tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

三浦アルプス

2018-04-30 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
9時半頃、妻と京急田浦駅着。
駅近くのローソンで、おにぎり2つとから揚げ・玉子焼きの入ったパック、
2色クリームパン、サンドウィッチ、茶を買う。

目指すのは「三浦アルプス」。標高200mほどの低山を尾根伝いに、
東京湾側から相模湾側へ三浦半島を横断する。
このおよそ9kmのコースを歩くのは2015年、2016年に次いで3度目。
3度目だからもう地図も持たずに来た。
記憶を頼りに歩くが、丘の上の分譲住宅地の中で登山口を見つけるのに手間取り、少し回り道をした。

途中、正午を待たずに、相模湾を見下ろせるポイントで昼食をとる。
2色クリームパンは出発直後に歩きながら住宅街の中で食べてしまっていたが
(朝食抜きで来ていたのだ)、それ以外を全部ここで食べる。

乳頭山を過ぎると進路を南から西へと変える。
木立の合間から江の島が見えるポイントがあり、登山道の左側に見えていた記憶があったのだが、
実際は右側に見えていた。
妻は前々回のこのルート踏破の後で、この登山道をモチーフにした絵を描いていた。
その絵の中の江の島が登山道の左手に描かれていたから、そのイメージがついていたのかも知れない。

いつしか横須賀市から葉山町へ入りながら、尾根のアップダウンを繰り返す。
ところどころで藤がきれいに咲いている。
観音塚を越えると、ごみ焼却場や学校など、麓の「里」の気配が近づいてくる。
西武鉄道が所有している山(ボールのような絵柄のかつての西武鉄道のマークが彫られた石票が立つ)を越え、
葉山の町を見下ろす仙元山へ。ここでだいたい15時半。
展望台のベンチのそばに空のペットボトルが積まれた箱が置かれており、
「桜の苗木のポットにするのでご協力を」と書かれている。
空にしたペットボトルを持って下山せずに、ここに置いていく方が都合がいいのだろう。
妻と二人でリュックの中のペットボトルを置いていく。

葉山教会(雪の日は身動きが取れないであろう急坂の行き止まりに立つ)を過ぎると、舗装道路になる。
下を走る道路は横浜横須賀道路方向へ渋滞している。
その道路との合流点に、前回にも記憶のあった自販機があり、レモンスカッシュを買う。
歩き進み、スーパーマーケット「もとまちユニオン」で何か甘いものでも買おうかと思うが、
いわゆる「100円アイス」が軒並み130円台だったりして割高感が強く
(これが「葉山リゾート価格」なのか)、さほど空腹でなかったこともあり、何も買わず。

前回と同様、森戸の浜に出て、防波堤に座って海面に足を浸す。
歩き疲れた足に潮のたゆたいが心地いいが、水温は幾分低めだ。
それでも岩の上から海に飛び込んでいる人もいる。
前回まではここから新逗子駅まで3km弱を歩いて帰ったが、
渋滞する県道を排気ガスにまみれながら歩くのは気乗りせず、近くの停留所からバスに乗る。
バスは混んでいた。京急の「葉山女子旅きっぷ」利用者が多いように見受けられた。
パンフレットを持っている人が何人もいたから。
ほどなくして前の座席が2人分空き、妻と座る。
バスはその後も渋滞でなかなか進まず、停留所ごとに客が増えて満員になったが、
座っている身分としては気楽に身を任せるのみ。

新逗子駅で京急に乗り込むと、ちょうど5時のチャイムが鳴った。
横浜駅で京急を降り、地下街「ポルタ」の「玉泉亭」(「サンマーメン」発祥の店だという)
で五目そばを食べて帰途につく。

  

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東京メトロ一日(24時間)乗車券散歩

2018-01-21 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
【→まずは飯田橋】
神楽坂(早稲田通り)を登っていく。路地裏にも入り込み、石畳の街の雰囲気を味わう。
妻が見つけた、狭い小路の突き当たりにある古民家レストラン「和らく」へ。
畳6畳間で牛タンビーフシチューのランチ。和室は落ち着くなあ。
隣の部屋では、着物教室御一行らしき着物の女性たちが会食。それも神楽坂らしい。
店のそばの小高い丘の上にある筑土八幡をお参り。
早稲田通り沿いの「岩座」。店頭に飾られたお面が面白くて、そのまま店内へ。
パワーストーンや盛り塩、アロマ、神棚、ご朱印帳など。
スピリチュアルに興味はないけど、「きれいなもの」には惹かれる。
1階がカフェになっているデザイナーズマンションが境内に建つ赤城神社へ。
参拝の行列ができるほどの人出だった。
高台から早稲田、池袋方面を眺める。

【神楽坂―(東西線)→日本橋―(銀座線)→上野広小路】
一度行ってみたかった、不忍池畔の「下町風俗資料館」へ。
問屋の商家、駄菓子屋のある長屋、銅壺(火鉢に置く湯沸かし器)職人の住む長屋、
銭湯の番台、昭和30年代の茶の間…
どれも外から眺めるだけでなく、実際に部屋に上がれるのが楽しい。
引き出しを開ければちゃんと茶碗などの「中身」も入っていて、リアリティーに徹している。
やっぱり畳はいいよなあ。畳の間にまつわるツール(卓袱台、茶箪笥、火鉢など)も好きだ。
将来建てる家には絶対に畳の間が欲しい。
お稲荷さんがあって、おみくじもあった。引いたところ、末吉なり。
閉館の16:30ぎりぎりまでここで過ごす。
不忍池をぐるりと歩く。池の真ん中に浮かぶ弁財天をお参りし、半周。
枯れたハスの刈り取り作業が行われており、いわゆる「蓮口」部分がまとめられ、
どうやら種を集めているようだった。歩くうちにすっかり陽が落ちた。
アメ横を抜け、紫一色に塗り込められたド派手な外壁の激安スーパー「多慶屋」で、
妻がナッツの詰め合わせを2袋買う。

【仲御徒町―(日比谷線)→北千住】
仲御徒町駅のホームに下りて、次はどこに行こうかと妻と相談する。
商店街が充実していそうということで、同じ日比谷線の北千住に向かう。
日光街道沿いの商店街を歩く。
「ドンレミー」というケーキのアウトレット店を見つけ、
チョコケーキとミルフィーユケーキの詰め合わせを買い、店の外のテーブルで食べる。
「宿場町商店街」とその南の「本町商店街」を往復し、
今の夕食の気分はこれかなと、焼き鳥の店に入る。「アカマル屋」。チェーン店らしい。
串は鶏モモ、ハツテキ、せせり、チーズつくね、豚バラしそ巻き、シロ、レバー。
それに、わさびポテトサラダ、モツ煮込み、おでん盛り合わせ、あおさ冷麺。
僕はカシスオレンジとゆず蜜サワー、妻はカルピス。これで4255円。
妻はノンアルコールのはずなのに「酔っぱらっちゃったみたい」と顔が赤くなっている。
居酒屋は喫煙フリーなのであまり近づかないのだが、電子タバコを吸う人が増えてきて、
煙問題は以前よりいくぶんかマシになってきてはいる。
ただし、年配の人は今なお圧倒的に煙のタバコだ。
帰り道、再び通りがかったドンレミーでスフレケーキの切れ端詰め合わせを買う。
切れ端だから200円と安い。プリンアラモードなども安くて気になった。
帰宅の持ち運びの崩れを気にして買えなかったが。
こういう店が近所にあったら、スイーツの過剰摂取になること間違いなし。

【北千住―(日比谷線)→茅場町―(東西線)→東陽町】
一杯飲んだ後もまっすぐ帰宅の途に着かないのが今日のポイント。
目指したのは東陽町。昨晩見たNHK『ドキュメント72時間』で紹介されていた
24時間営業のパン工場直売店「モンシェール」へ。
バターたっぷり、焼き立てのデニッシュ食パンがものすごく美味しそうだったのだ。
店に近づくにつれて路上停車の車が増え、いかにもその店を目指してきたであろう客の気配が濃くなるが、
店先にたどり着くと、「本日の販売は終了しました」と札が出ていた。
テレビ紹介翌日の反響だろうから予想できたことではあったが、
工場を24時間稼働させているくらいだから、次から次へと焼き上がると思っていたのだ。
まあ、こういう結果も話のネタということで…と、次回の「一日乗車券ツアー」の機会に持ち越し。
駅へ戻りすがら、「このままでは東陽町に来た痕跡が何もない」と、
近くの公営アパートに2人して入り込み、14階の廊下からほんの数秒間だけ夜景を眺める。
スカイツリーが近かった。
東陽町駅の入口階段は、いったん数段登ってから下っていく構造になっている。
この地点の海抜はマイナス。水害発生時、水が入り込まないための「堰き止め」となっているのだろう。

【東陽町―(東西線)→大手町、そして帰途】
乗り換えの大手町駅で地上に出て、東京駅丸の内口のイルミネーション「ミチテラス」を
少しだけ眺めて、再び地下鉄に下り、帰途につく。

…わりと面白い散歩になった。また別の街をたどってやってみよう。

  

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年の瀬に都バス乗り継ぎ気まま散歩

2017-12-29 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
年の瀬の空白の休日。

テレ東『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』やテレ朝『路線バスで寄り道の旅』の向こうを張るわけでもないが、
都バスを乗り継ぎながら散歩することに。

路線図を広げて妻にどこに行きたいかと聞くと、
大田区の「東京港野鳥公園」がいいというので、まずはそこを目指すことに。

◆渋谷駅―(都06)→古川橋―(反96)→品川駅高輪口

品川でちょうど昼時。駅ビル「アトレ」に入り、「TRIBECA」でランチ。
カレーライスを頼んだら、家庭の味だった。
サラダバーとドリンクバーがついて980円だったからお得ではある。
夜はジャズライブが聴けるらしく、それも興味が湧く。

◆品川駅港南口―(品98)→大田市場北門

品川や天王洲のビル街、新幹線の車両基地、対岸にモノレールや首都高の走る運河、
搬入待ちのトレーラーが延々と並ぶ港湾道路、2号・3号・4号…と続くバース(船が接岸する埠頭)を抜けていく。
降り立った大田市場は、年の瀬の今日もまだ営業中で、トラックやフォークリフトがせわしく動き回り、
木製のパレットや梱包材の破片がそこかしこに散らかっていて、徒歩でうろついているのはいかにも場違いだった。
入口を探し回った野鳥公園は年末で閉鎖中だったが、市場との境はルーズで、土手から中に入り込んでしまう。
誰もいない園内をひととおりぶらつく。管理人さえいないようで、見咎められることもない。
枯れ萱で縁取られた青い池が現れ、その向こうに倉庫群や首都高が見える。
羽田空港を飛び立った飛行機が大きく腹を見せながらゴー…と青空へ昇っていく。
年の瀬の空白の休日らしい、明るい寂寥感がある。カラス以外に野鳥は見られなかった。

◆大田市場北門―(品98乙)→品川駅港南口/高輪口―(品97)→古川橋―(都06)→新橋駅

新橋から徒歩で銀座へ。銀座はアジア系観光客だらけだった。

◆銀座4丁目―(都05)→東京駅丸の内南口

東京駅丸の内口に広大な広場ができていた。今まで何があったんだっけ?ずっと工事中だった気もする。

◆東京駅丸の内北口―(東22)→日本橋

地下鉄の日本橋駅構内に下り、270円で3回分の東京メトロ24時間きっぷがもらえる抽選に当たっていたので、それを購入する。
出てきたところで、お茶にしようと、スターバックスに入る。
マンゴーフラペチーノのいちばんでかいやつ。この寒いのに。
しかしフラペチーノはやっぱりクリーム系の方が好きだ。

◆日本橋―(東42)→蔵前駅―(都02)→御徒町

アメ横へ。正月準備の買い出し客で大混雑と思いきや、歩くのが困難なほどには混んでいなかった。
手ごろな値段ならカニでも買って帰ろうと思うが、何千円もするとやはり手が出ない。
そもそも、アメ横が本当に安いのかどうか、相場がわからない。
結局、激安ショップ「多慶屋」で妻がミックスナッツの袋詰めを買っただけ。

◆上野松坂屋―(上58)→江戸川橋

同じ早稲田方面行き(上69)なのを間違えて、大回りの路線に乗ってしまう。…まあ、これもあり。

◆江戸川橋―(白61)→新宿五丁目

新宿駅まで乗るつもりだったが、歌舞伎町のあたりで渋滞が激しそうだったので、
新宿三丁目駅に近い場所で降りてしまう。
たしかこの時点で夜の7時は回っていたと思う。

乗ったバスは12本。
新木場まで足を伸ばして「東京湾ゲートブリッジ」に行ってみるという構想も
かすかにあったが、さすがにそれは厳しかった。

  

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妙高・戸隠の山 5日目 (高妻山)

2017-09-29 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
5:52 朝風呂に入った頃はまだ真っ暗だったが、支度をして宿の外に出ると、妙高山が朝の柔らかい光に照らし出されていた。

宿から17kmほど移動し、登山口の戸隠キャンプ場へ。
6:44 ひと気のない戸隠牧場の中を進む。

牧場の敷地を出て、沢を登っていく。なかなか傾斜があり、大雨の時は流出物が多いのだろう、道は荒れ気味。

7:35 滑滝。流れの右脇を登っていく。

順調に高度を上げている。振り返ると、輝く雲海が山の端を埋め尽くしていた。

7:53 氷清水。「氷」というほどには冷たくはなかった。しかし、急傾斜を登ってきた先、真夏にはきっとありがたい存在の水場になるだろう。

8:08 尾根上に出る。一不動避難小屋。

一不動。高妻山の登山道には「十三仏」の石仏が順に祀られている。「十三仏」とは?人の死後の初七日から三十三回忌までの忌日を司る13の仏のことで、不動明王、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩、薬師如来、観世音菩薩、勢至菩薩、阿弥陀如来、阿閦如来、大日如来、虚空蔵菩薩。高妻山頂は10番目の阿弥陀で、以降は山脈を辿って13番目・虚空蔵の乙妻山まで続く。

尾根上を行く。右手、南東側には飯綱山と、その麓に出発地点の戸隠牧場が。

左手、北西方向には、目指す高妻山が見えてきた。

後手、南南東方向に見えるギザギザの山容は八ヶ岳か。その左端には…

富士山が頂を覗かせている。

9:10 五地蔵。紅葉が綺麗だ。今まで北を向いて歩いてきたが、五地蔵山頂(1998m)から西へ進路を変える。

右手に黒姫山が近づく。昨晩はあの山のちょうど反対側の麓に泊まった。

左手にはギザギザの戸隠山も見渡せるようになってきた。

10:00 九勢至。高妻山の峰を正面に捉える。

高度を上げていく。八観音など、歩いてきた尾根を振り返る。

十阿弥陀付近の岩場。巨岩の頭を渡っていく。山頂はもう近い。

10:55 高妻山頂(2353m)。向こう(南西側)は白馬の峰々。

北東側。右手より、妙高山、火打山、焼山と続く峰々。

北西側奥に見えるのが一昨日登った雨飾山だろうか。
山頂の標識から少し離れ、誰もここまでは来ない1畳ほどのてっぺんをもつ巨岩によじ登り、弁当を広げる。雄大な景観を睥睨し、まるで天下統一を果たしたかのような心持ちでいる。おにぎりにガブリと噛みつく。今回の山行で最後の山。30分ほど山頂で過ごす。

山を下りていく。
11:51 実は登りの際、この地点で“滑落”した。2mほど。右手で草の根っこを掴んでよじ登ろうとしたが、その根っこが抜けてバランスを崩し、しかしうまく体勢を立て直した…かと気が抜けたところで足元の引っ掛かりを失い、横向きになって背中から落ちたのだ。途中1バウンドして。もしかしたら1回ロールしたかも知れない。腰と左肘を強打する。幸い頭は打たなかった。自分の体が制御不能になる転落をしたのは、これまでの登山経験の中で初めてだ。下山中、再び通りがかってその「現場」が特定できたので、戒めのために写真を撮っておく。

下山道が稜線上に続いている。

尾根のアップダウンを繰り返しながら、九勢至、八観音、七薬師と、行きとは逆にカウントダウンしていく。高妻山を振り返る。

前方に六弥勒の峰が。山肌を染める赤・黄・そして緑。多彩で繊細な色遣い。

12:57 六弥勒。僕の持っているガイドブック(幾分古い)には記されていなかったが、ここから戸隠牧場へ下りる新道があり、下山はそのルートを推奨します、と看板が出ている。一不動から下の沢は傾斜が急で道も荒れており、登りながら確かに懸念はしていた。今日は“滑落”も経験していることだし。ここから新道で下ることにする。

飯綱山と戸隠牧場を望む。「モ~」という牛の鳴き声が、かすかではあるがここまで聞こえてくる。

行く手の正面に黒姫山の全容を捉える。

新道は実に歩きやすかった。休まず歩き続ける。ブナ林の中を行く。

麓まで下りてきた。山の中では一度も用を足していないが、一昨日の雨飾山と同じく、せせらぎの音を聞いて急に尿意を催してきた。あと少しの我慢。

14:08 戸隠牧場。牛が放牧されている草地のへりを歩く。緑輝く草原となだらかに広がる山が美しい。素敵なエピローグ歩きとなった。

牧場を出て、茶店でソフトクリーム。少しだけ舐め始めた後で気づいて撮った写真なので、山の頭がなくなっているけど。

駐車場に戻り、シャツを着替え、登山靴をサンダルに履き替える。
昼食には遅く夕食には早い中途半端な時間。おやつにちょうどいいかと、この旅2回目の戸隠そばの店へ。
戸隠森林植物園近くの「そばの実」でざるそばをすする。

戸隠からは飯綱高原を経て長野市街へ。
街を見下ろす高台を下りきったと思ったら突如善光寺の参道に出たので驚いた。
長野駅前を通り、犀川を渡り、ロードサイドの西友でアイス
(こういう時に無性に食べたくなる「あいすまんじゅう」)とコカコーラを買って休憩。
西友などにいると、ここが長野なのか埼玉なのか東京なのかわからない。

再び走り出し、上信越道のインターチェンジが近づいてきたものの、
CDをかけながらののんびりドライブが興に乗ってきたのでそのまま一般道を行く。
山の端に沈む夕陽を見ながら千曲、坂城、上田と国道18号線を走り続ける。
明日あさっては土日で休み。急ぐこともない。

なんとなくハンバーグが食べたくなり(そういえばこの4泊の宿の食事はみな和食だった)、
ハンバーグ店があったらそこで食事をして、店を出たら手近なインターから高速に乗ろう
と考えていたものの、小諸を過ぎても目ぼしい店はなく、軽井沢へ突入。
立派な梁が天井を渡る古民家風で、いい選曲のジャズが流れる、
いかにも軽井沢らしい雰囲気の「盛盛亭」でハンバーグ定食にありつく。

店を出て、碓氷軽井沢インターは街から離れているな…と敬遠しているうちに、
ヘアピンカーブが連続する山道で群馬県に入り、結局、横川、安中、高崎と走り続ける。
しかし、さすがに埼玉県に入ったら信号も増え、スイスイとはいかないだろうと、
藤岡インターから関越道に乗って帰途につく。

今回の山行で「日本百名山」登頂は55座となった。

  

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妙高・戸隠の山 4日目 (戸隠神社と一茶記念館)

2017-09-28 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
昨夜から雨が降り続いており、当初予定していた今日の高妻山登山は早々に断念していた。近隣の宿を予約してこの地にもう1泊留まり、高妻山は明日挑むことにする。というわけで、今日は「休養日」。眠りたいだけ寝てやろうと思っていたのだが、ここ3日間で早起きの癖がついていたのか、早朝4時頃に目覚めてしまった。布団にもぐったまま、持ってきていた春日武彦『私家版 精神医学事典』を読む。暗がりで雨音を聞きながら読むにふさわしい本だった。この雨のせいか寒さを覚え、時折部屋の暖房を起動させた。朝食後も1時間ほど部屋で本を読んで過ごす。
10:06 戸隠森林植物園に車を停め、林の中を抜けて戸隠神社奥社の参道入口へ。戸隠神社には5つの社があり、今日はそのすべてを回ってみる。

この参道はおよそ2km(半里)もある。車では行けない。生半可な気持ちでは来させないようになっているところがいい。木立ちが雨粒の落下をしのいでくれているのか、傘を差さなくても歩ける。

参道のちょうど真ん中あたり。茅葺きの随神門。

随神門から先は、樹齢400年を超えるという杉並木が続く。

参道は最後に山にさしかかる。

10:37 奥社。祭神は「天手力雄命」というから、あの岩戸を放り投げて戸隠山を作ったという神だな。

奥社の隣、九頭龍社。奥社より歴史は古く、地主神として崇められていたという。

11:05 参道を随神門まで戻り、隣接する戸隠森林植物園の散策路を行く。歩く人は他にいない。木々は雨に濡れ生き生きとしている。戯れにどんぐりを1つ拾った。家で鉢に植えてみようと思う。

森林植物園から中社まで車で移動し、中社から「戸隠古道」を歩き出す。
11:50 門前の街並みはほどなくして途切れ、道は、「熊出没注意」と看板の出る森の中へ。

11:57 宝光社。「パワースポット」を囃し立て崇め奉るのはなんだかさもしい気がして興味はなく、僕は「休養日」の戸隠散歩を楽しんでいるだけだが、この戸隠の五社をこまめに回ってお参りしている人は多いようだ。

12:13 火之御子社。祭神は天宇受売女命というから、岩戸の前で舞を踊って天照大御神を誘い出した神だな。

戸隠神社の参詣道沿いの宿坊群は国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されているということで、その街並みの景観に期待したのだが、残念ながら取り立てて目を奪われるようなものはなかった。ここがいちばん「それらしい」と思えた家屋。

12:48 中社鳥居前の「うずら家」で戸隠そばの昼食。戸隠そばの歴史は、平安時代、山岳修験者の携帯食としてそば粉が珍重されたことに始まるという。根曲がり竹で編まれた円形のざると、ひと口ほどの量で束ねられた「ぼっち盛り」という盛り方が戸隠そばの特徴だそうだ。生わさびをすりおろして食べる。コシのある美味しいそばだった。

13:09 昨日に続き再び中社に参る。社殿の裏手には滝が流れていた。

昨晩観光ガイドマップを見ていて、小林一茶が戸隠の隣町・信濃町の生誕であることを知った。その記念館があったので立ち寄る。宿のチェックインまでの時間潰しのつもりで展示物を丹念に眺めた(上映していたビデオさえ片っ端から見た)ら、思いのほか時間が経った。生涯で遺した俳句は2万句。52歳で一茶については帰宅後にあらためて句集を読んでみようと思う。
15:37 一茶記念館を出ると雨も止んだ。館のほど近くにある旧居を訪ねる。1827年、ここ柏原宿で大火が起き、一茶は家を焼け出される。門人宅を転々とした後、修理を終えたこの土蔵に帰り、その11日後、一茶は65年の生涯を閉じる。すぐ隣には弟(腹違い)の家もある。一茶はこの弟と父親の遺産相続について揉めたらしい。街道側を間口にして、敷地は兄弟で細長く2分割されていた。

途中、黒姫駅前の酒屋で「みぞれりんごの梅酒」をお土産に買い、さらに「道の駅しなの ふるさと天望館」でりんご(シナノゴールド。 引き締まった歯ごたえの瑞々しいりんごだった)の袋詰めを買い、ついでに「黒姫高原牧場」のソフトクリームを舐め、黒姫温泉の宿へ。
17:31 ひとっ風呂浴びた後で外に出ると、夕焼け空を従えた妙高山が。

  

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