腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



昨日のお昼過ぎ、上品な感じのご婦人がタグ・ホイヤーの電池交換でご来店されました。
(上品な感じというのは、店主個人の主観的な感想です)

防水検査はしなくていいということで、電池交換のみを承りました。
早速裏ブタを開けてみると、入っていた電池が酷い液漏れを起こしていました。

電池を取り出し、めん棒と爪楊枝で出来る限り機械に付着している白い粉(ボタン電池の液漏れの場合、液体が乾燥すると白い凝固体になります)を綺麗に拭き取り、ベンジンを数滴垂らしてエアーダスターで吹きました。

新しい電池を入れたら正常に作動したので、これで暫く異常なければ問題ないでしょう。


数分後、お客様が戻ってこられたので
店主「中の電池が相当酷い液漏れを起こしてました」と言うと

ご婦人「液漏れ?」


ここで、店主オハコの液漏れの説明をさせていただいた。

店主「電圧があって動いている間は問題ないんですけど、切れてしまった古い電池を入れっ放しにしておくと、電池から液体が出てくるんです。
それが機械の方に回ると、分解掃除の必要が生じてきます。
懐中電灯やリモコンの乾電池を交換しようと思って蓋を開けたら、中の電池から茶色い液体がベタ~ッと出てるのを見たことないですか?
それが液漏れです」


この説明をすると、皆
「あ~ぁ、あれね。見たことあります!」

という返事が返ってくる。


が、そのご婦人は澄ました顔で一言




   「見たことない」


えぇっ!

懐中電灯やリモコンの電池交換されたことない!


...

無念。


あまり気持ちの良いものではなく、どちらかと言うと見た後は不愉快になるので、この先も“液漏れ”を見ないで済むならその方がいいかもしれないです、はい。


では、修理品のご紹介。
こちら↓
 タグ・ホイヤー リンク Ref.WT5110 200m防水
 自動巻き

栃木県那須塩原市在住のM様所有。
分解掃除、テンプ調整、パッキン交換、防水検査、ブレスクラスプ(バックル)調整しました。

タグのリンクです。
S/el(セル)シリーズの後継モデルとして2000年より発売開始。
タグの新しいフラグシップ的モデルです。
3針クォーツ、クォーツクロノグラフ、3針自動巻き、自動巻きクロノグラフ、3針にはレディース、ボーイズ、メンズとラインナップされており、文字盤のカラーもシルバー、ブラック、ブルー、マザーオブパールとバリエーションが豊富。

S/elのブレスコマの独特の形状を髣髴とさせるフォルムに、より剛性度がUPして更にスポーティさが増しました。

M様大事にお使い下さいませ。


液漏れを起こす前に、電池が切れたら早め早めの交換をお願いしたい腕時計修理専門店トゥールビヨン店主
というわけで、明日と明後日はお休みになります。
こういうの何て言いましたっけ?

...


そう!連休です。

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