リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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ジェネラリストとスペシャリスト

2006年12月04日 | Weblog
医師の進路の話をしていると、ジェネラリストでいくのかスペシャリストでいくのかという話になる。

もちろんどちらも必要だし、これらは相補的である。

ジェネラルな視点も持ったスペシャリストというのもいるだろう。
(主治医なら心強い。)
求められるスペシャルな技術を身につけたジェネラリストというのもいる。
(地域で役に立つ存在だ。)

そしてジェネラリストは、あなたを専門とするスペシャリストです。
という家庭医、一般医もいるからだんだんわけがわからなくなるが・・・。


単純化して考えると、よって立つスタンスの違いだとおもう。

地域や患者、住民のニーズから出発するのがジェネラリスト。
そして主な仕事は、さまざまなスペシャリストから技術を引き出し目の前の対象に還元するマネージャー、あるいはコーディネーター。
サッカーなら監督。
ビジネスならマーケッティング、営業、サポートか。
地域や患者さんに興味がある人はジェネラリストになればいい。
ただし、スペシャリストの力をうまく使うように。

最新の医学の技術から出発し、あらたな治療を開発、実施するのがスペシャリスト。主な仕事は、その分野での技術や知識をとことん深め提供する。
一つの芸にとことん優れた職人。技術者。

サッカーならストライカーやディフェンス、ゴールキーパなどのプレイヤー。
ビジネスなら製造や開発か。

病気や技術により興味がある人はスペシャリストになればいい。
ただし、ジェネラリストとともに医療をおこなうように。

他の業界でも開発や営業のプロ、職人としてのプレイヤー(スペシャリスト)でいくのか、全体をみすえたマネジメント業務をおこなうマネージャー(ジェネラリスト)でいくのか選択を迫られるようになった。

この2つを区別せずに、2兎を追って、みなスーパーマンのプレイングマネージャーを育てようとしてきたところにいままでの医学教育の問題があったのではないか?

・・というよりスペシャリストのみの養成しようとしていたか?

はたして、いまの臨床研修制度はどうだろうか?