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精神科医師のブログ。
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唐松岳学校登山付き添い

2012年07月26日 | Weblog
山に囲まれた長野県の中学校や高校は学校登山というのがあります。
先日、地元の中学の学校登山の付き添いに行ってきました。

当院にも毎年、地元の複数の中学から医師会を通じて学校登山の医師の付き添いの依頼が来ます。
医師会の開業の先生は高齢で医院を休むわけにも行かないので、若い医者の多い病院に回ってくるのです。
学校登山で喘息死がでてから医師が付いて行くようになったといいます。

地元の中学校の教育現場の雰囲気に触れられるので貴重な機会です。不登校や発達障害の相談を受けることも増えてきているので・・。
年に1回の楽しみ?です。

前もって、その日は、外来を休止にして段取りを付けますが、雨などで中止となることも多いです。
昨年は雨で中止となり、予備日も雨で中止となりました。

ずっと爺ヶ岳ばかりだったので今年は唐松岳・・。
早い者勝ちです。
変化に飛んだ人気のコースでゴンドラとリフトでかなり高い地点からスタートです。

しかし、同僚がついていった別の学校では滑落の事故がありヘリコプターで運ばれたという話を聞き緊張しました。

山では何があるかはわかりません。
毎年行っている危険なところの少ない安全なコースを選んでいる言え、先生が1対1でついていられるわけではなく、天候も変わりえます。
体力や病状的に懸念のある子どもはドクターストップがかかっていますが、不登校であっても学校登山だけには出てくる子などもいます。
教職員向けのしおりに「山頂では多動児に注意」とかいていたり、他動で危ない子は先生のもつ杖を話さないようにして移動したりしていたこともありました。

今回は、ガスが多く曇りがちでしたが、かえって暑くもなく雨もふらずちょうどいいくらいの天候でした。
事故や急病もなく良かったです。

唐松岳のコース、花の種類と量は圧倒的でした。
「北アルプス花三昧」と銘打っており観光地でもあり、リフト+1時間程度でいける八方池まではツアー客や観光客もたくさん来ます。


ニッコウキスゲ、別名エゾカンゾウです。


キヌガサソウです。

季節をさかのぼりながら山に登ると、マイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、エゾカンゾウ、シラネアオイ、ウルップソウ、ヨツバシオガマ、チングルマ、コマクサ・・・・・。色とりどりで形も大きさも様々な高山植物に出会います。

名前の通り北海道の海岸部、礼文島や千島に連なる場所では平地で咲いていることもある花です。
なんとも不思議な感じがしますね。

小学生や親子連れ、遠方の修学旅行の中学生もたくさんいました。
そこから先の丸山ケルン、唐松岳山頂までいく学校もありますが、登山という感じになります。
長野県の中学校は山小屋での宿泊です。100人以上もいる学校とのすれ違いは大変です。


山頂に行くまではガスがあったのですが、山頂では日がさし、富山側の視界が一部開けました。


山頂から荷物をデポした唐松山荘まで下ります。コマクサが咲いています。


山荘の食堂から正面に「点の記」で有名になった剱岳が正面に見えます。
カレーを食べて就寝。翌朝のご来光は残念ながら曇っていて見えませんでした。


白馬三山を雲が乗り越えてきています。壮大な景色ですが、すぐにガスがでてきました。


小さな雪渓を下ります。



リフトの駅が近づいて来ました。
遠方に白馬の街が見えます。パラグライダーも飛んでいました。

下山後、学校の先生やガイドさんたちとのお疲れ様会も楽しみの一つです。
温泉に使ってから合流。少し時間があったので、小谷村診療所に寄っててかつての同僚にあってきました。

こういう場では地元の山岳ガイドさんの話や、学校の話が聞けて面白いです。
中学のいじめの問題が取り沙汰されていますが、当地の子供たちは皆、本当に大事にされて、先生方、地域の人に愛されていることを感じました。

学校登山付き添い