tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

今月読んだ本と観た映画(2017年1月)

2017-01-31 23:00:00 | 今日の出来事
<今月読んだ本> 8冊

6(金) ■宇都宮浄人 『鉄道復権―自動車社会からの「大逆流」』

11(水) ■町山智浩 『知ってても偉くないUSA語録』

     ■立松和平 『旅暮らし』

16(月) ■マイケル・ピュエット クリスティーン・グロス=ロー 『ハーバードの人生が変わる東洋哲学』

19(木) ■安部公房 『カーブの向う・ユープケッチャ』

26(木) ■嵐山光三郎 『コンセント抜いたか!』

30(月) ■若林史江 『株が好き♪―たった1銘柄の売買でも1000万円儲けられるフミエ流マル美株式投資術』

31(火) ■上岡直見 『鉄道は誰のものか』

 
<今月観た映画> 7本

1(日) ●イングリッド・ショーヴァン リンダ・アルディ 『インファナル・シティ 女捜査官サンドラ』

3(火) ●キューバ・グッディング・Jr エマニュエル・ヴォージエ 『ダブル―完全犯罪―』

     ●ザ・ロック ショーン・ウィリアム・スコット 『ランダウン』

4(水) ●ヴィン・ディーゼル ポール・ウォーカー 『ワイルド・スピード MEGA MAX』

9(月) ●西田敏行 三國連太郎 『釣りバカ日誌18 ハマちゃんスーさん瀬戸の約束』

     ●サイモン・ペッグ キルスティン・ダンスト 『セレブ・ウォーズ/ニューヨークの恋に勝つルール』

18(水) ●ベレン・ルエダ ウーゴ・シルバ 『ロスト・ボディ』


「男の共同生活」を描く2つの新ドラマ―『バイプレイヤーズ』と『住住』

2017-01-31 18:22:25 | 雑感
1月にスタートした2つの深夜ドラマ、テレビ東京の『バイプレイヤーズ』と、日本テレビの『住住』。
どちらも、
・「男の共同生活」を題材にしている
・俳優/芸人が「自分自身」を役柄として演じている
・「マドンナ」的存在の女性(北香那/二階堂ふみ)が脇にいる
という点で共通している。『バイ―』は3話まで、『住住』は1話のみ放送を終えている。

面白さで軍配が上がるのは『住住』だな。

当初期待していたのは、自分の同世代が登場する『住住』より、
自分のひとまわり将来の世代が登場する『バイ―』の方だった。
人間としても、また男としても魅力的な、いぶし銀の役者がそろっており、
50代・60代の有り様のロールモデル(「手本」としての、では決してなく、「見本」としての、だ)を見せてほしいと思っていたのだ。
それなのに、なんだかなあ…『バイ―』の男たちはみな、
円熟味や滋味に欠け、ただただ「ガキっぽい」のだ。
「大人になっても少年らしさを失わない」といういい意味ではなく、単純に「軽く、薄っぺらい」。

役者が悪いのではない。彼らの存在感や演技力に難を見る人はいないだろう。
脚本と演出の方向性が間違っているのだ。

「みんなが矢継ぎ早に喋ればコメディーになる」とでも言いたげな、安直な脚本。
描かれるエピソード、起こるハプニング、匂わせるミステリーもとてもチープ。
「テレ東だろ!」など、業界ウケ狙い・楽屋落ちの台詞も鼻につく。
それぞれの役者のポテンシャルを存分に引き出しているのではなく、
ただ単に、作為的に「役割をあてがってる」だけ。
“アイドル未満”クラスのティーンのタレントにでもやらせておけばいいような芝居を、
この贅沢なベテラン勢にやらせており、そこがなんともイタいのだ。
この「イタさ」をもって「コメディーの表現」だとするには、無理がある。

それに比べると、『住住』はなかなか絶妙だ。
台詞がこなれており、自然で、リアリティーがある。
この手のドラマは、重箱の隅を突くような話題をわざとしつこく喋り続けることで
「どうです?おかしいでしょ?」と悦に入る、押しつけがましい脚本があったりするのだが、
このドラマはそういう陥穽からはきちんと逃れている。
しかも、バカリズムとオードリー若林の演技が実に巧いのだ。
脚本なのか、アドリブなのか、はたまた、素なのか、そのあわいを見事に突いている。
しかも、舞台が「若林の自宅リビング」から一歩も出ず、
台詞回しだけで場を持たせるというハードルの高さ。

僕から言わせると、
・芸人が芝居をしているのが『住住』
・俳優がコントをしているのが『バイ―』
である。
コントを芝居より下に見るつもりなど毛頭ないが、コントは芝居とは言えないことは確かだ。

『バイ―』は、いっそ監督も脚本も外して、本気の「共同生活ドキュメンタリー」にしてくれたら、
よっぽど面白くなるんじゃないかと思う。


<後日追記>

どちらのドラマの「男の部屋」も、すごく居心地良さそうだな…と思って観察すると、
両方ともこたつがある。
こたつは大好きである。こたつが馴染んでいる部屋というのはいい部屋だ。

ちなみに、『バイプレイヤーズ』は第4話を最後に見るのをもうやめた。


入れ入れ風呂、入れ風呂~

2017-01-23 18:10:19 | 今日の出来事
同居人が現われて以来、冬場は毎日浴槽に湯を溜めて入浴するようになった。
風呂の沸き上がりのチャイムが鳴ったので、

♪入れ入れ風呂、入れ風呂~

と歌いながら、着替えを持って洗面室に向かう。
「丸大ハンバーグ」のCMソングである。

…あれ、いったい何て歌っていたんだろう?そもそも何語?
「山の丸太小屋に現れた巨人」だから、なんとなくスイス=ドイツ語かと思っていた。
ネットで検索してみると、「スキャットのようなもので、言葉に意味はない」などとある。

しかし、子どものころ身についたCMソングというのは、一生忘れないものなのだな。


筑波山1泊旅行 2日目

2017-01-22 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
温泉に1泊すると3回は風呂に入る。1日目の到着後すぐ、夕食後しばらくしてから、そして翌朝の朝食前。
7:38 ひとっ風呂浴びてきた。標高540m余りに位置するこの宿、麓の平野を見晴らす爽快な露天風呂だった。ただ、昨晩深夜、隣接する駐車場に暴走族が集まってきたようで、ブオンブオン…と喧しいので閉口した。いかにも茨城らしい古典的な暴走族には苦笑せざるを得ない。「県の魅力度ランキングで最下位」になるのが嫌だったら、こういうのこそきっちり取り締まればいいのに。

9:05 昨日の歩き出し地点、筑波山神社へ向けて下山開始。ちょうどロープウェイが真上を通過した。

杉などの木立の中をのんびり下りていく。

筑波山神社を通過、さらに山を下る。神社の境内では今日も「ガマの油売り」の実演をしていた。
10:01 今は廃止された「筑波山郵便局」の建物跡。

下っているのは、古からの筑波山の参詣道「つくば道」。両脇に建ち並ぶ家々もどこか風格がある。

ここは山の南側の斜面だ。陽が差して温かい。風もなく穏やか。

いい陽気だから梅も咲いている。つくば山には梅林もあり、2月には梅祭りも開催されるという。

鳥居。だいぶ山を下りてきた。

サボテンってのはなかなか逞しい。こんな石垣の隙間からも、器用に鈴なりに生えてきている。

平地に下り、山を振り返る。ここら辺は遮るものの何もない一面の田んぼで、強風が吹いていたら歩くのがとても苦痛だったろうが、今はのどかそのもの。…それにしてもやっぱり、男体山(左)の峰の方が女体山より高く見えるんだよな。

10:39 神郡の古い町並みを行く。山を振り返る。

火の見櫓も町並みによく合う。

11:07 北条の町の中に入る。立派な石柱の道標が立っている。画面奥が筑波山。

1987年に廃止された「筑波鉄道」の名残。ここは踏切だったと思われる場所。線路跡は今は自転車道として整備されているようなので、今度は自転車で筑波山を目指すのもいいかも知れない。

およそ7.5km歩いた。ゴールの「筑波交流センター」でバス待ちのトイレ休憩。おそらくは市町村合併前には役場だったと思われる建物。だだっ広いが閑散としている。片隅に、なんとも懐かしいロゴの「つくば科学万博」のゴミ箱が。見に行ったなあ、あの万博。開催は1985年だから、もう30年以上前だ。「科学万博を成功させよう」というスローガンの書かれたシールもはっきり読める。よくぞまあここまで綺麗に使い続けているものだ。

【筑波交流センター11:35―(つくバス)→12:11つくばセンター】
つくば駅へ戻ってきた。今まで歩いていた鄙びた風景が一変、開発されたニュータウンの只中。

少しつくばの町を歩いてみる。駅前に広大な公園があるのがいい。この銅像は江崎玲於奈か誰かだったかな。ノーベル賞を受賞した科学者たちが像になっているのだ。ひとつだけ「土台だけで、像がない」空間があり、そこは「未来のあなたのために空けてあります」と。なかなか粋な演出。

芝生や林だけでなく、池もある。公園に面して図書館や美術館もある。なかなか贅沢な空間。

公園の一角には古民家も移築されていた。18世紀末・江戸寛政年間に建てられたと推定される、この地方に典型的な農家建築だという。縁側に腰かけて日向ぼっこをしていたら、「お茶が入りましたから」と係の女性に声をかけられ、温かいお茶をごちそうになる。

「歩車分離」、歩道と車道が立体的に分けられていて、のんびり歩ける。駅の周囲をぐるっとひとめぐりし、最後に駅前の西武百貨店に入ると、2月末で閉店すると貼紙が。開店したのはつくば万博と同じ1985年だという。きらきらとした「未来」を見せていたあの万博がもう過去のものになったように、このデパートももう時代に追いつけなくなったのか。初めて来た店なのに地元民のような淋しさを覚える。
帰りは、つくばエクスプレスではなく、東京駅までの高速バスを選んだ。敷地にロケットが置かれていたりする研究施設のある町をバスは抜けていく。乗客は数名。静かで暖かなバス車中だった。
【つくばセンター13:30―(関東鉄道高速バス)→14:50東京駅】


筑波山1泊旅行 1日目

2017-01-21 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
【秋葉原9:30―(つくばエクスプレス)→10:15つくば】
クロスシートで快調に飛ばすつくばエクスプレスの快速に乗って、つくばへ。終点到着間際、車窓左手に筑波山が近づいた。

【つくばセンター10:30―(関東鉄道バス)→11:06筑波山神社入口】
筑波山へ直通するシャトルバスは、乗客の7割くらいが外国人だった。しかも、アジア系・アラブ系・欧米系入り乱れ。何かつくばで国際的な学会などがあって、その参加者が、オフになった今日、「近くの有名な山にでも行ってみるか」となったのだろうか。出発前、バス運転士のおじさんは、大勢の外国人にも物怖じせず、茨城訛りで果敢に運賃の案内などをしていた。

11:46 筑波山神社参道の食堂でけんちんうどんを食べた後、歩き出し。鳥居の向こうに本殿、そして山頂が見える。

歩き出したのも束の間、随神門の横で「ガマの油売り」の実演が始まるというので、見学していくことに。刀で自らの腕を切りつけ、真っ赤な血の筋ができるほどの傷を負うものの、そこに名物「ガマの油」の軟膏を塗ると…というもの。話には聞いたことがあったけど、実際に見たのは初めて。画像は、刀の切れ味を証明すべく、紙を紙吹雪ができるくらいまで細かく切り刻んだ、という場面。

本殿にお参りした後、いよいよ登山開始。

麓では抜けるような青空が見えていたのに、登るにつれ雲が厚くなり、頂上ではなんと、結構な量で雪が舞い始めた。
14:03 男体山頂(871m)。標高1000mに満たなくとも、この特殊な気象条件は、山ならではか。男体山頂も女体山頂も神職さんが小屋にいて、その「勤務条件」「通勤事情」にしばし思いを馳せる。

山の鞍部、広場状になっている御幸ヶ原へ下りる。男体山頂からの高低差はさほどではないのだが、昨晩から積もっていたと思われる登山道の雪に足を取られ、意外と時間がかかった。「コマ展望台」の食堂で、お汁粉となめこ汁の休憩。北側、加波山方面を望む。さっきの雪が嘘のようにまた陽射しが強くなっている。

食後、屋上のデッキに上がる。南東側を望む。風は強いのだが、風景はうっすら埃をかぶっているかのようで、視界はそれほど抜けない。都心のビル群などもありありと識別できるような関東平野の冬の大パノラマを期待したのだが、残念。

鞍部を登り返して女体山頂へ向かう。この通りの積雪。陽も傾き、冷え込みが厳しくなってきた。

15:09 女体山頂(877m)。男体山より6m高い。しかし、登山の前でも後でも、麓から見るとどうしても男体山の方が高く見えるのだった。なんらかの目の錯覚なんだろうか。張り出した岩場の上から北東側を望む。この岩場も残雪の湿り気で滑るので、なかなか怖い。

今日のゴールはロープウェイの山麓駅があるつつじヶ丘だ。

下山道も残雪が多く、難儀した。時間も思いのほかかかった。画像のこの「弁慶七戻り」ほか、「ガマ石」「大仏岩」「出船入船」「母の胎内くぐり」などの巨岩エリアを抜けていく。

15:59 つつじヶ丘の施設群が近づいてきた。今日はここに宿をとる。駐車場わきには、テーマパークになり損ねた感のある、キッチュで寂寥感漂う遊園地「ガマランド」もあった。
夕食ではワンドリンクがサービスされるとのことだったので、せっかくだからと、メニューの中でいちばん値の張った茨城の地酒「純米大吟醸 郷乃誉」を選んだ。いいお酒というのは飲みやすいお酒なんだね。日本酒を美味いと思ったのは生まれて初めてかも知れない。ふだんあまり飲まないものだから。部屋に帰って、敷かれていた布団(温泉旅館の、これぞまさに醍醐味)に倒れ込む。うたた寝をしながら「欽ちゃんの仮装大賞」を見ていたら、出てくる出場者たちのあまりの素朴な善人ぶりに、涙が出てきてしまった。酔っ払うと涙脆くなる。