空いている程度の混み具合。
静かで良い。ただ、外は暗く、車窓の楽しみはない。
成田のホテルは、開業間もないようで綺麗だったものの、
壁が薄いのか、他の部屋の物音が筒抜けで、よく眠れなかった。


<出国当日 9月27日(金)>

7時過ぎに目覚める。いや、6時台だったか。とにかく、あまりよく眠れなかったということだ。
階下のレストランでビュッフェの朝食をとる。
飛行機まではまだ時間があるので、新勝寺にお参りに行こうと思う。
通学の小学生、その脇を次々と走り過ぎる通勤の車、新勝寺へと続く道を歩く。
半袖のシャツを着ているが、肌寒い。いきなり秋が深まった。
それとも、気温のまだ上がらぬ朝のこの時間のせいか。天気は良い。
沿道の土産物店や食堂はまだ開いておらず、寺の参拝客もまばら。静かな境内を歩く。
この寺にはだいぶ前に一度来たことがあったが、ほぼ何も覚えていない。
金木犀の香りがしたので(今年初めてだ)、木を探すが、見当たらない。
木の所在が分からなくとも鼻をくすぐる香りが確かなのは、いかにも金木犀っぽい。
境内を一通り巡る。寺を出て、来た時とは違う高台の帰路をたどると、筑波山が見えた。
意外と大きい。成田と筑波は結構近いのか。
ホテルに戻り、チェックアウトする。
京成で空港に向かうが、まだ早すぎて、出発ロビーで新聞を読んだりして時間を潰す。

【成田11:30―(JAL723便)→17:55クアラルンプール】
機中では映画を2本見る。
マレーシアの時差は日本-1時間。日本が夜7時の時、マレーシアは夜6時。

空港~ホテル送迎付きツアーの宿命で、まっすぐホテルへは行けず、
クアラルンプール中心部(ブキッ・ビンタン)のホテルまで大型バスで、
そこからワゴンに乗り換え、同乗の客のホテルで彼のチェックインを車中で待ち、
「金曜の夜ですからね」(送迎ガイド)と渋滞にも巻き込まれ、
結局、僕のホテルに着いた時には夜9時も回っていたか。
疲れてはいたが、お腹も空いていたので、再び外に出る。
ホテルの周囲にめぼしい飲食店はなく、モノレールに乗ってブキッ・ビンタンへ。
屋台街のアロー通りで一番構えが大きいと思われた店に入り、
メニューのすべてのページを眺め渡してじっくり思案し、豚の唐揚げと海鮮粥を注文。
唐揚げは少し冷めていたが、それでも美味しかった。
海鮮粥は陶の器に入れられ、アツアツだった。
満足して、モノレールに乗ってホテルへ戻る。
カメラは持ち出さなかったので(モノレールに乗るほど遠出するとは思っていなかった)、
外出の写真はなし。

ホテルの部屋の様子。

26階。ペトロナスツインタワーがよく見えた(窓まで近づくとKLタワーも)。


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日本語力の乏しい交通標識「一方通行 この先100m」

2013-09-14 10:45:51 | 物申す
一方通行のマーク。その下に付け足しで「この先100m」の文字。

この交通標識、一見して、意味をどう捉えるだろう?

(1)「ここから先100mの区間が一方通行である」
(2)「この100m先から一方通行の区間が始まる」

正解は(2)なのだが、(1)と誤解する人は多いのではないだろうか。

この標識は、100m先から一方通行区間が始まるが、つまり、100m先までは進入可能なのだが、
進入した場合、場合によってはそこから先が行けなくなって、
バックで戻ってこなくてはならなくなるかも知れないので、「100m手前からあらかじめ予告している」
という主旨のものなのだ。

しかし、「この先100m」という言い回しの、なんとも舌足らずなことよ。

たとえば「この先2km 渋滞」と言ってみたとしても、
「今いるここから2kmの渋滞区間が始まる」とも取れるし、
「この先2km進むと渋滞にぶつかる」とも取れる。

同様に、「一方通行 この先100m」も、
「今いるここから100mは一方通行である」とも取れるし、
「この先100m進むと一方通行区間にぶつかる」とも取れる。

もちろん、冷静に考えれば、一方通行区間が何mであるかを情報として明示する必要はないわけだから、
(1)の意味ではない、ということがわかるが、
まさに一方通行になるくらいの狭い路地で車を取り回しているドライバーが、
一方通行の標識をまず見せられれば、「ここから先はもう入れないのだ」と誤認することは充分ありえる。

事実、僕の家の近くにもそのような道路があるが、
市販やWEBの複数の地図で、ここで言う「100m」の区間にあたる路地が、一方通行扱いにされている。
つまり、世間ではもう立派に誤認されているのだ。

ではどうすればいいのか。簡単なことだ。
「この先100m」ではなく「100m先から」とすればいい。文字数も変わらない。
これで、「ここから100mにわたって一方通行区間なのだ」と(1)の意味に取り違える人もいなくなるだろう。

「お役所的用語取り扱いルール」の縛りから逃れられないのか知らないが、
この標識の作り手は、現実の日本語の語感が伝えてしまう紛らわしい差異を理解できない、
「日本語力の乏しい人」と思わざるをえない。

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