特捜最前線日記

特捜最前線について語ります。
ネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

第478話 真夏の夜の悪夢・風呂好きの死体!

2009年07月04日 02時56分56秒 | Weblog
脚本 佐藤五月、監督 辻理
1986年8月14日放送

【あらすじ】
なぜか神代の運転する電車に轢き殺される悪夢に襲われる紅林。それは、連日の暑さによる疲れなのか?それとも、半年前に近所で惨殺された一家の呪いなのか?
ある夜、帰宅中に不審な女を保護する紅林。「あそこで、恋人を殺したんです」と女が指差したのは、一家惨殺の舞台となった古びた洋館だった。怯える女を励ましつつ、洋館を調べる紅林。女の言う通り、風呂場には男の死体があった。しかし、何者かに襲われた女を助け、再び風呂場に戻ってみると、死体は消えていた。特命課に連絡し、本格的な捜査を開始するが、やはり死体は発見されず、濡れた足跡が屋外まで続いていた。死体が生き返ったのか、それとも誰かが運び去ったのか?
翌日、改めて事情を聞いたところ、女は最近、恋人の紹介で洋館に引っ越してきたが、暴力と浮気が原因で恋人を殺したという。ようやく半年前の事件を知った女は、被害者の亡霊が自分を襲ったと思い込み、恐怖にかられて紅林にしがみつく。
神代は、今回の事件が、ある映画のストーリーに酷似していることを指摘する。その映画の真相は、夫と情婦が亡霊の仕業に見せかけて妻をショック死させるというものだった。この映画をヒントに、恋人が浮気相手と共謀して女をショック死させようとしたのではないか、と推測する特命課。
浮気相手を訪ねたところ、つい先ほど、当の恋人から電話があったという。やはり恋人は生きていたのか?女を釈放して様子を見ようとする特命課だが、女は洋館に戻るのを恐れて「特命課は殺人犯を釈放するの?」と言い張る。だが、その後で「無実の人を殺す癖に・・・」と呟くのを、桜井は聞き逃さなかった。
紅林が護衛に付き、ようやく洋館に戻る女。浴槽から響く水音に、何事かと調べてみると、そこには恋人が横たわっていた。死体かと思いきや、笑顔で起き上がる恋人。「何であんな真似をした!」と激昂する紅林に、恋人は「女に『知り合いを脅かすから』と頼まれてふざけただけ」と涼しい顔で答える。女は懸命に否定するが、特命課は女と恋人による狂言とみて捜査を打ち切る。
「真夏の夜の茶番劇!」「怪談に踊らされた特命課!」など、マスコミが面白おかしく報じたことで、特命課の面目は丸つぶれ。恐縮する紅林だが、そもそも、彼女の狂言だとしても、一体何が目的だったのか?だが、事件はまだ終わらない。女は警察の説諭を受けながらも、「私は確かに恋人を殺した」と主張を曲げず、紅林に「助けて、恋人に殺される」と何度も電話をかけてくる。「忙しいんで・・・」と口では断わりながらも、洋館を訪ねる紅林。女は紅林の訪問を喜び、トロピカルジュースでもてなす。だが、紅林の真意は、女から事件の真相を問い質すことにあった。「貴方の本当の目的は何なんですか?」紅林に問い詰められ、女はある事実を明かす。女には亡き夫がいた。その夫は、無実の罪で紅林に殺されたのだという。
同じ頃、特命課でも紅林が過去に扱った事件から、女の狙いを察知していた。それは1年前、紅林と吉野が取り調べ中に、心臓発作で死んだ詐欺師だった。女の狙いは、特命課の名誉を貶めた上で、紅林に復讐することだった。トロピカルジュースに仕込まれた薬で、身体の自由を奪われた紅林が見たものは、女が手にかけた恋人の死体だった。夫の形見のチェーンソーを振るい、紅林を追い詰める女。「ま、待ってくれ・・・」必死の抵抗も虚しく、チェーンソーが紅林の喉下に迫る。危機一髪の紅林を、駆けつけた特命課が救出。顔面蒼白の紅林に、橘と桜井が肩を貸す。「どうして、分かったんですか?」紅林の問いに、笑顔で種明かしする桜井。「俺は紅さんと違って、女性にはクールだからな」紅林は思わず桜井の肩を離れ、橘に身を預けるのだった。
雷鳴のなか、疲労困憊で特命課に戻った紅林に、神代が優しく声をかける。「風呂にでも入って、さっぱりするんだな」「いや、お風呂はもうけっこうです・・・」

【感想など】
佐藤脚本による紅林主演の怪談モノといえば、かの名作(?)、第325話「超能力の女!」がありましたが、今回は時間帯以降の影響もあってか、前作以上にライトなノリで、ほとんどドリフの怪談コントを思わせるようなコメディータッチ。それでも一応の伏線や謎解きを織り込んでいる辺りはさすがですが、まじめに感想や評価を語るのは無粋というもの。何も考えずに頭を空にして、「こんな怪作もあったんだなぁ」と楽しむのが、大人の嗜みというものでしょう。

6 コメント

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楽しみにしています (海馬)
2009-07-07 02:03:57
はじめまして。
いつもこのページを楽しみに拝見しています。
これからも続けていってくださいね。
今日は時間も遅いので、今度長くコメントを書きたいと思います。
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楽しみにしています (袋小路)
2009-07-08 00:37:31
海馬さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
だんだん残り話数が少なくなってきましたが(順調にいけば10月には最終回)、その後も第1話からの放送があれば続けて行きたいと思っておりますので、末永くお付き合いいただければと思います。
次回のコメントを楽しみにしておりますので、よろしくお願いします。
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特捜について (海馬)
2009-07-08 01:19:30
袋小路さん
こんばんは。
そうですか・・、10月に・・。
特捜は私が小学3年の頃から始まったのですが、他の刑事ものは見ずに「特捜」一筋でした。
ただ放送時間帯が遅いので、早くお風呂に入りなさい!って叱られるんです。
なのでよく仮病を使いました。風邪を引いていると言えば風呂に入らなくてすむので、初めから終わりまで見れるんです。

津上のいた時代が好きでしたね。
時代劇をやりたいといってやめてしまいましたが、あのままやめずにいたら、この事件のとき津上ならどうしたかなとか考えてしまいます。

それに津上の殉職時も吉野の殉職時も船村刑事はいませんでしたが、いればどんな反応をするのか見たかったです。

いまだに気になってしょうがないことがあるのですが。
ある回の1シーンなのですが、これがどの回だったのか分からないんです。
真夏にある交番で殺人事件があったのですが、照りつける太陽が強くて真っ白に見える道を刑事が尾行しているんです。
ここでお風呂よ~と呼ばれて上がったら終わっていました。
これが気になっているんですが、わかりますか?

いつも書くのが深夜になってしまいます。今度日曜日にきちんと書きますね。
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ありがとうございます (袋小路)
2009-07-10 04:03:55
海馬さん、さっそく返信ありがとうございました。

私もほぼ同世代なのですが、田舎ゆえに、夜8時には寝かされていましたので、本放送時はほとんど視聴していません。ですから、リアルタイムで見たいた刑事ドラマは、8時台の太陽か、夜更かしが許された土曜9時台のGメンくらいで、特捜は必殺シリーズなどと同様に、再放送ではじめてはまったクチです。

それにしても、小学生にして特捜の魅力が分かるとは、末恐ろしいというか何というか、早熟なお子様だったのですね。当時と今とでは、同じドラマを見ても感想がまた違うのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

気になってらっしゃるエピソードですが、私も初期編から漏れなく見ているわけではないので、ちょっと分かりません。ただ、コメントいただく皆さんは、親切な方が多いので、ひょっとして他の方から情報提供があるかもしれません。過度には期待せずに、お待ちください。

私は仕事柄、どうしても更新するのは深夜になってしまいますが、夜更かしは健康に良くありません。日曜の日中に、どうぞごゆっくりコメントください。楽しみ西ています。
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また来ました (海馬)
2009-07-12 03:01:54
袋小路さん
こんばんは。
夜更かしは体に毒ですが、明日は休みなので夜更かししています。

同年代でしたか。ということは価値観など共通点が多いですよね。よかったです。
楽しいお話ができそうなので。

太陽とかもチャンネルを変えたとき、チラと見ることはありましたが、継続してみようとは思いませんでしたね。
ああいう拳銃の撃ち合いとかありえないし、あまり現実と大きくかけ離れているとどうも興味半減します。

というのもうちの2軒隣りに刑事さんが住んでいたんです。タイプはハナ肇っぽい人でしたが、そのおじさんがよく特捜が一番現実味があるので、将来のために見ておくようにとか言っていました。
刑事さんお勧めの番組だったんです。
そういわれているうちに見てみようと思って。
それがきっかけです。

特捜を見る時はなぜか暗い応接間で、父がお酒を飲みながら静かに見てるんです。物音ひとつしないんですよ。そこへ私が入っていくわけです。妙な異次元の世界みたいでした。
噛みしめて見ている感じでしたね。
ラストのあの私だけの十字架も余韻が残っていて、更に辛くなりましたね。
その暗さを引きずったまま布団に入ると中々寝付けないんです。そこでもう一度回想するんです。
あれは何だったんだろう・・とか世間とは冷たいんだな~とか。
そういうことができるには特捜しかありません。
太陽や西部警察では見終わった段階で終わりですから。

当時は船村刑事の良さが分からなかったですね。
父は船村さんが一番と言っていましたし、その刑事さんも船村さんの真似をして落とすときがあるとか言っていました。でも当時は普通のおっちゃんじゃないかくらいにしか思えなくて。

でも今は見方が変わりましたね。
『哀・弾丸・愛』は勿論ですが、『子供の消えた十字路』や『恐怖のテレホン・セックス魔!』のときの船村刑事は最高です。

ところで『子供の消えた十字路』で最後子供が見つかったとき、船村刑事が叫ぶ言葉が『拾った~』にしか聞こえないんです。
橘刑事が抱いた子供に拾ったはないですよね。
ずっと気になってるんですが、何て聞こえましたか?
何度聞いても「拾った~」にしか聞こえません。

でも津上刑事や吉野刑事が殉職するとき船村さんがいなかったのが残念なんです。
いたらどういう反応を示したか、見てみたかったです。
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貴重な証言 (袋小路)
2009-07-14 02:04:38
海馬さん、度々のコメントありがとうございます。

リアルタイム放送時のメイン視聴者である、お父様やハナ肇風の刑事さんなどの貴重な証言、非常に興味深く読ませていただきました。とくに「将来のために見ておくように」という刑事さんの言葉は、胸に響きますね。

私の父も、おそらくリアルタイム視聴者だったのでしょうが、寡黙で近寄り難い存在だったため、一緒にテレビを見ることも、テレビ番組について語り合うこともなかったので、海馬さんが羨ましい限りです。

確かに、おやっさんの魅力というものはは、子供はもちろん、若い視聴者にはなかなか伝わりにくいものがあるでしょうね(あと、橘さんも)。しかし、そこに気づいた者にとっては、生涯の宝物とまで言えるような、忘れられないもの番組になるのだと思います。

なお、「子供が消えた十字路」については、私も感銘を受けましたが、そのシーンの台詞までは、残念ながら覚えておりません。また視聴する機会があれば、確認してみようと思いますので、気長にお待ちください。

今後とも同世代ならではのコメントをお待ちしています。
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